「検索エンジン持ってるのになぜ?」——GeminiのハルシネーションがXで180万インプレを記録した理由を深掘りした
「ChatGPTとClaudeは張り合ってるけど、Geminiカスすぎませんか…?」
6月12日、Xのタイムラインにこんな投稿が流れてきたとき、思わず二度見してしまいました。
ただの愚痴ではなく、「検索エンジンを持っているはずなのに、なぜハルシネーション(AIが事実と異なる情報を生成してしまう現象)を起こすのか」という、多くのユーザーが薄々感じていた疑問を代弁する一言だったからです。
この投稿は24時間で5,600以上のいいねと180万インプレッション(投稿が表示された延べ回数)を記録しました。
なぜそんなに共感が集まったのか、調べてみました。
「イングランド人口の99%が日本人」——笑えない誤回答の数々
話題の起点になったのは、@kiha2228 さんのこちらの投稿です。
ChatGPTとClaudeは張り合ってるけど、Geminiカスすぎませんか…?検索エンジン持ってるのになんでこんなハルシネーション起こすん…
— 飛騨 (@kiha2228) 2026年6月12日
同氏はスクリーンショットとともに、Geminiが「イングランドの人口の99%は日本人」という明らかに誤った回答をした例を公開しました。
イングランドの人口は約5,600万人で、日本人は0.1%にも満たない少数です。
それ以外にも、実在しないミュージシャンを架空のバンドのボーカルとして紹介するという事例も添えられていました。
Googleが世界最大の検索エンジンを持つ企業だというのに、なぜ基本的な事実確認すら怪しいのか——この矛盾が多くの人の共感を呼びました。
批判と擁護が交錯する議論
一方で、擁護する声も少なくありませんでした。
特に注目を集めたのが、Google各サービスとの連携を評価する意見です。
GmailやGoogleカレンダー、スプレッドシートをGeminiだけでシームレスに操作できるという体験は、他のAIにはない強みです。
Geminiが抜きん出て有能なのは他Googleサービスとの連携。Gmailから予定と詳細抜き出してGoogleカレンダーに勝手に入れてくれたり、メモ適当に送るだけでGoogleキープにまとめてくれたり、スプレッドシートの操作を一括でやってくれたり、とにかくGeminiだけで「Google」が使いこなせる。もはや秘書。 https://t.co/AIXZPHKUdd
— rechi (@rechi325) 2026年6月12日
確かに、Googleエコシステム内でのタスク処理という点では、GeminiはClaudeやChatGPTの一歩先を行っています。
「ハルシネーションが問題なのは事実だが、Workspaceユーザーにとっての実用価値は別の話」という指摘は的を射ています。
また、別の観点から「アプリ版とAI Studioでは別物」という証言も寄せられました。
Gemini(アプリ版)は、ハルシネーションが異常なほど多いですが…
制限を全て取っ払ったGoogle AI Studioでは、まるで人が変わったように回答の質が向上するんですよね〜…
※3.5 Flash Mediumでも、各項目に引用元をしっかり明記してくれます。 https://t.co/H9UeelKtNt pic.twitter.com/jlVcIZL8fN— 神ゲーとクソゲーは紙一重 (@KamihitoeGames) 2026年6月13日
制限を外したGoogle AI Studioでは精度が大幅に向上し、各回答に引用元が明記されるほどになる——という経験談です。
つまり、問題の一部はアプリ版での最適化やコスト削減の結果である可能性が示唆されています。
「Geminiパラドックス」とは何か
調べていくうちに、業界では「Geminiパラドックス」とも呼ばれる現象が議論されていることがわかりました。
Googleのモデルは最も広い知識を持つが、「わからない」と言う頻度が最も低いとされます。
つまり、知識の限界に達したときに「知らない」と答えるのではなく、それらしい回答を生成してしまうことがハルシネーション頻発の一因だというわけです。
一方でClaudeは「I don’t know」率が業界最高水準(18.7%)といわれており、この姿勢の違いが信頼性の差に表れているとする研究者もいます。
また、2026年5月のGoogle I/Oで発表されたGemini 3.5 Flashではハルシネーション率が大幅に改善されたと報告されていますが、Google自身が公式なハルシネーション率データを公開していないため、第三者の検証に頼らざるを得ない現状があります。
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SocialReport編集部の考察
マーケターやSNS担当者の視点で見ると、Geminiのハルシネーション問題は「どのAIを使うか」ではなく「どのAIを何に使うか」という問いにたどり着きます。
Geminiの弱点は確かに事実確認を要する回答の正確性ですが、GoogleカレンダーやGmailと連携した業務自動化、NotebookLMを使ったドキュメント分析といった用途では依然として他のAIにない強みを発揮します。
「Geminiが使えない」のではなく、「ハルシネーションが起きやすいタスクにGeminiを使ってしまっている」ことが問題の核心です。
SocialReportではSNS投稿のデータ分析やインサイト抽出にAIを活用しますが、この観点からも「事実確認が必要な用途にはClaudeやChatGPT、GoogleエコシステムとのAPI連携が必要な場面にはGemini」という使い分けが現実的な選択肢です。
Geminiへの批判が大きく拡散したこと自体も、SNSマーケティングの観点では興味深い現象です。
不満の共感は拡散速度が速く、5,600いいね・180万インプレッションという数字は「ユーザーがAIの精度に強い関心を持っている」ことの証左でもあります。
AIツール選定においてコミュニティの声をリアルタイムで把握することの重要性を、改めて実感させられました。
まとめ
Geminiに集まった批判の本質は、「検索エンジンを持つGoogleがなぜ?」という期待値とのギャップです。
Workspace連携という確かな強みを持ちながら、事実確認の精度では課題が残る現状を踏まえ、用途に合わせた複数AI活用が現実的な選択といえそうです。


