AI活用事例 読了 7 分

絵は描けないのに動く。LINEスタンプがAIで数十万円を稼ぐ理由と作り方

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年8月31日 更新
絵は描けないのに動く。LINEスタンプがAIで数十万円を稼ぐ理由と作り方

120円のスタンプが1個売れると、作った本人の手元にはおよそ42円が残ります。
LINE Creators Market(LINEが運営するスタンプ販売プラットフォーム)の取り分はざっとそんな水準です。
そのうえ「動くスタンプ」は静止画より高い価格帯で並びやすく、ここ最近Xでは、絵が描けない人でもAIだけで動くスタンプを作って売る、という流れが目につくようになりました。
ChatGPTで絵を作り、動画生成AIで動かし、コーディング用のAI「Claude Code」で書き出す。
分業の相手が全部AIというのが、この夏のちょっとした変化です。
SNSでAI活用のネタを探している人には、次に来る「誰でもできる系AI副業」の実例として読んでおいて損はないはずです。

先に結論をまとめると:
– ChatGPT(画像生成)→動画生成AI「Seedance」→Claude Code(APNG変換)という分業が、Xで共有されています
– LINE公式のガイドラインでは、アニメーションスタンプは1個あたり再生時間4秒以内・フレーム数5〜20枚と定められており、この範囲を守ることが審査通過の前提です
– Xでは数十万円規模の売上を報告するアカウントも見られますが、具体的な金額や達成日数は投稿ごとにばらつきがあり、鵜呑みにはできません

何が起きたのか(Xでの盛り上がり)

Xでは、AIツールを使って動くLINEスタンプを作り、実際に一定の売上を得たという投稿がいくつも流れてきます。
よく紹介されている流れはこうです。
まずChatGPT(画像生成AI)でキャラクターの絵を作る。
次にそのキャラクターを動画生成AIで数秒動かす。
最後にClaude Code(プログラミング支援のAIエージェント)を使って、動いた映像をLINEスタンプ用の「APNG」という形式に変換する。
APNGとは、複数の静止画をパラパラ漫画のようにつなげて動きを表現する透過画像形式のことです。

絵心がなくてもキャラクターを一から作れる、動きも手描きアニメーションの技術なしに付けられる、という点がこの流れの核心です。
実際、ChatGPTの画像生成機能とAIコーディングツールを組み合わせて「絵の生成から切り抜き・透過処理まで10分程度で終わらせた」という制作記録も複数のnote・ブログで見つかりました。
特別な画像編集ソフトの操作を覚えなくても、AIへの指示だけで書き出しまで完結するという点は、実際にいくつかの制作手順記事で裏付けが取れています。

一方で、Xで語られる「開始1カ月足らずで数万〜数十万円」といった具体的な売上報告は、投稿者本人の自己申告以上の裏付けが取れていません。
そこで、技術的な仕組みと、公式のルールがどうなっているのかを一次情報で確かめてみました。

調べて分かったこと(調査・深掘り)

なぜAIだけでLINEスタンプが作れるのか?

LINE Creators Marketへの出品自体は以前から個人でもできましたが、ネックだったのは「イラストを描くスキル」と「切り抜き・透過処理などの地味な作業」でした。
ChatGPTの画像生成機能を使えば、プロンプト(AIへの指示文)でキャラクターの絵柄やポーズを細かく指定でき、絵を描いたことがない人でも一貫したキャラクターを量産できます。
さらにClaude Codeのようなコーディング支援AIに「画像を規定サイズに切り分けて、背景を透過して」と指示すれば、これまで手作業だった書き出し工程も自動化できる、という手順がいくつかの制作解説記事で紹介されています。

収益構造も確認しておくと、LINE Creators Marketでは販売価格からApple・Googleなどのストア手数料が引かれ、残りの売上の50%がクリエイターに還元される仕組みです。
たとえば120円のスタンプなら、手数料分を除いた84円の半分、約42円が作成者の取り分になるとされています。
割合にすると販売価格のおよそ35%が手元に残る計算です。

動くスタンプはどうやって作るのか?

