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「もう待てない」——消えたはずの青い鳥ロゴが”Twitter.now”として復活、Xが訴えた理由

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年8月27日 更新
「もう待てない」——消えたはずの青い鳥ロゴが”Twitter.now”として復活、Xが訴えた理由

「私たちは小さな会社です。
投資家がいて、プロダクトがある。
何ヶ月も待ちましたが、もうこれ以上は待ちません」。

バージニア州の小さなスタートアップの共同創業者が、そう言い切って新しいSNSを立ち上げました。
名前は「Twitter.now」。
ロゴは、あの青い鳥です。
イーロン・マスク氏が「X」への改名で捨てたはずの名前とロゴを、赤の他人の会社が2026年8月24日に自社サービスとして世に出したのです。

SNSのブランドは、名前とロゴを変えれば本当にリセットされるのか——この件は、その問いを突きつけています。
プラットフォームの選び方や乗り換えの判断材料として、SNS運用者にとっても他人事ではない話です。

先に結論をまとめると:
– バージニア州のスタートアップ「Operation Bluebird」が2026年8月24日、旧Twitterのブランドを使った新SNS「Twitter.now」を正式ローンチした
– 主張の根拠は「Xが2023年の改名でTwitterブランドを事実上放棄した」という商標法上の理論で、X側は「Twitterは今もXの資産」として提訴し係争中
– 2026年4月の審理では裁判官が「Xは”tweet”や青い鳥ロゴへの権利を手放したと見られる」との暫定判断を示したが、正式な判決はまだ出ていない

何が起きたのか

Operation Bluebirdは、元Twitterの社内弁護士だったスティーブン・コーツ氏と、弁護士のマイケル・ペロフ氏らが立ち上げた会社です。
2025年12月2日、米国特許商標庁(USPTO)に対し申し立てを行いました。
内容は「XはTwitterと”tweet”の商標を放棄した」として登録取り消しを求めるものです。
同時に「twitter.new」というドメインでハンドルネームの事前予約受付も始めていました。

この主張の骨子はシンプルです。
商標法では、ブランドを一定期間使わなくなると権利が失われることがあります。
Operation Bluebirdは「Xは製品・サービス・マーケティングのあらゆる場面からTwitterとTweetのブランドを消し去り、再び使うつもりもない。
青い鳥は地に落ちた」と申し立て文書で表現しました。

X Corp側は黙っていませんでした。
2025年12月16日、デラウェア州の連邦裁判所にOperation Bluebirdを提訴。
「Twitterは消えていない、今もXの独占的な資産だ」とし、Bluebird側のドメインや青い鳥アイコン、配色までもがXの知的財産を侵害していると主張しました。
X は2026年1月15日付で利用規約も改定し、Twitterの商標と青い鳥ロゴを明示的に自社の権利として再定義しています。

そんな法廷闘争の最中でも、Operation Bluebirdは計画を止めませんでした。

Morning Brewの投稿では、Operation Bluebird側の申し立て文書の一節がそのまま引用されています。

“The TWITTER and TWEET brands have been eradicated from X Corp.’s products, services, and marketing, effectively abandoning the storied brand, with no intention to resume use of the mark,” the petition states. “The TWITTER bird was grounded.”
(「TwitterとTweetのブランドはX社の製品・サービス・マーケティングから消し去られ、再開の意図もなく事実上放棄された」「Twitterの鳥は地に落ちた」と申し立て文書は述べている)

ただ、ドメインを予約しただけの段階から、実際にサービスとしてローンチするまでには時間がかかりました。
そこには法廷での駆け引きが影響していたようです。

調べて分かったこと

なぜこのタイミングで踏み切ったのか

大きな転機は2026年4月の審理でした。
デラウェア連邦地裁のコルム・コノリー判事は、法廷での口頭審理においてX側に不利な暫定的な見解を示しました。
「Xは”tweet”という言葉と青い鳥ロゴについての知的財産権を、すでに手放したように見える。
場合によっては”Twitter”という言葉自体についても同様だ」という内容です。

これはあくまで法廷での口頭ベースの暫定判断であり、正式な書面判決ではありません
訴訟自体もまだ決着していません。
それでもOperation Bluebirdにとっては、待ち続ける理由を失うのに十分な材料だったとみられます。
共同創業者のコーツ氏は「何ヶ月も待った、もう待てない」と語り、正式判決を待たずにローンチに踏み切りました。

X側の反応を伝えるLexisNexisの投稿には、訴訟の要点がまとまっています。

X Corp. has sued Operation Bluebird, saying “Twitter never left” and that all Twitter trademarks remain its property. The suit claims Bluebird’s domain, blue bird icon and color scheme infringe X’s IP.
(X社はOperation Bluebirdを提訴し、「Twitterは消えていない」、商標はすべて自社の資産だと主張。
訴状はBluebird側のドメイン、青い鳥アイコン、配色がXの知的財産を侵害していると訴えている)

Twitter.nowは何が違うのか

BlueskyやThreadsという先行する「Twitter代替」は、すでにいくつも存在します。
その中でOperation Bluebirdは、単に似たアプリを増やすのではない設計を打ち出しているとされています。
データプライバシーとフィード(タイムライン)の制御を、ユーザー自身に委ねる方針です。
過去のTwitter利用者が慣れ親しんだ名前とロゴをそのまま使うことで、乗り換えの心理的なハードルを下げる狙いがあるとみられます。

もっとも、この訴訟が最終的にどちらに転ぶかは、まだ誰にも分かりません。
コミュニティの反応も割れています。
海外のテック系コミュニティでは「We’re Twitter Now(私たちは今、Twitterだ)」というブランディングの言葉遊びを面白がる声があります。
一方で「本当にこの名前を使い続けられるのか」「Xが本気で権利を守りにきたら勝ち目はあるのか」といった懐疑的な見方も根強く存在します。

Shiritomo編集部の考察:ブランドは「使わなければ消える」という前提で運用を見直す

この一件が示しているのは、SNSのブランド名やロゴが「一度作ったら永久に自社のもの」ではないという、商標法の生々しい現実です。
企業がリブランディングで旧名を捨てる際、法的な観点では単なる印象の刷新にとどまらず、「その名前・ロゴへの権利を維持する意思がない」というシグナルにもなり得ます。

SNS運用の現場で直接置き換えられる話ではありません。
ただ、アカウント名やハッシュタグ、キャンペーン名を変更・廃止する際は注意が必要です。
「使われなくなった資産を誰かに拾われるリスク」を意識しておく価値があります。
旧アカウント名やドメインを放置したままにすると、なりすましや商標トラブルにつながるリスクも起こり得ます。
ブランド資産の「入口」を閉じるときほど、権利関係の整理までセットで考える必要がありそうです。

まとめ

旧Twitterの名前とロゴを使った新SNS「Twitter.now」が2026年8月24日にローンチしましたが、Xとの商標訴訟はまだ決着していません。
裁判所の暫定的な見方はOperation Bluebird側に有利ですが、最終判決が出るまでこのサービスの行く末は不透明なままです。

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