「26人の専門家がNotebookLMで会議する」——えーたん氏の仮想チーム術とGoogleのエージェント大型アップデートが重なって話題に
週末のXを眺めていたら、こんなフレーズが目に飛び込んできました。
「26人の優秀な仮想部下を雇い、Geminiで円卓会議を開く」——AI業務効率化インフルエンサーのえーたん氏(@ai_jitan)がnoteに公開したこの手法が、Xで一気に広まっています。
最初は「SF的な表現かな」と思ったのですが、読み進めてみると、Googleが6月に発表した大型アップデートと組み合わさることで、これが本当に実用的な話になっていることがわかりました。
気になって深掘りしてみました。
NotebookLMに「人格を注入する」という新しい発想
えーたん氏はAI×業務効率化の分野で知られるインフルエンサーです。
これまでにも「AI社長召喚術」(孫正義・スティーブ・ジョブズなどの思考をNotebookLMに注入してGPTsで再現)や、マーケ・法務・財務など職種別に構築する「10の専門特化型ノート」など、AIを「チームメンバー」として使うユニークなアプローチを発信してきた人物です。
今回のnote記事はその集大成ともいえる内容です。
経営戦略・法務・人事・メンタルカウンセラーまで、異なる職種の専門知識と「物事の見方」をNotebookLMのソースとして注入し、3ステップで26人の仮想専門家チームを構築する方法を公開しました。
さらに、2026年6月のGemini-NotebookLM連携機能を使って、これらの専門家を同時に参照させる「円卓会議」が実現できると解説しています。
「26人」という数字には、経営・マーケ・財務・法務・心理の5分野それぞれに複数のペルソナを設定することで、一つの課題に対して多角的な意見が生まれる設計があります。
「複数の人格を会議させるって凄い」——Xに広がった反応
この投稿への反応が興味深いです。
GeminiとNotebookLMの連携に取り組むエンジニアが、こんなコメントを投稿しました。
なるほど… GeminiからNotebookLMを呼び出すユースケースがあまり浮かばなかったけど、複数の人格を作って会議させるって凄いな。
実際の同僚や上司の性格・口癖を入れてロープレすればさらに解像度高まりそう。
すごく参考になる。 https://t.co/Z3R8oupcdb— まじん (@Majin_AppSheet) 2026年6月27日
「GeminiからNotebookLMを呼び出すユースケースがあまり浮かばなかったけど、複数の人格を作って会議させるって凄いな」という投稿は1,293いいねを集め、「実際の同僚や上司の性格・口癖を入れてロープレすればさらに解像度が高まりそう」という反応も相次いでいます。
一方で、NotebookLMで英語文献の壁を乗り越えた事例も話題になりました。
AIのせいで、日本語の本を読む量が減った。
— ふろむだ (@fromdusktildawn) 2026年6月28日
200ページの日本語の本より、300ページの英語のPDFを読む方が簡単になったから。
PDFだと、まずAIに1万字の日本語に要約させ、それを読んだ後、NotebookLMで気になった点を根掘り葉掘り聞く。
そして、気になったところだけ原文を読む。…
「300ページの英語PDFを読む方が、200ページの日本語の本より簡単になった」という投稿で、まずAIに1万字の日本語要約を作らせ、次にNotebookLMで気になった点を深掘りするというフローが紹介されています。
1,138いいねを集め、「知的生産のやり方が変わった」という感想も多く寄せられました。
どちらの投稿も、NotebookLMが「情報を集める道具」から「思考パートナー」に変化してきていることを示しています。
Googleの6月8日大型アップデートが「会議室」を実現した
えーたん氏の手法が特に注目を集めたのは、GoogleによるNotebookLMの大型アップデートと重なったタイミングが大きく影響しています。
2026年6月8日(米国時間)、Googleは「Gemini 3.5とAntigravity」ベースへの移行と、エージェント機能の搭載を発表しました。

今回のアップデートで最も重要な変化は、NotebookLMが「調べるだけの道具」から「自律的に動くエージェント」に進化したことです。