動くスタンプに使われている動画生成AI「Seedance」は、ByteDance(TikTokの運営元)が開発したモデルで、最新版の「Seedance 2.5」は2026年7月31日に一般提供が始まったばかりの比較的新しいツールです。
静止画のキャラクターを数秒動かす映像を生成し、それをコマ単位の画像に分解してAPNGへ変換する、という流れがXや各種ブログで紹介されています。

ここで重要なのが、LINE公式のガイドラインです。
LINE Creators Marketの「アニメーションスタンプ制作ガイドライン」を確認したところ、1個あたりのフレーム(イラスト)数は5〜20枚、再生時間はループを含めて最大4秒まで、ループ回数は1〜4回(4秒を超えない範囲)と明記されていました。
動画生成AIで作った映像をそのまま使うのではなく、この枠に収まるようコマ数と秒数を調整する作業が必須ということになります。

また、複数の制作解説記事で共通して紹介されているテクニックとして、「アニメーションの最後のコマと同じ画像を、1コマ目にも配置する」という工夫があります。
LINEのスタンプ選択画面などアニメーションが再生されていない場面では1コマ目が静止画として表示されるため、スタンプが伝えたい表情や動きの「オチ」を1コマ目に持ってくることで、一覧で見たときにも意図が伝わりやすくなる、という理屈です。
このテクニックを知らずに公開してしまい、あとから登録し直したという体験談も見つかりました。

動くLINEスタンプは本当に誰でも作れるのか?

ここまでの流れを見ると「AIに全部任せれば誰でも稼げる」ように見えますが、実態はやや違います。
まず、AI生成画像を使ったスタンプは「キャラクターの顔や体型がセットごとにバラバラで統一感がない」という理由でリジェクト(却下)されることがあると、複数の審査対策記事が指摘しています。
プロンプトを工夫して同じキャラクターを再現し続けるスキルが、結局のところ必要になるわけです。

さらに、LINEスタンプ市場全体で見ると、登録クリエイターの大半はスタンプが1つも売れた実績がないという情報もあります。
Xで取り上げられる「AIで数十万円稼いだ」という報告は、成功例だけが目立って流通しやすいという、SNSにありがちな偏りを含んでいる可能性があります。
実際、LINEスタンプとAI活用の両方を発信しているアカウントの中には、月に数十万円規模の収益を継続的に報告している例もありますが、そこに至るまでにスタンプを何十種類も作り続けている、という積み上げの過程も同時に語られています。
一発でヒットしたというより、試行錯誤の結果という色合いが強いようです。

Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ

今回の事例が面白いのは、「画像生成AI→動画生成AI→コーディングAI」という異なる種類のAIを順番につなぐ分業構造が、個人レベルで組めるようになった点です。
これはLINEスタンプに限った話ではなく、今後は同じ発想がグッズ制作やショート動画の量産など、他のクリエイター系副業にも広がっていくと考えられます。
SNS運用の観点で明日からできることは2つあります。
ひとつは、こうした「AIで簡単に稼げる系」の投稿を見たときに、具体的な金額よりも「どのツールをどう組み合わせているか」という工程の部分を情報として拾うこと。
もうひとつは、バズっている数字を鵜呑みにせず、同じ発信者が継続的に成果を出しているかどうかを確認する癖をつけることです。
単発の成功報告と、積み上げの結果はSNS上では見分けがつきにくく、そこを見誤ると再現性のない手法に時間を投じてしまうことになります。

まとめ

ChatGPT・動画生成AI・コーディング支援AIを組み合わせて動くLINEスタンプを作る手法自体は、複数の一次情報で裏付けが取れる現実的なワークフローです。
ただし、Xで語られる具体的な売上額や達成日数はあくまで自己申告であり、公式ガイドラインで定められたフレーム数・再生時間といったルールを守ったうえで、地道な試行錯誤が必要になる点は変わらないようです。

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