Qwen3.8-Max、予告から9日でオープンウェイトが本当に公開された 397GBに圧縮してローカル実行も
397GB。
アリババのQwenチームが2.4兆パラメータの新モデル「Qwen3.8-Max」のオープンウェイト(誰でもダウンロードして使える重みデータ)を、2026年8月12日に公開しました。
本来なら4.9TB(テラバイト)ある完全版の重みを、有志の開発チームUnsloth AIが1bit量子化(データの精度を落として容量を圧縮する手法)でここまで圧縮し、公開から数時間のうちに手元で動かせる形に仕立てています。
AI開発に関わる人にとっては、「巨大モデルを試すには高額なクラウド利用料が要る」という前提が少し崩れる出来事です。
この記事では、8月3日の発表段階から実際に手元で動かせる段階へと何が変わったのか、そして誰がどう反応しているのかを一次情報で確認していきます。
先に結論をまとめると:
– Qwenチームが予告通り8月12日、2.4兆パラメータ「Qwen3.8-Max」のオープンウェイトをHugging Faceで公開しました
– Unsloth AIが1bit量子化で397GBまで圧縮し、450GB程度のメモリがあればローカル実行できる目安が示されています
– ただし公開されたオープン版は、画像入力や1Mトークンの文脈長など一部の機能がクラウドAPI版限定として省かれています
予告から9日、実際に降りてきたオープンウェイト
Qwenモデルの主要な配信チャネルであるModelScope(アリババ傘下のAIモデル共有プラットフォーム)が、8月12日にこう投稿しています。
「Qwenとして過去最大のオープンウェイト公開。
Qwen3.8-Maxを紹介します。
2.4兆パラメータのうち950億が活性化、ゴールを渡せば完成品を持ち帰ってくるモデルです。
文脈長は最大100万トークン、推論の深さも調整可能、ツール呼び出しも並列実行できます」——という趣旨のツイートです。

Qwen's biggest open-weight drop yet. 🚀
— ModelScope (@ModelScope2022) 2026年8月12日
Meet Qwen3.8-Max: 2.4T params, 95B active, built to take a goal and come back with finished work. https://t.co/W1BTcImIF9
⚡ 1M context. Adjustable reasoning. Parallel tool calls.
💻 Coded unattended for 10+ days, building a… pic.twitter.com/tZwsXspWxw
このモデル自体はShiritomo AIでも既に2本の記事で紹介しており、7月の発表時点では「Fable 5に次ぐ実力」という触れ込みで、8月3日の追加発表では「空のフォルダから10日以上コーディングを続けて本番プロジェクトを作り上げる」という自律コーディング能力が注目を集めていました。
今回の新しさは、その「発表」が「実際に手を動かせる状態」に変わったという一点に尽きます。
Hugging FaceのQwen公式アカウントには、この日付でQwen3.8-2.4T-A95B(開発コード名)のリポジトリが実際に並んでおり、予告から9日というスピードで約束が果たされた形です。
ただ、公開されたのが本当に「フル機能版」なのかは、もう少し確かめる必要がありそうです。
397GBの巨大モデル、実際に何ができるのか
オープン版はMax版とまったく同じなのか?
結論から言うと、少し違います。
Hugging Face上のモデルカードを確認すると、クラウドAPI経由で提供される「Qwen3.8-Max」は画像入力(Vision)や標準で100万トークンの文脈長に対応する一方、今回オープン公開された重みはテキスト専用で、文脈長もネイティブでは262,144トークンにとどまります。
開発者コミュニティの掲示板では「Max表記なのに機能が削られている」という指摘も出ており、クラウド収益を確保するための線引きだと受け止めるユーザーもいるようです。
反応の一つとして、開発者のjun_song氏がこう投稿しています。
「Qwen3.8-maxがオープンになった。
念のため補足すると、ModelScopeはQwenと同じくアリババが運営している。
27Bモデルはまだ出ていないようだが、今週金曜には来ると聞いている。
2.4兆規模のモデルをオープンソース化するのは簡単な仕事ではない」——という内容です。
Qwen3.8-max is open now.
— Jun Song (@jun_song) 2026年8月12日
Just a heads up, ModelScope is run by Alibaba, same as Qwen.
