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「企業公式が毎朝地元の天気を言い合う」――業種を超えて続く、宣伝ゼロのSNS投稿習慣

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月21日 更新
「企業公式が毎朝地元の天気を言い合う」――業種を超えて続く、宣伝ゼロのSNS投稿習慣

「今日の姫路市は気持ちの良い青空が広がっています」。
これだけの投稿に、商品名も宣伝文句も一切入っていません。
10月16日の朝、精密機器メーカーのグローリー株式会社の公式X(旧Twitter)が投稿した一文です。
同じ日の朝、別の業種の企業公式アカウントも、それぞれの街の空模様を報告していました。
SNS担当者なら「今日は何を投稿しよう」と悩んだ経験があるはずです。
この記事では、その悩みに対する一つの答えになっている投稿習慣を掘り下げます。

先に結論をまとめると:
– 「#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う」というハッシュタグを使い、複数の企業公式Xアカウントが自社のある地域の天気を毎朝投稿している
– 商品紹介やキャンペーン告知を含まない、ノー宣伝のゆるい投稿がフォロワーとの関係づくりに使われている
– 精密機器・印刷・デジタル加工・電子部品など、業種を問わず同じフォーマットで続けられている

何が起きたのか

「#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う」は、企業の公式Xアカウントが朝の挨拶とともに、自社がある地域の天気を報告するというシンプルな投稿フォーマットです。
10月に入ってからも、このハッシュタグは使われ続けています。
精密機器メーカーのグローリー株式会社(姫路市)、印刷・デジタル加工サービスのアクセア(麹町)、電子部品メーカーのアルプスアルパイン(東京都大田区)。
業種の異なる複数の企業公式アカウントが、このハッシュタグを使って投稿していました。

グローリー株式会社とアクセアの投稿を見てみます。

「おはようございます」と地元の天気から始まる、同じ型の投稿でした。

商品の話はどこにもありません。
ただ、この”何も宣伝しない”投稿が、なぜ業種の違う企業の間で同じように続いているのか。
そこに、SNS運用のちょっとした工夫が隠れています。

調べて分かったこと

なぜ「宣伝しない投稿」をするのか?

企業公式Xアカウントの多くは、本来は自社サービスの告知や広報のために開設されています。
しかし、告知ばかりのタイムラインはフォロワーに「宣伝臭い」と感じられがちです。
ミュート(通知を出さずに非表示にする機能)やフォロー解除の対象になりやすいという課題があります。
日々の天気報告のような「誰の得にもならないけれど、誰も損をしない」投稿は違います。
フォロワーに広告だと身構えさせず、アカウントの存在を思い出してもらう役割を果たしていると考えられます。

このハッシュタグは何を解決しているのか?

SNS運用の現場でよく挙がる悩みが、「毎日投稿するネタが尽きる」という問題です。
キャンペーンや新商品の発表は月に数回あれば十分です。
しかしSNSのアルゴリズムは、投稿頻度が落ちたアカウントの表示を優先的に下げる傾向があります。
そのため担当者は、「宣伝するほどの話題がない日」にも何かを投稿する必要に迫られます。
天気報告は、取材も企画も要らず、毎朝数分で作れる投稿です。
しかもハッシュタグをたどれば、同じ悩みを持つ他社の「中の人」(SNS担当者を指すネット用語)が見つかります。
そこからフォロー関係が生まれ、企業同士のネットワークづくりにもつながっているとみられます。
アルプスアルパインの投稿がグローリーと同じ「ボスの日」の話題に触れていたのも、こうした企業公式アカウント同士のつながりがあってこそでしょう。

業種が違っても同じフォーマットが使えるのはなぜか?

精密機器、印刷・デジタル加工、電子部品――今回確認できた3社は業種もフォロワー層も異なります。
それでも同じ投稿フォーマットが機能するのは、天気という話題そのものに専門知識や業界知識が不要だからです。
製品やサービスの魅力を伝える投稿は業種ごとに作り方が大きく変わりますが、「今日の空はこうでした」という一文は誰でも書けて、誰でも読めます。
SNS運用で専門性の高い発信ばかりが続くと新規フォロワーが置いていかれがちですが、こうした投稿はハードルの低い入り口として機能しているようです。

Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ

この投稿習慣から、SNS担当者が今すぐ試せることは2つあります。
一つは、投稿ネタに悩む日のために「天気」のような低コストな定型投稿を1つ用意しておくこと。
企画や承認を待たずに出せる投稿があると、更新が止まるリスクを減らせます。
もう一つは、同業他社ではなく「同じ悩みを持つ他社のSNS担当者」とのつながりを意識することです。
エンゲージメント(いいね・コメント・シェアなどの反応)はフォロワー数の多いアカウントより、同じ目線で交流できるアカウント同士の方が生まれやすい傾向があります。
天気報告という一見地味な投稿が、実は「中の人」同士の横のネットワークを静かに広げる機能を持っているのかもしれません。

まとめ

商品も宣伝も映らない、ただの天気報告。
それでも業種を超えて複数の企業公式アカウントが同じハッシュタグで続けているのは、宣伝臭さを避けながらフォロワーとの接点を保つ、ちょっとした知恵なのでしょう。

さらに深掘りしたい方へ

企業公式アカウントの投稿スタイルは今後も変化していくと見られます。
気になる方は、各社の公式Xアカウントを実際にフォローして、日々の投稿の雰囲気を確かめてみてください。