フォロワー1000人以下の絵師見つけたい――5,621いいねの呼びかけが2,265件の返信を集めた理由
「Xが改定されて絵師さんの伸びる基準変わったからこそ、今こそフォロワー1000人以下の絵師さん見つけたいだろ!!」。
8月12日、こう呼びかけた投稿に、5,621件の「いいね」と2,265件の返信、82件の引用リポストが集まりました。
返信の多くは、フォロワー数の少ないイラストレーターたちが自分の作品を貼って「発掘してください」と応える形です。
いいね数に対して返信数が突出して多いという、通常のバズ投稿とは違う伸び方をしています。
SNS上でのファン獲得・作品発掘の呼びかけがなぜここまで機能したのか、投稿の中身とXの仕様面の両方から見ていきます。

先に結論をまとめると:
– 「フォロワー1000人以下」という具体的な条件と「見つけたら安心してください」という気遣いの一文が、参加のハードルを下げた
– 2026年1月にxAIが公開したXのおすすめアルゴリズムは、投稿ごとの反応予測で表示順を決める設計になっており、呼びかけの「基準が変わった」という前提はこの流れに沿っている
– 返信・引用リポスト経由でフォロワーが増えたという報告も出ている(ただし外から確認できるのは自己申告が1件)
Xでの盛り上がり
投稿したのは、絵師を応援する企画を発信しているXアカウントの@sooootaaaaaaaさんです。
「フォロワー1000人以下の絵師さん、イラストぜひ見せてください」と呼びかけ、末尾に「※このリプ欄に貼ってから1000人達成してしまったのはノーカンなので安心してください」と添えていました。
https://x.com/sooootaaaaaaa/status/2087458892930502691
この呼びかけに対して、実際に多くのイラストレーターが自作イラストを添えて返信しました。
中には、水色のツインテールのキャラクターを描いたイラストや、猫耳をつけたキャラクターのイラストなど、それぞれ異なる作風の作品が並びます。
引用リポストで反応した投稿の中には、「ここについさっき万バズを決め、尚且つフォロワーを1日で300人増やした私登場」という報告もあり、540件の「いいね」を集めました。
https://x.com/ychOD6g3flFPwTz/status/2087540267406811591
ただ、この投稿は単なる「優しい呼びかけ」だけで伸びたわけではなさそうです。
投稿文の冒頭にある「Xが改定されて絵師さんの伸びる基準変わった」という一文が、実際どこまで事実に基づいているのかを確認してみました。
調べて分かったこと
本当にXのアルゴリズムは変わったのか?
この点は、まとめ記事をたどらなくても本人たちの公開物で確かめられます。
xAIは2026年1月、「おすすめ(For You)」タイムラインを動かすアルゴリズムのコードを GitHub(xai-org/x-algorithm) で公開しました。
そこで説明されているのは、「Phoenix」と呼ばれるGrokベースのトランスフォーマーモデルが投稿ごとにエンゲージメントの発生確率を予測し、その加重和で最終的なスコアを決めるという設計です。
人が手で調整していた評価ルールの代わりにモデルの予測が座った形で、ランキングの説明にフォロワー数という指標は出てきません。
ただし「フォロワー数がもう関係ない」とまでは言えません。
同じドキュメントによれば、候補となる投稿を集める経路は2系統あり、フォロー中のアカウントの投稿を引いてくる経路は今も残っています。
変わったのは、集めた候補をどう並べるかが投稿単体の反応予測に寄った点です。
理屈の上では、フォロワーが少ないアカウントの投稿でも、内容次第でフォロワーの多いアカウントと並んで「おすすめ」に載る余地が広がった――このくらいの言い方が実際に近そうです。
なぜ「今」呼びかける意味があったのか?
この仕組みの変更を踏まえると、「フォロワー1000人以下の絵師を見つけよう」という呼びかけには一定の裏付けがあったことになります。
順位付けが投稿単体の反応に寄ったのなら、埋もれていた作品ほど「発掘」による恩恵を受けやすいはずだからです。
実際、返信欄には「人生で1回は万バズ達成したいです」「最近また絵を描き始めました」といった投稿が並び、投稿翌日の8月13日になっても新しい参加者が現れ続けていました。
ただ、フォロワーが実際に増えたと外から確認できるのは、引用リポストでの自己申告が1件あるだけです。
企画に参加した人がどれだけ伸びたのかは分かりません。
息の長い拡散になった理由も、仕組みへの理解だけに帰せるものではなく、条件の明確さや気遣いの一文といった書き方の要素が重なった結果と見るほうが自然でしょう。
Shiritomo編集部の考察:小規模アカウント支援企画を設計するときの視点
この投稿が参考になるのは、「発掘企画」を成立させる条件を丁寧に言語化していた点です。
単に「イラスト見せて」と呼びかけるだけでなく、「フォロワー1000人以下」という具体的な条件を示したことで、参加者が「自分は対象なのか」を迷わず判断できました。
さらに「達成してしまったのはノーカン」という一文は、参加を迷っている人の心理的なハードルを下げる役割を果たしています。
企業アカウントがユーザー参加型の企画を設計する際にも、対象条件を数字で示す・参加のハードルを下げる一言を添えるという2点は、そのまま応用できる考え方でしょう。
また、今回のようにアルゴリズムの仕組み変化を根拠として添えることで、単なる善意の呼びかけ以上に「参加すれば実際にリーチが伸びる可能性がある」という説得力を持たせられる点も、企画設計のヒントになります。
まとめ
「フォロワー1000人以下」という条件を明示したシンプルな呼びかけが、2,265件の返信を集める発掘企画に育ちました。
アルゴリズムの変更は呼びかけに理屈の裏づけを与えましたが、ここまで伸びた要因の大きい部分は、条件の明確さと参加ハードルの低さにあったと見ています。
さらに深掘りしたい方へ
Xのアルゴリズムの仕組みを元の資料で確かめたい方は、xAIが公開している おすすめアルゴリズムのソースコード(GitHub・xai-org/x-algorithm) が一次情報です。
日本語の解説を読みたい方は、XのアルゴリズムをGitHub公開情報から解説した記事(comnico)も参考になります。
フォロワーが少ないアカウントの伸ばし方を体系的に知りたい方は、X for Business 公式サイトもあわせてご覧ください。