主要な新機能を整理すると、次のとおりです。
- AIモデルのGemini 3.5化:回答精度と推論能力が大幅に向上し、複数ソースを横断した分析が得意になった
- エージェント型チャット機能:複数のステップにまたがる調査を自律的に実行し、構造化された回答を返す。
一問一答ではなく「深い探索」ができる - コード実行機能:各ノートブックに専用のセキュアなクラウドコンピュータが付属。
Python相当の計算・データ分析をNotebookLM内部でそのまま処理できる - 出力フォーマットの拡充:PDF・Excel・PowerPoint・Markdownなど多様な形式で成果物を生成できる
さらに、GeminiアプリとNotebookLMの双方向連携が実現しました。
Geminiのチャット画面から直接NotebookLMのノートブックを参照でき、双方向でソースとチャット履歴が同期されます。
えーたん氏が言う「Geminiで円卓会議を開く」というフローは、このアップデート後に初めて現実的になったといえます。
「仮想チームを作る3ステップ」の中身
えーたん氏のnote記事が公開しているフローは、工程としては非常にシンプルです。
ステップ1——専門知識の注入: 経営戦略・法務・人事・メンタルカウンセラーなど、各専門家の思考回路や判断基準を記した資料、あるいはそれを再現したプロンプトをNotebookLMのソースとして投入します。
えーたん氏が使う「NotebookLMのソースを探す」機能を活用すれば、AIが自動でウェブ上から関連情報を集めてくれます。
ステップ2——職種別ノートブックの構築: 「営業ノート」「財務ノート」「マーケノート」など、職種ごとに専門特化型ノートブックを作成します。
各ノートブックがその職種の「専門家の記憶」になります。
ステップ3——Geminiから複数ノートブックを呼び出す: GeminiとNotebookLMの新しい連携機能を使い、複数のノートブックを同時参照させながら一つの課題に対する答えを引き出す。
これが「円卓会議」になります。
「高額なコンサルや社内の専門家に頼らなくても、AIが複数の視点からリアルタイムで意見を出してくれる」という発想が、この手法の本質です。
さらに深掘りしたい方へ
- えーたん (@ai_jitan) — X公式アカウント
- NotebookLM 2026年6月アップデート詳細 — gihyo.jp
- Google NotebookLM June 2026 Agentic Update — nerova.ai
SocialReport編集部の考察
「仮想チームで会議する」という発想は、SNSマーケティング・広報・コンテンツ制作の現場でも応用できます。
たとえば「Instagram担当の視点」「X(Twitter)担当の視点」「企業ブランドガイドの管理者の視点」を別々のNotebookLMノートブックに注入しておき、新しいキャンペーン企画を立案する際に三者の意見を同時に引き出す——そんな使い方が考えられます。
さらに面白いのは、Gemini 3.5のコード実行機能です。
SNS分析データ(CSVやスプレッドシート)をそのままNotebookLMに投げ込んで、専門家の視点からインサイトを引き出すことが技術的に可能になりました。
SocialReportのエンゲージメントデータや拡散分析の結果を「専門家の記憶」として蓄積させ、次回のキャンペーン戦略に引き継ぐフローも現実的になってきています。
クリエイター経済やインフルエンサーマーケティングの分野では、少人数チームで複数プラットフォームをカバーするプレッシャーが高まっています。
単一のAIに頼るのではなく、「複数の専門的な視点を持つAIチーム」という概念は、その課題への一つの答えになり得ます。
「26人の仮想専門家」という数字は派手に聞こえますが、実際の使い方は「いつでも専門家に相談できる環境を整える」というシンプルな発想の延長線上にあります。
まとめ
NotebookLMの6月8日アップデートと、えーたん氏の「仮想チーム活用術」が重なって、「AIで本物に近い多視点会議を開く」というアイデアがXで一気に現実感を帯びました。
ツールの性能向上だけでなく、「どう使うか」を示してくれる実践者の知恵も、同じくらい価値があると改めて感じます。

