「広告って嫌われるもの?」漫画に共感1,000超え、広告苦情が過去最多になった理由
「広告って嫌われるもの?」――そんな一言から始まる5コマの漫画に、1,000件を超える共感が集まりました。
投稿したのは東洋経済オンラインで「真面目なマジメな真締くん」を連載する漫画家、まるいがんもさん。
スマホの画面を覆う広告にうんざりした経験がある人なら、思い当たる節があるはずです。
自社のSNSやオウンドメディアで広告収益に関わっている人にとっても、他人事では済まないテーマです。
今回はこの漫画をきっかけに、広告への不満の実態と、広告主側にできる工夫を調べてみました。
先に結論をまとめると:
– 「広告って嫌われるもの?」と問う漫画に1,035いいね・145引用の反応が集まった
– 2025年度の広告苦情は過去最多を記録し、ネット広告への苦情が全体の6割超を占めている
– 不快の最大要因は「閲覧の中断」で、広告主側にはUX(利用者の使い心地)を見直す余地がある
Xで広がった大きな反響
漫画には、スマホを見ながら「スマホに出てくる広告って超うざいんだけど」とこぼす場面や、身内から「この嫌がらせのようなものも作ってんだ」と明かされて「どういうことかな」と戸惑う場面が描かれています。
広告を作る側と見る側、両方の視点が織り込まれた構成が、多くの読者の共感を呼んだようです。
「広告って嫌われるもの?」 0/5 pic.twitter.com/7IOko5B8g9
— まるいがんも (@kenihare) 2026年9月15日
投稿には53万を超えるインプレッション(表示回数)が集まり、リプライも92件に上りました。
「まさにこれ」「殺意が湧く」といった声が目立ちますが、数字だけを眺めていても、実際にどれくらいの人が広告を煩わしく感じているのかは分かりません。
そこで、公的な調査データを確かめてみることにしました。
調べて分かったこと
広告苦情は本当に「過去最多」なのか?
日本広告審査機構(JARO)が2026年7月に公表した2025年度の苦情受付状況によると、苦情の総数は12,589件で、コロナ下だった2020年度(11,560件)を上回り、過去最多を記録しました。
中でもネット広告への苦情は7,664件と前年度の約1.7倍に増え、初めて全体の6割を超えたといいます。
電子書籍・動画・音楽配信サイトでの性的表現への苦情が急増したことが主な要因とされていますが、表示の仕方そのものへの不満も少なくないようです。
こうした「表示の仕方」への不満は、ユーザー側からも直接聞こえてきます。
誤タップしやすい広告出しておいて「課金したら広告消せます」ってやり方が汚いのよ。
— 愚痴講師 (@TYPFNJvx94LvMko) 2026年9月15日
広告出すのは構わないけど、出すなら堂々と出してくれ。
散々嫌がらせのような事しておいて「お金払ったら快適になりますよ」はヤクザのやり方でしょ。 https://t.co/wNQq3j3WDS
「課金したら広告を消せる」という仕組みそのものが、広告の出し方への不信感を強めている面があるのかもしれません。
何が一番、人を不快にさせているのか?
広告リサーチを手がける株式会社アトが2026年3月に実施した調査では、オンライン広告を「不快」または「読み飛ばしたい」と感じる理由として、「コンテンツの閲覧を中断(邪魔)される」が70.3%でトップに挙がりました。
次いで「同じ広告が何度も表示される」が54.2%、「画面を占有して操作しづらい」が53.2%と続き、バナー・動画・SNSタイムライン広告全体では約8割が何らかの不快感を示したそうです。
コンテンツを見たいのに広告に阻まれる。
この構図への違和感は、別の引用ツイートにも表れていました。
クリエイティブな広告はすきだしそのものを否定はしないけど、「動画の先を視聴するためには」「記事を見るためには」みたいにコンテンツを人質にとってペナルティーのように強制的に表示される広告のシステムは嫌いではある。街で見かける看板やTVCMは従来通りあっていいと思う。 https://t.co/oOV2MFEhJk
— みづの (@mizunoman1214) 2026年9月15日
クリエイティブな広告自体は嫌いではなくても、「見るための条件」として強制的に挟み込まれる仕組みには抵抗がある、という感覚は多くの人に共通しているのかもしれません。
広告は昔から嫌われ者だったのか?
一方で、「かつては嫌われるものじゃなかったのに、Webメディアによって嫌われるモノにされた」という見方を示す引用ツイートもありました。
これはあくまで投稿者個人の意見であり、検証された定説ではありませんが、広告そのものではなく「出し方」が不満の的になっているという指摘は、JAROやアトの調査結果とも重なる部分があります。
実際、苦情が急増した2025年度も、問題視されたのは広告の内容や表現方法であり、広告という仕組み自体の否定ではありませんでした。
うざい広告、見る側は何ができるのか?
広告を完全になくすことは難しくても、表示のされ方を調整できる仕組みは一部で用意されています。
たとえばGoogleには「マイ アド センター」という設定があり、興味のないジャンルの広告カテゴリを制限したり、表示される広告の傾向を自分で調整したりできるとされています。
広告の横にある情報アイコンから「この広告について」を選ぶと、非表示や報告ができる場合もあるようです。
「広告 消す方法」は日常的に検索されているテーマでもあり、うざさを感じたときに読者自身で対処できる選択肢を知っておく価値はありそうです。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
SNS上の広告やプロモーション投稿でも、同じ構図は起こりえます。
同じクリエイティブを高頻度で流し続けるとフィード上での「またこれか」という反応が増え、非表示・ミュート操作につながりやすくなります。
1つ目は、同一クリエイティブの表示頻度に上限を設けること。
2つ目は、コンテンツの閲覧・視聴を「邪魔しない」タイミングと形式(記事末尾・スクロール後など)を選ぶことです。
JAROの苦情のうち性的表現以外の増加分も、突き詰めれば「望んでいないタイミングで押し付けられた」という不満に近く、運用担当者が参考にできる部分は多いはずです。
まとめ
1,000件を超える共感を集めた5コマの漫画は、広告の内容そのものよりも「見たいものを邪魔される」ことへの不満を映し出していました。
苦情件数が過去最多を更新した今、広告主側には表示のタイミングと頻度を見直す余地がありそうです。