Looks like the 27B model isn't out yet, but I heard it's coming this Friday.
Open-sourcing a massive 2.4T model like this is no easy task. https://t.co/YrC7E1mGZA
より小型の「Qwen3.8-27B」の公開時期については、この投稿の時点では未確定情報として触れられているに留まります。
397GBの重みは本当に動くのか?
Unsloth AIのドキュメントによると、無圧縮のBF16版が4.9TBに達するのに対し、1bit量子化の「UD-IQ1_XXXS」(1重みあたり約1.19ビットまで削る方式)を使うと397GBまで縮み、これは91%の削減にあたります。
動かすにはRAMとVRAMを合わせて450GB前後は必要になる見込みで、家庭用PCで気軽に、とはまだ言えません。
それでも、企業向けの専用サーバーが前提だった規模のモデルを、ワークステーション級のハードで扱える範囲に引き寄せた意味は小さくないでしょう。
ベンチマークはGPT-5.6 Solに本当に匹敵するのか?
公開されているベンチマーク表を見ると、Qwen3.8-MaxはPaperBench(研究再現力)で93.0、IFBench(指示追従)で82.8を記録し、GPT-5.6 Solの90.5・72.7を上回っています。
一方でTerminalBench 2.1(86.6対88.8)やDeepSWE(56.6対73.0)ではGPT-5.6 Solが上回るなど、項目によって優劣が分かれるのが実際のところです。
日本人AI研究者のumiyuki_ai氏は8月3日の時点で、この数字の変化に触れていました。
「Qwen3.8-Maxが正式リリース。
ただしオープン公開は来週。
パラ数は2.4T-A95Bで、DeepSWEスコアは3.7の21.6から56.6に向上」という内容の投稿です。
Qwen3.8-Maxが正式リリース。ただしオープン公開は来週。さらにいずれQwen3.8-27Bもオープン公開予定。最大サイズのMax級のQwenモデルがオープン公開されるのは史上初。パラ数は2.4T-A95BでKimi-K3よりちょい小さいけど十分クソデカサイズ。DeepSWEスコアは3.7の21.6→56.6に向上。お、おう。ちなみにD… https://t.co/bPEmpNx2C8
— うみゆき@AI研究 (@umiyuki_ai) 2026年8月3日
一つ前のバージョンから見れば大きな伸びである一方、最上位モデルと単純に肩を並べたわけではない、という受け止め方が実態に近いようです。
Shiritomo編集部の考察:SNS担当者が見るべきは「誰が最初に触ったか」
今回の一件で興味深いのは、公開直後に反応した人たちの顔ぶれです。
技術系のインフルエンサーや研究者アカウントが数時間以内に一次情報へリンクを貼り、「本当に公開されたか」を確認する投稿が連鎖しています。
これは新製品発表の拡散構造と似ていて、ローンチ告知そのものより「検証済みの一次情報付き投稿」の方が信頼されやすいという傾向がSNS上ではっきり出ています。
SNS運用の視点で持ち帰れるのは、告知アカウント(ここではModelScope)のポストだけでなく、それを検証・補足する二次発信者(jun_song氏やumiyuki_ai氏のような専門アカウント)の存在が、話題の信頼性と持続時間を左右しているという点です。
自社の発表を拡散したい場合、告知直後にファクトを裏付けてくれる第三者の反応をどれだけ得られるかが、バズの寿命を決めているのかもしれません。
まとめ
Qwen3.8-Maxのオープンウェイト公開は、予告から9日というスピードで実現しました。
397GBまで圧縮された重みと、GPT-5.6 Solと部分的に肩を並べるベンチマークは確かに驚きですが、クラウド版との機能差も含めて、まだ全体像が固まりきったわけではなさそうです。
さらに深掘りしたい方へ
モデルの詳細スペックはHugging FaceのQwen3.8-2.4T-A95Bモデルカードで確認できます。
ローカル実行の手順や量子化ごとの必要メモリ量は、Unsloth公式ドキュメントのQwen3.8ガイドにまとまっています。
「オープン版で省かれた機能」についての開発者コミュニティの議論は、Hugging Face上のディスカッションスレッドで読めます。

