「setlog」がXで急拡散——1時間ごとに2秒、アイドルも芸人も沼にはまる日常記録アプリの正体
朝の準備中に1回、昼食を食べながら1回、寝る前に1回。
それだけで、1日の記録が自動的に1本のVlog(ビデオブログ)として完成する。
韓国発のアプリ「setlog(セットログ)」は2025年12月のリリース後、SEVENTEENやaespaのカリナといったK-POPアイドルが使い始めたことで認知が一気に広がり、2026年5月には日本のApp Store無料ランキングで1位を獲得しました。
そして今、Xのタイムラインでsetlogへの言及が目立ち始めています。
芸人・カラタチの大山さんがラジオ収録中の疲れた素顔を記録した投稿や、ミュージシャンのshallm/liaさんがのんびりした日常をシェアした投稿が共感を集め、「setlogグループ作りたい人いる?」という呼びかけまで相次いでいます。
K-POPアイドルが火をつけ、日本の若者に広がったしくみ
setlogを開発したのは、ソウルとニューヨークに拠点を置く「newchat(ニューチャット)」。
アプリの基本的な仕組みはシンプルで、1時間ごとに最大2〜3秒の短い動画を撮りためると、1日の終わりにアプリが自動で時系列のVlogを生成します。
撮影は強制ではなく、通知が来たタイミングで気が向いたときだけ撮ればいい。
この「強制されない気軽さ」が他のSNSとの大きな差別点です。
グループ機能では最大12人が同じログに参加でき、それぞれの視点から切り取った「同じ時間の日常」が並んで再生されます。
友達と映画を観た日や、推しのライブに行った日のそれぞれの視点が一本にまとまる体験は、これまでのSNSにはなかったものです。

SEVENTEENのメンバー9人全員がデビュー11周年記念イベントでこのアプリを使い、夕食の様子や舞台裏を共同ログとして投稿したことで、日本のファンへの認知が一気に拡大しました。
2026年2月ごろから日本語対応が進んだこともあり、中高生の間で「青春のドキュメントツール」として急速に定着。
2026年上半期の「JC・JK流行語大賞」コンテンツ部門では第1位に選ばれています。
Xでの広がり方——アイドルも芸人も「ありのまま」を投稿
setlogがXで話題になっているのは、有名人が「作り込まれていない素の姿」を出しているという点が大きいようです。
あるユーザーはグループ機能の表示方法に気づいてこう投稿しています。
setlogってグループのやつじゃないとこの時間の表示のされ方しないよね?もしかしてげんじぶ㌠でやってたりする⁉️⁉️⁉️💕︎💦💕💦期待していい⁉️🤩🤩 pic.twitter.com/ovjzaSl5E9
— らいちゃ⭐️ (@tensai_kunds) 2026年6月29日
グループで使ったときだけ見られる独特の「時間表示」が新鮮で、アイドルグループが一緒に使っているかもしれないというワクワク感が1万7万件以上のインプレッションを生みました。
また、日常的なイベントをsetlogで記録して共有する使い方も広がっています。
約束通り、
— 白石まゆみ(SWEET STEADY) (@mayumi_ss1227) 2026年6月29日
昨日の すいすて名古屋setlogです~🐣❤︎
⬆️白石⬇️莉世 pic.twitter.com/QuAxxTbR2v
このような「イベント当日の記録をそのままsetlogで残す」スタイルは、後から見返したときに「あのときの空気感」をより生々しく思い出せると評判です。
ぬいぐるみと過ごす日常や、部屋で友人とだらだらする様子を記録した投稿も多く見られ、InstagramやTikTokで求められる「映え」とは対極の空気がsetlogには漂っています。
「SNS疲れ」が生んだ需要——BeRealとの共通点と違い
setlogと比較されることが多いのが、2022年ごろに日本でも話題になったフランス発のアプリ「BeReal(ビーリアル)」です。
BeRealも「加工なし・無編集の日常」を売りにしていましたが、setlogとは仕組みが異なります。

BeRealは1日1回だけランダムに通知が来て、2分以内に撮影しなければならないという制約がありました。
対してsetlogは1時間ごとに通知が来るものの撮影は強制ではなく、1日を通じて何度でも記録できます。
BeRealが「その瞬間を切り取る緊張感」を売りにしていたとすれば、setlogは「気が向いたときだけ残す、緩やかな記録」を重視している点が特徴的です。
また、setlogのグループ機能はBeRealにはなかった要素で、友人グループの「同じ日の違う視点」を並べて見られる体験が新しい共感を生んでいます。
クローズドな12人限定のグループ内でのみ共有できるため、フォロワー数や「いいね」の数を気にしなくていい環境も、SNS疲れを感じているユーザーに刺さっているようです。
Instagramも2026年5月に「Instants(インスタンツ)」という一度見ると消える機能をリリースしており、プラットフォーム全体として「映えではなく、リアルな日常」へのシフトが起きていることがわかります。
さらに深掘りしたい方へ
setlogの公式情報は App Store(setlog) から確認できます。
また、setlogが選ばれた背景については Business Insider Japan「BeRealの次はこれ」 の記事もあわせて参考になります。
SocialReport編集部の考察
setlogのXでの拡散パターンは、SNSマーケターにとって見逃せない事例です。
このアプリが有名人経由で広がった方法は、従来のインフルエンサーマーケティングとは構造が異なります。
アイドルが「宣伝」として使ったのではなく、本当に友人グループとして使い始めたことで、ファンが「中の人の素顔が見える」と感じた点が大きいと考えられます。
SNS運用の観点では、setlogのような「クローズドな日常共有」アプリの台頭は、パブリックなSNSでのコンテンツ戦略に影響を与えます。
ユーザーの「本音の場所」がプライベートアプリに移行するほど、公開SNSに投稿されるコンテンツはより作り込まれた「ハレの場」になっていく可能性があります。
つまり、Xやインスタでのエンゲージメントが下がっても、それはユーザーが離れたのではなく「場を使い分けている」だけかもしれません。
SNS担当者は「どのプラットフォームにいるか」だけでなく、「何のためにそのプラットフォームを使っているか」まで把握する視点が、これからより重要になるでしょう。
まとめ
setlogは「映えなくていい、記録すればいい」という価値観をアプリの設計レベルで体現しており、SNS疲れが広がる2026年において急速に支持を集めています。
Xでの有名人の投稿をきっかけに、一般ユーザーのグループ作りへの参加呼びかけも増えており、今後も話題が続きそうなアプリです。

