ヒューマノイド「Figure 03」、キャンパスを歩く姿を公開――量産は1時間に1台、350台超に
キャンパスの敷地を、ロボットが何台も連なって歩いていく。
Figure AIの創業者ブレット・アドコック氏が投稿した動画は、そんな場面を映していました。
映っていたのは、工場「BotQ」から出てきたばかりの新型ロボット「Figure 03」たちです。
この工場では今、1時間に1台というペースで量産が進み、すでに350台以上が出荷済みだといいます。
ロボットの実用化がどこまで進んでいるのか気になる人にとっては、量産の現実的なスピード感が見えてくる話です。
先に結論をまとめると:
– Figure AIが「Figure 03」ロボット群がBotQ工場からキャンパスへ出ていく動画を公開
– 工場の生産ペースは1時間に1台、累計350台以上を出荷済み
– 量産開始からわずか120日ほどで、生産速度が24倍に伸びた
何が起きたのか
Figure AIの創業者でCEOのブレット・アドコック氏が、日本時間11月3日未明、Xに動画を投稿しました。
Newly manufactured F.03 robots leaving BotQ and heading across campus pic.twitter.com/cskdHs0gcs
— Brett Adcock (@adcock_brett) 2026年11月2日
「BotQから出てきたばかりのF.03が、キャンパスを横切っていく」という内容で、新造されたばかりのロボットたちが施設内を移動していく様子が収められています。
Figure AIの発表によれば、BotQ工場の生産ペースはここ120日ほどで、1日1台から1時間1台へと24倍に伸びたとのことです。
累計の出荷数は350台を超えました。
1本の動画からも、量産がかなりの規模で進んでいることがうかがえます。
ただ、工場の中身まではこの動画だけでは分かりません。
そこで、もう少し詳しく調べてみました。
調べて分かったこと
BotQ工場では何が行われているのか
Figure AIの公式発表によると、BotQ工場では150以上のワークステーションをネットワークでつなぐ独自の製造管理ソフトウェアが稼働しています。
生産ラインには50カ所以上の工程内検査ポイントが設けられ、1台のロボットが出荷されるまでに80項目を超える動作確認テストを受けるとされています。
複数の関節や部位に同時に負荷をかける試験や、長時間の通電試験も含まれているとのことです。
量産の規模を支えるのは完成品の台数だけではありません。
アクチュエーター(関節を動かす駆動部品)は10種類以上の型で9,000個以上が生産され、バッテリーパックも500個以上が出荷済みです。
完成したロボットは、どこで使われているのか
Figure 03は作って終わりではありません。
すでにBMWの米スパータンバーグ工場に導入され、組み立て工程に使う部品を順番通りにトロリーへ並べる「シーケンシング」という作業を担っています。
前世代のFigure 02も同工場で11か月の試験導入を経て、BMW X3の生産3万台以上に関わった実績があります。
この仕分け作業は自動車工場の物流で頻繁に発生する作業で、今後さらに展開を広げていく余地があるとされています。
Figure 03は前の世代から何が変わったのか
今回量産されているFigure 03は、前世代のFigure 02から複数の改良が加えられています。
指先に触覚センサーを、手のひらにカメラを搭載し、細かい物を扱う作業の精度を上げました。
無線充電にも対応し、音声でのやり取りも人の発話にその場で応答する形(スピーチ・トゥ・スピーチ)に変わっています。
BMW向けの作業でトロリーへ部品を並べる精密な動きも、こうした手部の改良があってこそ成り立っている部分が大きいとみられます。
この量産の規模を、Xではどう見ているか
この動画をきっかけに、ヒューマノイドロボットの量産という現象自体について考察する投稿もありました。
ヒューマノイドロボットは人間のような形をしているが、人間と違って生物ではなく工業製品だから、量産がはじまるとすぐ増える。そして人間より増える可能性があるので、ロボットはヒューマノイドにしておかないと、車がそうであったように、都市形成がロボットの形状の都合のようにように最適化されて… https://t.co/uETYOx0s8Y
— 渡邊 恵太 (@100kw) 2026年11月8日
ある投稿では、ヒューマノイドロボットは人間のような形をしていても生物ではなく工業製品であるため、量産が始まれば人間の数を上回るペースで増えていく可能性がある、という視点が示されていました。
そうなった場合、都市の設計自体がロボットの形状に合わせて最適化されていくのではないか、という指摘です。
1件の投稿にすぎませんが、350台という数字を単なる生産記録としてではなく、都市や社会の変化につながる話として捉える視点は興味深いものでした。
Shiritomo編集部の考察:量産ペースの数字は「何から何へ」で読む
ロボットの量産ニュースでは「1時間に1台」のような単発の数字だけが注目されがちですが、重要なのは「何から何へ」変化したかです。
今回のケースでは、120日前は1日1台だったという起点があるからこそ、24倍という伸び幅の大きさが伝わります。
AIやロボットの進捗を追いかける際は、最新の数字だけでなく、直前の数字とのセットで見る習慣が、過大評価や過小評価を避ける助けになりそうです。
まとめ
Figure AIの「Figure 03」が量産体制のもとキャンパスを歩く様子が動画で公開され、BotQ工場の生産ペースは120日で24倍、累計出荷は350台を超えました。
すでにBMW工場での実務導入も進んでいます。
さらに深掘りしたい方へ
Figure AIの公式発表は同社の公式ブログで読むことができます。
生産体制の詳細やテスト工程についても触れられています。


