994gの400mmと995gの600mm――ソニーが超望遠2本を「1kg以下」にこだわった理由
994グラム。
ソニーが9月15日に発表した新しい超望遠単焦点レンズ「FE 400mm F4.5 GM OSS」の重さです。
もう1本の「FE 600mm F6.3 GM OSS」も995グラム。
従来この焦点距離のレンズといえば2kg級が当たり前だった世界で、どちらも1kgを切ってきました。
野鳥やスポーツの撮影を三脚なしでこなしたいと考えている人にとって、この軽さが実際の撮影スタイルをどう変えるのかが気になるところです。
先に結論をまとめると:
– 400mmが994g、600mmが995gと、いずれもクラス最軽量を実現した超望遠単焦点レンズ
– 軽さだけでなく、重心をカメラ本体側に寄せた設計で手持ちでの取り回しを重視している
– 発売は10月9日、価格は400mmが50万円前後、600mmが70万円前後の見込み
ソニーが超望遠2本を発表、Xでも公式が発信
ソニーは9月15日、Eマウント用の超望遠単焦点レンズ「FE 400mm F4.5 GM OSS」と「FE 600mm F6.3 GM OSS」を発表しました。
両レンズとも三脚座を除いた重量が1kgを下回り、全長もコンパクトに抑えられています。
ソニーのアルファ公式アカウントも野生動物の作例とともに発表内容を投稿しています。
【新製品発表】
— Sony | Alpha (Japan) (@AlphabySony_JP) 2026年9月15日
1kgを切る軽量設計により、超望遠単焦点レンズながら優れた機動性を発揮。
超望遠撮影の自由度と表現の幅を広げるGマスター
デジタル一眼カメラα[Eマウント]用レンズ
『FE 400mm F4.5 GM OSS』 https://t.co/WbxrFY2lEu
『FE 600mm F6.3 GM OSS』
https://t.co/ml37j51xnN… pic.twitter.com/h6PlC6rLno
超望遠レンズは焦点距離が伸びるほど重くなるのが一般的で、これまで400mmや600mmクラスは三脚や一脚が前提の機材でした。
ただ、実際にこの軽さがどこまで実用的なのか、性能面を犠牲にしていないかは気になるところです。
そこで発表内容と海外メディアの先行インプレッションを確認してみました。
本当に手持ちで扱えるのか?
海外の写真専門メディアDPReviewが行った先行インプレッションによると、両レンズは重心がカメラボディ側に寄るよう設計されており、数値から想像するより長時間の手持ち撮影が快適だったと報告されています。
オートフォーカスは2基のXDリニアモーターで駆動し、鳥や大型動物への被写体認識・追従性能も良好で、ピントを見失うケースはまれだったとのことです。
動き回る被写体を追いながらフレーミングしたり、流し撮りをしたりする場面でも、軽量ボディならではの取り回しの良さが生きるといいます。
なぜここまで軽くできたのか?
400mmは16群22枚、600mmは17群24枚のレンズ構成で、いずれもSuper ED(スーパー低分散)ガラスやEDガラスを組み合わせて色収差を抑えています。
ナノARコーティングIIによる反射抑制も採用済みです。
テレコンバーターにも対応しており、400mmは800mm相当、600mmは1200mm相当まで焦点距離を伸ばせます。
軽量化と引き換えに拡張性を犠牲にしていない点は、望遠マウントを複数使い分けてきた人にとって安心材料になりそうです。
価格は市場想定でFE 400mm F4.5 GM OSSが50万円前後、FE 600mm F6.3 GM OSSが70万円前後です。
予約は9月29日から始まり、発売は10月9日を予定しています。
決して手が届きやすい価格帯ではありませんが、これまで持ち運びを理由に超望遠を諦めていた人にとっては、選択肢に入ってくる軽さだと言えるでしょう。
従来モデルとどれだけ違うのか
ソニーがこれまで発売してきた大口径の超望遠単焦点は、決して軽い機材ではありませんでした。
例えば開放F4の600mm「FE 600mm F4 GM OSS」は約3,040gあり、三脚や一脚を使うことが前提の重量級レンズです。
今回の「FE 600mm F6.3 GM OSS」は995gとおよそ3分の1の軽さで、開放F値こそ暗くなるものの、飛行機での移動や長時間の山歩きを伴う野鳥撮影では、この差が撮影を続けられるかどうかを左右します。
F4通しの解放感を取るか、1kgを切る機動力を取るかという新しい選び方が生まれた形です。
Shiritomo GADGET編集部の考察
超望遠レンズの世界では、長らく「画質を取るか、軽さを取るか」の二択が当たり前でした。
今回ソニーが見せたのは、単焦点ゆえの光学設計の余地を軽量化に振り切るという選択です。
ズームレンズほどの汎用性はなくても、野鳥や飛行機など被写体が決まっているジャンルでは、機材を担いで移動できるかどうかが撮影機会そのものを左右します。
ライバルのニコン・キヤノンも超望遠の軽量化を進めており、今回の2本は各社の開発競争がユーザーの体力的な負担軽減という具体的な形で還元され始めた事例と見ることができます。
とりわけ野鳥撮影の分野は年齢層が高めのユーザーも多く、「軽いから続けられる」という価値は、今後のレンズ設計の指標の一つになっていきそうです。
まとめ
ソニーの新型超望遠レンズ2本は、1kgを切る軽さと手持ち撮影を重視した設計が特徴です。
発売は10月9日、価格は50万〜70万円前後の見込みで、決して安くはありませんが、超望遠撮影の敷居を下げる製品と言えそうです。