引き継がれるのは指示文とファイルまで――ChatGPTのカスタムGPT終了、会話履歴が消える理由
12月11日、ChatGPTの「カスタムGPT」は動作を止めます。
9月11日にOpenAIが発表してから、企業向けワークスペースでは9月22日を目標に移行バナーの表示が始まる見込みです(すべてのワークスペースでの提供を確約するものではないとされています)。
個人アカウント(Free・Plus・Pro)では、これより前の段階ですでに新規のGPT作成・公開自体ができなくなっています。
自分の業務効率化のためにGPTsを作った人、誰かが作ったGPTsに日々の相談を投げていた人——どちらの立場でも、この3か月で何が引き継がれ、何が引き継がれないのかを知っておく価値があります。
先に結論をまとめると:
– カスタムGPTは2026年12月11日に停止。
代わりに「プラグイン」への移行が案内されている
– 指示文(プロンプト)と参照ファイルは自動で引き継がれるが、会話の履歴は移行されない
– 外部サービス連携(カスタムアクション)と、GPTごとに選んでいたモデルは自動移行の対象外で、作り直しが必要になる
何が起きているのか
OpenAIのChatGPTリリースノートは9月11日付けで、全プランを対象にカスタムGPTを退役させ、後継として「プラグイン」(指示文と外部連携アプリを組み合わせた機能)への移行を進めると明かしました。
エンタープライズ向けのスケジュールは特にはっきりしていて、9月22日に移行UIとバナー表示、10月26日に新規GPT作成の受付終了、そして12月11日にカスタムGPTそのものが停止します。
Free・Plus・Proといった個人向けプランには同じ日付の正式発表はまだありませんが、同一スケジュールに追随する可能性がヘルプセンターで示唆されています。
自分の使い方に合わせてGPTsを育ててきた人ほど、今回の変更は他人事ではありません。
プロンプトを配布・販売してきたクリエイターは代わりの手段を探す必要に迫られ、日常的にGPTsへ相談していた利用者は、慣れ親しんだやり取りの積み重ねがどうなるのか気になるところでしょう。
調べて分かったこと
何が引き継がれて、何が消えるのか
OpenAIの公式ヘルプセンターにある移行FAQを確認すると、引き継がれる範囲は思ったより限定的です。
移行が完了すると、そのカスタムGPTは「プラグイン」内の1つの「スキル」として扱われるようになり、指示文と参照ファイルはそのままスキルに引き継がれます。
一方で、外部サービスと連携する「カスタムアクション」は自動移行の対象外で、対応するプラグインを自分で作り直す必要があります。
GPTごとに個別設定していたモデルの指定も引き継がれず、置き換え後のプラグインには反映されません。
そして最も見落とされがちなのが、そのGPTでのやり取りの履歴は移行されないという点です。
指示文という「設計図」は残っても、そこまでの対話の積み重ねはリセットされる格好になります。
今すぐ何をすればいいのか
ヘルプセンターが勧める手順はシンプルです。
まず、GPTを作った本人であれば、指示文・参照ファイル・連携アプリの内容を棚卸しし、必要な修正は移行前に済ませておくこと。
移行後のGPTは編集不可の「読み取り専用」になり、以後のメンテナンスは新しいプラグイン側でのみ行う形になるためです。
次に、置き換わったプラグインが期待通りに動くか、退役日である12月11日を迎える前にテストしておくこと。
そして、会話の中に残しておきたい情報があれば、消える前に自分の手でメモやファイルとして保存しておくことです。
なぜプラグインに一本化するのか
OpenAIはカスタムGPTを、指示文と外部連携アプリを組み合わせた「プラグイン」という枠組みに統合しようとしています。
これまでGPTs・カスタムアクション・その他の拡張機能がそれぞれ別の仕組みで動いていたところを、1つの拡張機能の形に集約する意図があるとみられます。
ChatGPTがエージェント的な機能を強化してきた流れの延長として捉えると、位置づけが見えてきます。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
SNS運用や業務効率化のためにGPTsを組んでいる担当者にとって、今回の変更で見るべきポイントは2つです。
1つ目は、社内で誰かが作ったGPTsに依存したフローがないか棚卸しすること。
属人化していたGPTが12月11日に急に使えなくなると、引き継ぎがないまま業務が止まりかねません。
2つ目は、そのGPTとのやり取りの中に、他では残していない重要な情報(過去の指示の微調整やテンプレートの試行錯誤)が埋もれていないか確認すること。
会話履歴は移行されない以上、必要な情報は今のうちに別の場所へ書き出しておくのが安全です。
急かされて慌てるより、3か月の猶予がある今のうちに手をつけておくほうが得策でしょう。
まとめ
カスタムGPTは12月11日に停止し、指示文と参照ファイルはプラグインへ引き継がれますが、会話履歴と外部連携は引き継がれません。
自分や周囲がGPTsに依存している場合は、退役日を待たずに今のうちに棚卸しをしておくことをおすすめします。