「TETTAくん、SETLOGの存在を完全に忘れております」——欠けた1コマが1万いいねを稼いだ理由
黒い画面に浮かぶのは「13:00」の数字と、眠りを示す「zzZ」の絵文字だけ。
同じ時刻の他の4人は、ヘアセットの仕上げや「本番頑張っていくぜー!」の掛け声とともに、しっかりカメラに向かって笑っています。
5人組ダンス&ボーカルグループ「ONE N’ ONLY(ワンエンオンリー)」の公式Xが投稿したこのTikTok動画の告知に、10,000件を超えるいいねが集まりました。
同じ日に投稿された他の公式アカウントによる同種のTikTok更新告知は、最も伸びたものでも8,800件台にとどまっており、今回はそれをさらに上回る反応を得ています。
SNS運用を担当している方であれば、「なぜ完璧な告知より、欠けた1コマの方が伸びたのか」という問いは、他人事ではないはずです。
先に結論をまとめると:
– メンバーTETTAさんの不参加コマ(黒画面+「zzZ」)が「素の失敗」として可愛がられ、通常の告知投稿を大きく上回るいいね数を記録した
– 背景には「SETLOG(セットログ)」という、1時間ごとに届く通知内で2秒だけ自撮りするK-POP発の記録アプリの仕組みがあり、参加者の”素の姿”がそのまま可視化される設計になっている
– 完璧に作り込まれた告知よりも、意図せず生まれた「隙」の方がSNSでは強く拡散する傾向がある
何が起きたのか
投稿されたのは、EBiDAN所属の5人組「ONE N’ ONLY」の公式TikTokアカウントが定期更新している「ワンエンの1日」というシリーズの最新回でした。
X(旧Twitter)の告知文には「#エビライ2026 4学期 ワンエンの1日」というタイトルに続けて、「TETTAくんは完全にSETLOGの存在を忘れております。
楽しみにしていた方すみません」という一言が添えられていました。
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— ONE N' ONLY / ワンエンオンリー (@onenonly_tokyo) 2026年8月21日
TikTok更新🎵
\#エビライ2026 4学期
ワンエンの1日🐶🐾
※TETTAくんは完全にSETLOGの存在を忘れております。
楽しみにしていた方すみません🙇
動画はこちら🎥
🔗https://t.co/c7jdi4TDQJ#EBiDAN #ONENONLY #ワンエン pic.twitter.com/G9oYMjHrLF
動画の中身は、13:00という同じ時刻に各メンバーが撮った自撮りを並べたものです。
「4学期いくぞぉぉぉ」と気合を入れる1人目、続いて「本番頑張っていくぜー!」と笑顔を見せる別のメンバー、髪型を最終確認するメンバー——そんな中に1つだけ、顔も映らない真っ黒な画面に「13:00」と眠りの絵文字だけが残されたコマが挟まっています。
ファンからは「可愛すぎる笑笑」「神すぎる」といった反応が相次ぎました。
可愛すぎる笑笑 https://t.co/Wz5W5aAMxI pic.twitter.com/IGXz06unCo
— りかぴ (@p_p_p_ri_p) 2026年8月21日
ただ、この現象は「かわいいから伸びた」というだけでは説明しきれません。
そこで、なぜこの投稿がここまで拡散したのかを掘り下げてみました。
なぜこの投稿がバズったのか
「SETLOG」とは何なのか
投稿文にある「SETLOG(セットログ)」は、韓国発で人気を集めている生活記録アプリの名称です。
1時間ごとにアプリから通知が届き、その瞬間から限られた時間内に2秒間だけ自撮りを撮影する仕組みで、撮り逃した時間帯は後から差し替えることができません。
複数人でグループを組んで使うと、各メンバーの同時刻の様子が1本のログとして並べて表示されます。
今回の動画はこの仕組みをそのままTikTokコンテンツとして使い、13:00という同じ時刻の5人分の記録を並べたものだったと考えられます。
この仕組みを踏まえると、TETTAさんのコマが黒画面だった理由も見えてきます。
撮り逃した時間は後から埋められない設計のため、13:00の通知に気づかなかったこと(「zzZ」の表示から寝ていたためとみられますが、本人からの説明があるわけではありません)が、そのまま「空白」として動画に残ったというわけです。
作り込んだボケではなく、アプリの仕様上どうしても生まれてしまう”素の抜け”だったことが、ファンの反応を見る限り好意的に受け止められています。
反応から見える共感ポイント
引用ツイートを見ると、「なおやさんが一生懸命声掛けしたセットログ、、、」というコメントがありました。
メンバーのNAOYAさんが普段から周囲にSETLOGへの参加を呼びかけている様子がうかがえ、ファンの間ではこの「セットログ企画」自体が一種のお馴染みの流れとして認知されているようです。
その文脈があった上でのTETTAさんの”うっかり”だったからこそ、単なるミスではなく「あるある」として笑って受け止められたのではないでしょうか。
なお、この投稿がなされた8月21日は、ONE N’ ONLYが出演したEBiDAN所属グループ合同ライブ「EBiDAN THE LIVE 2026」の開催期間と近く、告知文にある「#エビライ2026 4学期」もこのライブを指すとみられます。
ライブ本番前後の慌ただしいスケジュールの中での一コマだった可能性はありますが、この点は公式からの明言はなく、あくまで時期的な符合からの推測にとどめておきます。
アカウントの傾向
ONE N’ ONLYはTikTokフォロワー560万人超と、国内男性アーティストの中でも上位規模を持つグループです。
日頃から「TikTok発の勢いをX上の実績アピールに変換する」運用を続けてきたことは知られていますが、今回のようにメンバーの”素の姿”がそのまま拡散のきっかけになった例は、通常の告知投稿とは伸び方の質が異なります。
フォロワー数という「数字の強さ」だけでなく、メンバー自身の人間味が見える瞬間が拡散を後押ししたケースだといえそうです。
Shiritomo編集部の考察:完璧より「隙」が効くとき
SNS運用の現場では、告知投稿はどうしても「漏れなく・きれいに」作り込みたくなるものです。
しかし今回の事例は、意図しない欠落がむしろ好意的な反応を引き出すことを示しています。
ポイントは、その「隙」が演出されたものではなく、アプリの仕様やスケジュールの都合から自然に生まれたという点でしょう。
作為が透けて見える「あざとい失敗風演出」では同じ反応は得にくく、視聴者はそこを敏感に見分けます。
企業アカウントの運用でも、あらかじめ完璧を目指しすぎず、日常の中で生まれる小さなズレをそのまま見せる余地を残しておくことが、結果的にエンゲージメントを底上げする場合があるかもしれません。
次に自社のショート動画企画を考える際は、「全員がきちんと写っている状態」を目指すだけでなく、多少の抜けや間の悪さをあえて編集で消さない選択肢も検討してみる価値がありそうです。
まとめ
きれいに揃った告知よりも、うっかり抜け落ちた1コマの方が大きな反応を集めた今回の事例は、SNSにおける「作り込みすぎないことの強さ」を示しています。
完璧さより人間味が伝わる瞬間を残す設計は、企業アカウントの運用にも応用できる視点ではないでしょうか。