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「この答弁も源内が書きました」——行政AIが国会で動き出した日

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月30日 更新
「この答弁も源内が書きました」——行政AIが国会で動き出した日

ちょっと驚いたニュースがありました。

2026年5月27日、参院本会議のある質疑で、松本尚デジタル大臣がさらりとこう答えたのです。
「この答弁も源内が原案を作成しました」と。

国会の答弁書をAIが書いている——その事実が公開の場で語られた瞬間、日本の行政AIがひとつの節目を超えたように感じました。
しかも翌日の5月28日、デジタル庁はガバメントAI「源内」の大規模実証を全府省庁に向けて正式に開始し、29日時点で約10万人の政府職員が使えるようになったと発表しています。

「いつか政府もAIを使うようになるのかな」と漠然と思っていた人も多いはずです。
でも、もうすでにそうなっていました。
それも、答弁書まで。

国会でAIが使われていた、という衝撃

大臣の発言がXで広まると、「え、あの答弁ってAIが書いてたの」という反応が相次ぎました。
高市首相が昨年末に「2026年5月から10万人以上の政府職員が活用できるようにする」と指示を出しており、それがついに現実になった形です。
デジタル庁は大規模実証開始と同時に詳細を公表し、全府省庁・約18万人を対象に生成AIの利用環境を本格的に試験導入することを明らかにしています。

国会の答弁原案を生成AIに作らせることへの賛否はあるでしょう。
「政治家が自分の言葉で語るべきだ」という声も聞こえてきます。
一方で、「下書きツールとして使うのはむしろ効率的」「人間が必ず最終確認するなら問題ない」という意見も多くあります。
いずれにせよ、使っている事実が公表されたことの意味は大きいと思います。

「源内」とは何か、何ができるのか

源内(正式名称:ガバメントAI)は、デジタル庁が全府省庁向けに構築した生成AI利用環境です。
チャット、文章作成、法制度調査といった行政業務に特化した機能を提供しています。

注目すべきは、使えるAIモデルの多様さです。
AWS(クラウドインフラ)上で動き、Claude(Anthropic製)、GPT(OpenAI製)、そして国産モデル「tsuzumi」など複数のLLM(大規模言語モデル:文章の生成や理解を担うAI技術の中核)を組み合わせて使える設計になっています。

セキュリティ面では、政府の閉域網(インターネットと切り離された専用回線)の中で動いており、機密情報を守りながら使える構造 になっています。
外部のAIサービスにそのまま投げると情報漏洩のリスクがありますが、源内はその点を考慮した設計です。

実証期間は2027年3月まで。
この間に効果と課題を検証し、その後の本格導入につなげる予定です。

18万人規模の展開が意味すること

現時点の約10万人から、6月以降は防衛省・文部科学省など残りの約8万人にも展開を拡大し、最終的には全府省庁の約18万人が行政業務でAIを使える環境を整えます。

民間企業でも全社員にAIツールを導入するケースが増えていますが、政府がこの規模でやるのは世界的に見ても先進的な取り組みです。
IMF(国際通貨基金)や欧州各国でも政府AIの導入が進んでいますが、18万人という規模と「国産AIも積極活用」という方針を組み合わせた事例は多くありません。

また、源内のコア基盤はすでにオープンソースとして公開されています。
民間企業や地方自治体も「源内のような環境」を自前で構築できるようになっており、インターネット上でも「自治体版源内を作りたい」という声が出始めています。

この先、国会答弁だけでなく予算書の草案、政策レポートの初稿——さまざまな行政文書にAIが関わる比率が高まっていくでしょう。
重要なのは、AIが「最終決定者」になるのではなく、「下書きを高速化するアシスタント」として機能し続けることだと思います。
それを担保する仕組みが、これからの実証期間で問われることになります。

さらに深掘りしたい方へ

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まとめ

「この答弁も源内が書きました」というひと言が象徴するように、日本の行政AIは静かに、しかし着実に前進しています。
10万人から18万人へ——今後の実証期間で、AIと行政の関係がどう変わっていくのかを引き続き追っていきたいと思います。