カーパシー氏、Claude Codeで2時間でYouTube代替サイト完成――「数週間が今は朝食前に」
YouTubeのおすすめ欄に出てくる動画で、心から「面白い」と思えるものはどれくらいあるでしょうか。
AI研究者のアンドレイ・カーパシー氏は、その答えを自分で動画サイトを作ることで出しました。
Hacker Newsの20年分のコメント約4,300万件をAIにふるいにかけさせ、繰り返し推奨された動画だけが残る専用サイトを公開したのです。
かかった時間はわずか2時間。
日常的にAIツールを使っている人にとっても、「これくらいの作業量なら、もう個人でも完結できる」という目盛りが変わった出来事です。
先に結論をまとめると:
– アンドレイ・カーパシー氏が、Claude Code(Opus 5.5)を使って動画サイト「HackerTube」を約2時間で構築・公開した
– Hacker Newsのコメント約4,300万件から繰り返し推奨された6,454本の動画だけを厳選、ログイン不要・アルゴリズムなしで閲覧できる
– 本人が手を動かしたのはAPIキー発行・サーバー起動・ドメイン購入の3つだけ、残りはすべてClaudeに任せた
何が起きたのか
元OpenAI共同創業者で、現在はAnthropicに在籍するカーパシー氏は、11月2日未明(日本時間)に自身の投稿でこの「週末ハック」を明らかにしました。
YouTubeのおすすめに不満を感じていたところ、Claudeに20年分のHacker Newsコメントをふるいにかけさせ、繰り返し推奨される動画だけに絞り込んでもらった、という内容です。
Opus 5.5を使って約2時間、視聴体験は「著しく良くなった」とも述べています。
Weekend hack: HackerTube. I was annoyed with YouTube's recommendations so I had Claude filter down 43M comments over 20 years of HN to 6,454 videos that keep being recommended. *Significantly* better viewing experience, ~2 hours with Opus 5.5:https://t.co/xULTGY6VhH
— Andrej Karpathy (@karpathy) 2026年11月1日
– Excellent… pic.twitter.com/QRq80bJo4o
11月1日には、HackerTubeがどういう仕組みのサイトなのかを掘り下げる解説ポストも見られました。
著名なAI研究者が、個人の週末作業としてYouTube級のサービスの代替を作ってしまったという事実そのものが、注目を集めている格好です。
ただ投稿だけでは、具体的にどうやって2時間で仕上げたのかまでは分かりません。
そこで一次情報を確かめてみました。
調べて分かったこと
実際にどうやって作ったのか?
海外メディアの報道によると、カーパシー氏が自分の手で行った作業は3つだけです。
YouTube Data APIを使うためのAPIキーをGoogle CloudのUIから発行したこと、サーバー(VPS)を起動したこと、そしてドメインを購入したこと。
それ以外の「更新・セキュリティ強化・デプロイ・最適化」までの一連の作業は、すべてClaudeに指示して任せたと説明しています。
準備が整った後の実装作業は、ほぼ丸ごとAIに委ねられていたことになります。
どんなサイトになっているのか?
HackerTubeは、Hacker Newsのコメント投稿者が繰り返し推薦した動画だけを集めたYouTube風のサイトです。
アカウント登録は不要で、レコメンドアルゴリズムも存在しません。
再生時間やアップロード年代で絞り込むフィルター機能が用意されており、閲覧状態はブラウザのローカル環境だけで保持される仕組みになっています。
Karpathy just built HackerTube with Claude Opus 5.5 in about two hours. Here's what you need to know.
— AGTP (@AGTPinsights) 2026年11月1日
HackerTube is a YouTube-style site at https://t.co/aoLoKZcstG. It only shows videos that Hacker News commenters recommended. There are no accounts, no algorithm and no watch… https://t.co/o4TABzxFGU pic.twitter.com/4PtrXUHV7S
自分でも同じものを作れるのか?
カーパシー氏は、コメント分析から抽出したデータをzipファイルにまとめて公開しており、「自分のClaudeにこのデータを渡して、自分なりのバージョンを作ってほしいと頼んでもいい」と呼びかけています。
海外メディアが伝えた投稿の続きでは、「以前なら数週間、数ヶ月かかっていたようなプロジェクトの多くが、今は数回の指示で朝食前に仕上げられる」とも振り返っています。
ランキングの付け方を変えるなど、同じデータを元にした独自版を作る余地も残されているということです。
Shiritomo編集部の考察:「誰でも作れる」が意味する変化
今回の件で注目したいのは、作ったのが著名なAI研究者だという点より、かかった作業量が「個人のサイドプロジェクト」の範囲に収まっていることです。
これまで、特定コミュニティ向けのキュレーションサイトを一つ作るには、API連携・サーバー運用・フロントエンド実装まで含めてチーム規模の開発リソースが必要でした。
それが今は、企画と最終判断だけ人が担い、実装のほぼ全体をAIコーディングツールに渡す形に変わってきています。
SNS運用やコミュニティ運営に携わる人にとっても、「大手プラットフォームに頼らず、自分たちの会員・読者向けに絞った専用の閲覧サイトを作る」という選択肢が、以前より現実的なコストで検討できる段階に入ってきたと言えるでしょう。
まとめ
アンドレイ・カーパシー氏は、Hacker Newsの20年分のコメントをClaudeにふるいにかけさせ、わずか2時間で動画キュレーションサイト「HackerTube」を完成させました。
本人が手を動かしたのはAPIキー発行・サーバー起動・ドメイン購入の3つだけで、実装はAIに委ねられています。