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グーグル、Gemini 3.5 Proリリースを数カ月遅延 コーディング性能未達で株価4%超下落

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月17日 更新
グーグル、Gemini 3.5 Proリリースを数カ月遅延 コーディング性能未達で株価4%超下落

2,000億ドル。
7月16日(現地時間)、アルファベット株が一日で失った時価総額です。
原因は新製品の事故でも決算の下振れでもなく、Bloombergが報じた一本の記事でした。
グーグルの最上位AIモデル「Gemini 3.5 Pro」が、社内目標だったコーディング性能に届かず、投入時期を数カ月先送りにしているという内容です。
AI活用者やSNS運用者にとっては、日々使っているGeminiやGoogle検索のAI機能が今後どう変わっていくのかを占う材料にもなる話なので、何が起きたのかを整理してみます。

先に結論をまとめると:
– Alphabet株はBloombergの延期報道を受けて木曜日に4.4%下落し、時価総額約2,000億ドルが消失しました
– 延期の理由は「コーディング性能」の未達で、6月に学習データを更新したものの結果は期待以下だったと報じられています
– Google社内ではAI活用のための計算資源(GPU等の演算能力)自体が不足しているとの報道もあり、モデル開発の遅れは人材やアイデアの問題だけでなく「計算資源の奪い合い」という側面も見えてきました

何が起きたのか(Bloomberg報道とXの反応)

事の発端は5月のGoogle I/Oでした。
Gemini 3.5 Proが発表され、サンダー・ピチャイCEOは一般提供の時期を聞かれ「来月まで待ってほしい」と答えたと伝えられています。
つまり6月中の投入がにおわされていたわけです。
ところがその6月は何も発表がないまま過ぎ、7月16日にBloombergが「Gemini 3.5 Proは予定より数カ月遅れている」と報じたことで、株式市場が反応しました。

報道内容はシンプルです。
グーグルは特にコーディング能力の底上げに時間を割いており、先月末には学習データを更新して改善を試みたものの、結果は失望を招くものだったといいます。
この報道を受けてXでも反応が広がっていました。
日本語に訳すと、「ブルームバーグの報道によると、Google(Alphabet)のエンジニアたちは社内でAIを使おうとすると計算リソースの制約に直面している。
今年は1800億〜1900億ドルの設備投資を見込む企業でありながら、Gemini 3.5 Proは予定より数カ月遅れている」という趣旨の投稿です。

巨額の投資を続けながらも「社内で使うAIの計算力すら足りない」という指摘は、単なるモデル開発の遅延以上に根が深い問題を示唆しています
ただ、この「計算資源不足」という論点は投稿の一断面に過ぎません。
実際にどこまで裏付けが取れる話なのか、もう少し掘り下げてみます。

調べて分かったこと

なぜコーディング性能が焦点になっているのか?

Bloombergによれば、グーグル社内ではDeepMind・Cloud・Android・Searchといった複数の部門が同時並行でAI向けコーディングツールを開発しており、優先順位の重複や作業の重なりが生じているといいます。
開発体制が分散していること自体が、性能改善のスピードを鈍らせている一因のようです。

背景には競合の存在があります。
OpenAIやMeta(このタイミングではAnthropicも含め競合各社)が相次いで新しいコード生成モデルを投入し、性能面でグーグルの現行モデルを上回っているとの指摘が出ています。
社内の目標水準に届かないまま出荷すれば、競合との比較で見劣りする恐れがある——そう判断して足踏みしている、というのがおおよその構図です。

計算資源の不足は本当なのか?

Xで拡散していた「計算資源が足りない」という指摘は、グーグルの巨額投資と矛盾するように見えます。
ただし複数の報道を突き合わせると、辻褄が合う部分があります。
グーグルは今年、1,800億〜1,900億ドル規模の設備投資(capex:工場や設備、サーバーなどへの投資額)を見込んでいるとされる一方、6月にはMeta向けのGemini利用に上限を設けたという報道も出ています。
需要が供給を上回っている状態が、社外向けだけでなく社内の開発現場にも波及しているとみられます。
巨額の投資をしても計算力の需要に追いつかないというのは、AI開発が「お金を積めば解決する」段階を超えつつあることの表れかもしれません

なお、Gemini 3.5 Proをめぐっては7月13日時点で、内部ビルドの性能に関するリーク情報がすでにX上で話題になっていました。
以前の記事(後述)で扱った「リーク段階」の投稿の一つを日本語に訳すと、「Gemini 3.5 Proのリーク情報:延期。
最新の内部ビルド『Rev25』はまだ未成熟で、コーディング性能が弱く、知識のカットオフ(学習データが対象とする期間の締め切り)に関するハルシネーション(AIが事実と異なる内容をもっともらしく生成する現象)も頻発している。
一部の旧ビルド『Rev24』の方が良い結果を出しているという」という内容です。

当時はまだ噂の域を出ていませんでしたが、数日後にBloombergの報道という形で「延期」自体は事実として確認された格好になります。

グーグルは公式に何と言っているのか?

グーグル広報は取材に対し、延期のスケジュール自体は明言を避けています。
ただし「3.5 Proとアップグレード版のFlashモデル、その他のモデルをパートナーとテストしている」「コストを抑えつつ幅広いモデルを迅速に展開している」といった趣旨のコメントを出しているようです。
延期を正式には認めていないものの、開発が継続中であることは示している形です。

Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ

今回の一件は、AI業界の「発表と実態のズレ」がSNSでどう可視化されるかを示す好例です。
5月のI/Oでの示唆から2カ月足らずで市場が4%超反応したという事実は、AI企業に対する投資家・ユーザー双方の期待値が非常に高く、かつ「約束と実績のギャップ」に敏感になっていることの証拠でもあります。

SNS運用者・AI活用者への示唆は2つです。
1つ目は、公式発表前の「〇月投入予定」という情報を鵜呑みにした発信を避けること。
今回のようにリーク→延期報道という流れは珍しくなく、憶測ベースの投稿は後から訂正コストがかかります。
2つ目は、既存のGemini系サービスを業務利用している場合、当面はアップグレード版Flashモデルなど「本命モデルの前段」に留まる可能性を念頭に置いておくことです。
過去にも大型モデルの発表が延期→機能限定版の先行提供、という流れを辿った例は他社でも見られており、同様の展開になる可能性は十分あります。

まとめ

グーグルの最上位AIモデルGemini 3.5 Proは、コーディング性能の未達を理由に投入が数カ月先送りされ、Bloombergの報道を受けてAlphabet株は一日で4.4%下落しました。
背景には開発体制の重複や計算資源の逼迫といった構造的な課題も見え隠れしており、今後の正式発表と実際の性能がどこまで一致するか、引き続き注視する必要がありそうです。

さらに深掘りしたい方へ

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