「一番嬉しい瞬間はゴンチャを飲んだ時」――ゴンチャ公式が「味」でなく「推し」を聞いた理由
「皆さんの推しで、『ゴンチャが好きな人』を教えてください」。
台湾ティー専門店ゴンチャの公式Xがそう投稿したのは、2026年8月22日午後6時のことでした。
「アイドルやインフルエンサーなど、ジャンルは問いません」と続くだけの、シンプルな1文です。
それでも24時間あまりで、いいねは4,436件、引用ポストは1,454件、リプライは860件に到達しています(2026年8月23日時点)。
企業アカウントの投稿としては、決して大きな仕掛けがあるわけではありません。
それでもこれだけ人が動いた背景には、SNS運用の設計として学べる点があるはずです。
何が起きて、どんな仕組みで広がったのかを見ていきます。
先に結論をまとめると:
– ゴンチャ公式Xの「推しで、ゴンチャが好きな人を教えて」という投稿に、24時間で引用1,454件・いいね4,436件が集まった
– 引用の多くはK-POPアイドルのファンが「自分の推しがそうだ」と名乗り出る形で参加しており、話題になった名前の一つがNCT WISHのユウシさん
– ゴンチャは過去にも「推し」を軸にしたファン参加型のSNS企画を重ねており、今回の投稿はその延長線上にあると考えられる
何が起きたのか、まず数字で見る
このツイート、よく見ると景品やハッシュタグの指定が書かれていません。
「フォローして」「リポストして」といった参加条件もなく、ただ問いかけているだけです。
それでも1,454件の引用が付いたのは、答えるハードルが極端に低いからでしょう。
自分の推しの名前を挙げるだけで参加が成立します。
投稿本体はこちらです。
皆さんの推しで、「ゴンチャが好きな人」を教えてください👀🙌
— Gong cha(貢茶 / ゴンチャ) (@gongcha_japan) 2026年8月22日
アイドルやインフルエンサーなど、ジャンルは問いません🫶
引用の中身を見ていくと、傾向がはっきりしています。
「私です」「私の推しです」という一人称の名乗りに混じって、K-POPアイドルの名前を挙げる投稿が目立ちます。
中でも多かったのが、6人組ユニットNCT WISHのメンバー、ユウシさんの名前でした。
ただ、この数字だけでは「なぜこの投稿がここまで伸びたのか」は分かりません。
ゴンチャの過去のSNS施策と照らし合わせて確かめてみました。
なぜ「味」ではなく「推し」を聞く設計にしたのか?
ゴンチャジャパンの公式サイトを調べると、店舗スタッフが考えたドリンクをファン投票で商品化する「ゴンチャ クルーチャンピオンシップ」という企画が2024年から続いています。
2026年版のキャッチコピーは「推しが商品になる!みんなが飲みたいゴンチャ」で、総投票数は28,944票、1日あたりの投票ペースは前年比168%まで伸びたと発表されています(出典は後述)。
つまりゴンチャにとって「推し」という言葉は、今回が初出ではありません。
もともと自社のドリンクや企画そのものを「推し」に見立てて投票を集める型を持っていた会社が、今回はその矛先を人(インフルエンサーやアイドル)に向けた、と捉えると理解しやすくなります。
自社商品の話をせずに「あなたの推しは誰か」だけを聞く投稿は、フォロー&リポスト型の懸賞に比べて参加のハードルが一段低く、ブランドを直接ほめる必要もないぶん、気軽に反応できる設計になっているようです。
K-POPファンダムが動いた理由は何か?
引用ツイートの中身を見ると、単発の感想ではなく「証拠」を積み上げる投稿が目立ちます。
英語で投稿されたある引用ツイートは、ユウシさんが「ゴンチャの会員証を持っている」「誕生日プレゼントにゴンチャを希望した」「ゴンチャの販促日についてのファンレターに『いいね』した」といった根拠を並べていました(日本語訳:「NCT WISHのユウシは折り紙付きのゴンチャ愛好家です。
証拠:会員証を持っている、誕生日プレゼントにゴンチャを希望した、ゴンチャの販促日についてのファンレターに『いいね』した、飲みすぎて量を覚えていないほど買っていた」)。
nct wish yushi certified gong cha lover, proof:
— ol (@tokunocore) 2026年8月23日
– has a gong cha membership⁉️
– wanted gong cha as a birthday present
– liked a fan letter about gong chas promo day😭
– didnt even remember how much gong cha he drank because he bought it so often https://t.co/G8Dm1lzH6i pic.twitter.com/1JGaH7a0K2
別の引用ツイートでは、「今日一日で一番嬉しかった瞬間は?という質問に対して『ゴンチャを飲んだ時』と答えていた」というエピソードが紹介され、ユウシさんが自らタピオカミルクティーをモチーフにしたキャラクターまで考案しているという投稿もありました。
この「ゴンチャを飲んだ時が一番嬉しい」という発言は、ファンが紹介した過去のインタビューの内容として引用されたもので、Shiritomo編集部では出典となる一次インタビューを特定できていません。
事実として断定はできませんが、ファンの間でそう語られていること自体が、「推しの好きなもの」を自分が知っているという参加のしやすさにつながっているようです。
NCTWISHのユウシくんです!!⭐️🧋
— ᴄʜᴏʀɪ. (@ushii40405) 2026年8月23日
以前のインタビューでも今日一日の中で一番嬉しかった瞬間は?という質問に対して「ゴンチャを飲んだ時」と答えていて、タピオカを愛するがあまりタピオカミルクティー🧋をモチーフにした自身のキャラクターまで考案してます😽!! https://t.co/yjIFY9YAuc pic.twitter.com/mhpEV8IvmN
K-POPのファンダムは、推しに関する小さな情報でも集めて共有する文化が根付いています。
企業アカウントが「推しの名前を教えて」と間口を広げたことで、ファンにとっては「自分の推しの魅力を語れる機会」に変わり、通常の懸賞投稿より熱量の高い反応を引き出せた面があると考えられます。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
一つは、懸賞条件を付けない「問いかけ型」投稿の使いどころを見極めることです。
フォロー&リポストの懸賞はリーチを稼ぐのに向きますが、今回のように条件なしで「あなたの〇〇を教えて」と聞くだけの投稿は、コメント数・引用数を伸ばしやすく、コミュニティの熱量を測る温度計として使えます。
もう一つは、ファンダムが強い層(K-POP、アニメ、ゲーム実況者など)を巻き込める余地がある問いを選ぶことです。
今回は「アイドルやインフルエンサーなど、ジャンルは問いません」と対象を広げたことで、特定ファンダムだけでなく複数の界隈が同時に参加できる設計になっていました。
この「間口の広さ」と「答えやすさ」の両立は、他ブランドの企画立案でもそのまま応用できる視点でしょう。
まとめ
ゴンチャ公式の「推しで、ゴンチャが好きな人を教えて」という投稿は、懸賞条件を付けずに1,454件の引用を集めました。
背景には、同社が続けてきた「推し」を軸にしたSNS企画の蓄積と、K-POPファンダムが自分の推しの魅力を語る文化があったようです。
さらに深掘りしたい方へ
「ゴンチャ クルーチャンピオンシップ2026」の詳細はゴンチャジャパン公式サイトの企画ページで確認できます。
投票結果や「推しが商品になる」という企画コピーの全文は結果発表ページにまとまっています。

