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帝人公式Xが「複数社員によるチーム運用」へ、10月末で一人運用に区切り

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月20日 更新
帝人公式Xが「複数社員によるチーム運用」へ、10月末で一人運用に区切り

「フォロワーの皆様へ」。
そう書き出された帝人の公式Xアカウントの投稿に、561件のいいねと124件の返信が集まりました。
普段は自社製品や技術の紹介がほとんどの企業アカウントが、自分たちの”中身”について語ったことが注目を集めた形です。

投稿されたのは2026年10月20日の夕方17時ごろ。
内容は「10月末をもちまして当アカウントは運用体制を更新し、複数社員によるチーム運用に変更します」というものでした。
SNS運用の担当者や、企業アカウントを日々チェックしている人にとっては、見過ごせない発表だったのではないでしょうか。

先に結論をまとめると:
– 帝人の公式Xアカウント(@dakejanai_tj)が10月末、単独運用からチーム運用へ切り替わる
– 2016年の開設以来、一人の担当者が中心になって築いてきた親しみやすい発信スタイルに区切りがつく
– BtoB企業でありながら9万人超のフォロワーを集めた背景には、特定の個人が語る「一人称の企業アカウント」としての強みがあった

何が起きたのか

帝人の公式Xアカウントは「フォロワーの皆様へ」と呼びかけたうえで、10月末をもって運用体制を更新し、複数社員によるチーム運用に変更すること、それに伴い現担当者が運用から離れることを投稿で明かしました。

この投稿には561件のいいね、46件のリポスト、124件の返信がつき、インプレッション数は12,178件に達しました。
一般的な企業アカウントの投稿としては、かなり大きな反応です。
ただし、取得できた投稿はこの1件のみで、引用ツイートは条件(いいね5件以上)を満たすものが見つかりませんでした。
そのため、この記事で紹介できる「Xでの反応」は、投稿本体についた数字にとどまります。

「現担当者は運用から離れることになりました」という一文は、担当者の交代ではなく、運用体制そのものの変更として明確に区切りをつけた言い方です。
ただ、この発表だけでは「なぜ今、チーム運用に切り替えるのか」までは分かりません。
そこで、このアカウントがこれまでどんな存在だったのかを一次情報で確認してみました。

調べて分かったこと

「だけじゃない。

帝人」はどんなアカウントだったのか

帝人の公式Xアカウントは2016年8月に開設され、キャッチコピー「DAKE JA NAI(だけじゃない。)帝人」を掲げてきました。
繊維・化学素材のメーカーという堅い印象を持たれがちな会社が、身の回りの小さな話題や、程よい自虐を交えた投稿で親近感を演出してきたことが、過去の報道でも紹介されています。

毎朝・毎夕の挨拶投稿を欠かさず、初めて話しかけてきた相手には丁寧に返信する――。
そうした地道な積み重ねの結果、BtoB企業でありながら2026年3月時点で9万6,256人のフォロワーを集めるまでに育っています。
企業の商品を直接買う機会が少ない一般消費者にまで届くアカウントに育ったのは、「一人の人間が思いを込めてやっている」と伝わる運用スタイルがあったからだと、過去の取材では説明されています。

なぜチーム運用に切り替えるのか

今回の投稿には、チーム運用へ移行する具体的な理由までは書かれていません。
公式に明かされていない以上、断定はできませんが、一般的に企業の単独運用アカウントが抱える課題として、属人化が挙げられます。
担当者が異動・退職・休職した場合に、アカウントの”声”そのものが失われてしまうリスクです。

実際、今回の投稿では担当者の交代ではなく「運用から離れる」という表現が使われており、後任が同じ個性を引き継ぐのではなく、複数人の体制に切り替える判断をしたことがうかがえます。
長年one-personのアカウントとして築かれてきたブランドイメージを、チームでどう引き継ぐかは、今後の投稿を見ていく必要がありそうです。

企業アカウントの「一人運用」に潜むリスクとは

このニュースは、帝人という一社の話にとどまりません。
SNS運用を一人の担当者に任せている企業は少なくなく、担当者が持つ個性がそのままブランドの”顔”になっているケースは多くあります。
その裏側には、次のような共通の悩みがあります。

  • 担当者が異動・退職すると、アカウントの文体やノウハウが引き継がれにくい
  • 休暇中・体調不良時に投稿が止まる、または炎上対応が遅れるリスクがある
  • 「中の人」の個性に依存しすぎると、後任が同じトーンを再現するのが難しい

帝人のケースは、こうした「個人の魅力に支えられた企業アカウント」が、ブランドとしての継続性を優先してチーム運用へ移る一例として見ることができそうです。

Shiritomo編集部の考察:引き継ぎを前提にした運用設計を

SNS運用を担当している方にとって、今回の帝人の事例は他人事ではないはずです。
一人の担当者の個性で伸びたアカウントほど、その人が抜けたときの落差が大きくなります。
対策として考えられるのは、トーン・マナーをスタイルガイドとして文書化しておくことです。
口調のクセや、過去にどんな投稿が反応を得たかを記録しておけば、複数人で運用に移っても一貫性を保ちやすくなります。

また、返信の丁寧さや挨拶投稿の頻度など、「数値化しにくい部分」こそアカウントの個性を支えていることが多いものです。
チーム運用に切り替える際は、フォロワーとの関係性をどう引き継ぐかを、投稿内容だけでなく運用ルールのレベルで設計しておく必要があるでしょう。

エンゲージメント設計の視点で見ても、今回の投稿自体が「中の人の交代」という一見地味な社内情報を、あえてフォロワーに向けて発信した点は興味深い判断です。
普段は商品や技術の広報に徹している企業アカウントが、自分たちの体制について率直に語ったことで、かえって124件という返信を集める結果になりました。
企業の内部事情も、誠実に伝えれば立派なコンテンツになるという好例と言えそうです。

まとめ

帝人の公式Xアカウントは、10月末をもって単独運用からチーム運用へ移行します。
2016年の開設以来、一人の担当者が築いてきた親しみやすい発信スタイルがどう引き継がれていくのか、今後の投稿にも注目です。

さらに深掘りしたい方へ

企業アカウントの「中の人」文化や運用体制については、以下の記事も参考になります。