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「勝手にカレーを作る」漫画に2700いいね、仕掛けていたのは新人ナース応援の公式アカウントだった

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年9月18日 更新
「勝手にカレーを作る」漫画に2700いいね、仕掛けていたのは新人ナース応援の公式アカウントだった

トボトボと歩く後ろ姿。
フキダシには「フォロワー」の一言。
作業帰りらしき人物が、家路の途中でカレーの匂いに気づき、階段を上ってドアを開けると――そこは自分の部屋でした。
ドアのそばに残された書き置きには「近所のネコです。
勝手にカレーを作りました」。
それだけの漫画1本に、2,700件を超えるいいねが集まりました。
SNSで発信する立場なら、「なぜ企業告知よりもこの一枚が刺さるのか」は他人事ではないはずです。

先に結論をまとめると:
– 新人看護師向け書籍を出す公式アカウントが、宣伝色ゼロの「疲れた人への架空のもてなし」漫画を投稿し、いいね2,700件超・インプレッション7万超を記録した
– バズを支えたのは「フォロワー=読者自身」を主人公にした当事者化の構図と、続きを匂わせる引きの一文
– 発信元が看護師支援の専門アカウントだったことが、内容の温かさに信頼感を上乗せしていた

Xで静かに広がった「勝手にカレー」

投稿主は「ズルカン」(@zurukan2018)。
新人看護師向け書籍「ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術」などの著者が運営する、看護師応援アカウントです。
2026年9月18日16時24分ごろ、「疲れたフォロワーさんに、勝手にカレーを作る漫画」と添えて、続きを予告する一文とともに1枚の漫画を投稿しました。

漫画の中身はこうです。
仕事帰りらしき人物が「フォロワー」と書かれた姿でトボトボ歩いていると、どこからかカレーの匂いが漂ってきます。
「お、どこかの家 夕飯カレーだ」と思いながら家路を進むうち、匂いはどんどん強くなり「こんな長距離匂うことある?」と首をかしげる場面へ。
そして自分の部屋のドアを開けると、そこには小さなネコの姿と、「近所のネコです。
勝手にカレーを作りました」という書き置きが残されていました。
「まさかの自分チ」という一言で締まります。

投稿から数時間で、いいねは2,713件、リツイート178件、ブックマーク64件に達しました。
インプレッション(投稿が表示された延べ回数)も7万2,642件に達しています(いずれも本記事執筆時点の値)。
ただ、この数字だけを見ても「よくできた漫画がバズった」で終わってしまいます。
もう少し掘って、何が読者の心を動かしたのかを確かめました。

なぜこの投稿がバズったのか

発信元はどんなアカウントだったのか?

「ズルカン」アカウントは、メディカ出版の書籍「ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術」「悲しいくらい人に聞けない看護技術」と連動して運営されています。
運営する中山さんは、イラストレーター兼看護師としての顔を持つ別アカウント(@musashi_0303)でも、「夜の甘味処」という食べ物にまつわる漫画を手がけています。
つまり今回の投稿は、無関係な個人が偶然当てたものではありません。
看護師という読者層に向けて日常的に発信してきたアカウントが、専門知識と離れた「癒し」の一枚を差し込んだという構図です。

なぜ主人公が「フォロワー」だったのか?

漫画の主人公には固有名も似顔絵もなく、フキダシに「フォロワー」と書かれているだけです。
これは、読んでいる本人がそのまま主人公に重なるようにした作りだと考えられます。
「疲れて帰ってきたら、誰かがこっそりご飯を作っていてくれたら」というのは、多くの人が一度は想像したことのある願望です。
それを、看護師という「疲れやすい仕事」に寄り添ってきたアカウントが差し出したことで、単なる創作以上の説得力が生まれたのではないでしょうか。

なぜ「続きを描いている」の一文まで効いたのか?

投稿文には「いま、続きを描いているので待っててね…」という一文が添えられています。
1枚で完結させず、次があることを予告する書き方は、フォロー継続や再訪の動機になりやすい手法です。
実際に、この投稿には7件の引用と15件の返信が付き、コメント欄でも反応が広がっていました。
宣伝でも告知でもない一枚で、フォロー動機と再訪動機を同時に作っていた点は見逃せません。

なお、この投稿に対する引用ツイートも確認しましたが、内容が本題と無関係なものだったため本記事では取り上げていません。
バズった投稿には、文脈と関係のない便乗の引用が付くこともある、という一例だと言えそうです。

Shiritomo編集部の考察:告知ゼロの投稿がなぜ強いのか

企業・ブランドのSNS運用では「発信のたびに何かを宣伝しなければ」という発想に寄りがちです。
しかし今回のケースは、書籍名も購入リンクも一切出さず、ただ疲れている読者に寄り添うメッセージだけを漫画に込めていました。
それでも新人看護師向け書籍というブランドの世界観とは矛盾していません。
むしろ「疲れる仕事をしている人の気持ちに寄り添う」というブランドの根っこの部分を、宣伝抜きで体現したとも言えます。
フォロワーを主人公に据える手法は、企業アカウントでも応用しやすい一方、内容が薄いと「押しつけ」に見えるリスクもあります。
今回は発信元が日頃から同じ読者層に向けて発信を積み重ねてきたからこそ、唐突に見えなかった点が大きいと考えられます。

まとめ

「勝手にカレーを作る漫画」がバズったのは、絵のうまさだけではありません。
疲れた読者自身を主人公にする構図、続きを匂わせる引きの一文、そして発信元が日頃から同じ読者に向き合ってきたアカウントだったこと。
この積み重ねが効いたのだと考えられます。
宣伝を挟まない一枚が、結果として一番強いブランド発信になっていたのかもしれません。

さらに深掘りしたい方へ

今回取り上げた投稿の作者「ズルカン」(@zurukan2018)は、新人看護師向け書籍と連動して看護技術にまつわる発信も続けています。
日々の投稿は以下から確認できます。

ズルカン@新人ナース応援!(@zurukan2018)