「ブライアンは主人公なのに、その素質がまるでない」――新『バイオハザード』が実写化史上最高評価を叩き出した理由
「ブライアンは主人公なのに、その素質がまるでない」。
映画『バイオハザード』の監督と主演が登場する特別映像で、そう語られていました。
銃も扱えない、格闘もできない、ただの医療品配達員。
それが今回の主人公です。
2026年9月18日の全米公開から、この映画はRotten Tomatoesで批評家スコア98%、観客スコア91%という、シリーズの実写化作品では見たことのない数字を記録しています。
ゲーム原作の実写映画といえば「原作は好きだけど映画の評判はいまいち」という空気が定番でしたが、今回はどうやら違うようです。
日本公開は10月9日。
Xの反応と公式発表から、その理由を追いかけてみました。
先に結論をまとめると:
– 主人公ブライアンは「戦えない普通の配達員」という設定で、シリーズ初のサバイバルホラーとして再設計されている
– Rotten Tomatoesは批評家98%・観客91%(2026年9月18日時点)で、シリーズの実写化作品としては過去最高スコア
– 監督は『バーバリアン』『ウェポンズ』のザック・クレッガー。
低予算ホラーで評価を積んだ作家がフランチャイズ再生を任された珍しいケース
Xで沸いた「絶対欲しい」の声
公開直後のXで真っ先に伸びたのは、実は本編の感想ではなく、劇場のポップコーンケースでした。
映画バイオハザードのポップコーンケース最高すぎて絶対欲しい pic.twitter.com/bXR45EeN4h
— DIZ (@DIZfilms) 2026年9月18日
1万6000件を超えるいいねを集めたこの投稿が示すのは、映画の中身を見る前から「バイオハザードの世界観」そのものにグッズレベルで反応する層が厚いということです。
ラクーンシティ、感染、ゾンビ――30年近く続くゲームシリーズの記号は、それだけで人を呼べる強さを持っています。
ただ、グッズ人気と映画本編への評価はまったく別問題です。
ここまで積み上がった実写化の歴史を踏まえると、本編が高評価を得たこと自体がシリーズにとって異例でした。
そこで、実際に何が変わったのかを一次情報で確認してみました。
なぜ戦えない主人公が評価されたのか?
公式が明かしたコンセプトは「もしゲーム『バイオハザード』の世界に放り込まれたらどうなるか」というものでした。
主人公のブライアン(オースティン・エイブラムス)は、ラクーンシティ総合病院へ医療品を届けるだけの、ごく普通の配達員です。
銃も格闘も得意ではない彼が、ウイルスに感染した人々があふれる一夜を、ただ生き延びようとする――90分間、観客は彼と同じ目線で恐怖を体験する構成になっています。
映画『バイオハザード』監督と主演が主人公像を語る特別映像が公開。監督いわく「ブライアンは主人公なのに、その素質がまるでない」https://t.co/6DEbpomNfY
— 電ファミニコゲーマー (@denfaminicogame) 2026年9月18日
銃も扱えず、格闘もできない配達人がラクーンシティで悪夢の一夜に巻き込まれる。不穏なX線写真3枚も解禁され、映画は10月9日に全国公開 pic.twitter.com/WrZNkxW7qp
このコンセプトの狙いを、監督のザック・クレッガーは特別映像の中で語っています。
過去の実写化作品の多くは、ゲームさながらに銃を撃ちまくるヒーローを主人公に置いてきました。
しかし今回はあえて「その素質がまるでない」主人公を選び、ホラー映画としての緊張感を優先させたわけです。
クレッガー監督は『バーバリアン』『ウェポンズ』という低予算ホラーで評価を積んできた作家で、大型フランチャイズの監督としては異色の起用でした。
この人選自体が、制作陣が「派手なアクション」より「恐怖の質」を選んだという意思表示だったとも読み取れます。
過去のシリーズ実写化はなぜ評価が伸びなかったのか?
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の旧シリーズをはじめ、これまでのバイオハザード実写映画は興行的には成功しても、批評家の評価では苦戦してきました。
原作ファン向けのサービス要素とアクション映画としての娯楽性を両立させようとした結果、ホラーとしての緊張感が薄まっていた、という指摘が繰り返されてきた経緯があります。
今回の再始動は、まさにその逆を行きました。
派手さを削り、等身大の主人公が理不尽な恐怖に追い詰められる構成に絞ったことが、批評家・観客の双方から支持された理由のようです。
日本公開時にあらためて評価が動くかどうかも、注目のポイントになりそうです。
Shiritomo MOVIE編集部の考察:低予算ホラー出身の監督起用は続くか
今回の再始動で興味深いのは、大型フランチャイズの舵取りを、インディーズ系ホラー出身の監督に委ねた判断です。
近年のハリウッドでは、『イット・フォローズ』や『ゲット・アウト』のように低予算で評価を確立した作家を、大作ホラーやフランチャイズ再生に抜擢する流れが目立ってきました。
予算規模ではなく「怖がらせる技術」を基準に監督を選ぶという発想です。
ゲーム原作映画は今後も供給が続くジャンルですが、原作再現の忠実さよりも「誰が撮るか」が評価を左右する時代に入ったのかもしれません。
次に控える他のゲーム原作映画が、同じ路線を踏襲するかどうかも見ておきたいところです。
まとめ
『バイオハザード』は、主人公から「強さ」を引き算することで、シリーズ実写化史上最高評価という結果にたどり着きました。
日本公開は10月9日。
全米での高評価が、原作を知る日本の観客にどう届くか楽しみです。
