発売前のモデルが、もう「Claude超え」と話題に――Gemini 4 Proリークの中身
「複数の社内評価でGPT-5.6 SolやFable 5を上回った」。
まだ製品ページの一枚も存在しないモデルについて、そんな一文がXで拡散されています。
Geminiの次期フラッグシップ「Gemini 4 Pro」の話です。
9月に入ってGPT-6 AstraとClaude Fable 5.1が相次いで登場したばかりの中、まだ発表すらされていないモデルの噂だけが独り歩きしている状態です。
AIをコーディングに使っている人、あるいはどのツールに課金するか迷っている人にとっては、今Claudeを選ぶべきか、GPT-6 Astraにすべきか、それとも待つべきかを左右しかねない話でもあります。
先に結論をまとめると:
– Gemini 4 Proは9月時点でまだ社内の初期チェックポイント段階。
正式リリースは10月と噂されています
– リーク情報では、複雑なコーディング・ソフトウェア開発のテストでClaude Fable 5.1を上回ったとされていますが、公式発表はまだありません
– 直近の各社の実測ベンチマークを見る限り、コーディング性能の「王者」は指標によって入れ替わっており、Gemini 4 Proが出た後も混戦が続く可能性が高いです
Xで広がっている「まだ出てもいないのに」という驚き
発端はリーク系アカウントの投稿でした。
普段からAIモデルのリーク情報を扱っているSalio氏が、「Gemini 4 Proのベンチマークがリークした」として、従来のGeminiモデルより高いコーディング性能を示し、複数の社内評価でGPT-5.6やFable 5を上回ったと報告。
150万トークンという巨大なコンテキストウィンドウや、ツール利用・長時間タスク実行の向上も期待されると投稿し、数百件のいいねを集めました。
🚨 Gemini 4 Pro Benchmark Leak
— Salio (@Mr_Salio) 2026年8月12日
> Stronger coding performance than previous Gemini models
> Reportedly outperforming GPT-5.6 Sol and Fable 5 on several internal evaluations
> A massive 1.5M-token context window is still expected
> Better tool use and long-running task execution… pic.twitter.com/3ELhshoapi
ポイントは、比較対象に挙げられているのが「GPT-5.6」や「Fable 5」という、今となってはひとつ前の世代のモデルだという点です。
その後9月3日にOpenAIがGPT-6 Astraを、Anthropicが後継のClaude Fable 5.1を投入し、勢力図はさらに一段進みました。
つまりこのリークが指しているのは「型落ち世代への勝利」であって、最新世代との比較ではありません。
ただ、そこから間を置かずに「Gemini 4 ProはGPT-6 Astra・Fable 5.1という最新世代にも食い込む」という後続の噂が広がったことで、話が大きくなっています。
調べて分かったこと
本当に「Claude超え」と言えるのか?
一次情報にあたると、リーク元の報道では「Gemini 4 Proは複雑なコーディング・ソフトウェア開発のテストでAnthropicの旗艦Fable 5.1を上回っている」「複数ステップの推論ではGPT-6 Astraに対しても明確な優位を見せている」とされています。
ただしこれはあくまで社外に漏れた内部ベンチマークの報道であり、Google自身が数値を公開したわけではありません。
リーク情報は誇張されたり、テスト条件が公平でなかったりすることも珍しくないため、「〜と報じられている」という留保つきで見る必要があります。
今のトップランナーはどこなのか?
一方、すでに公開されている最新モデル同士の実測比較では、様相はもう少し複雑です。
GPT-6 Astraは「ARC-AGI-3」で99.9%、数学系ベンチマーク「Frontier Math Tier4」で97.6%を記録し、Claude Fable 5.1の87.8%を大きく引き離しています。
ところがコーディング特化のベンチマーク「DeepSWE」では、GPT-6 Astraのスコアは73〜74%程度にとどまり、GoogleのGemini 3 Flash(73.7〜74%)やMetaのMuse Spark 1.3(75.4%)にわずかに及ばない結果も報告されています。
言い換えれば、「総合力ならGPT-6 Astra、コーディングだけなら僅差で他モデルにも分がある」というのが、9月上旬時点の実測値が示す姿です。
Gemini 4 Proの噂は、この僅差の戦いにさらに強力な選手が加わるかもしれない、という段階の話だと捉えるのが実態に近いでしょう。
なぜ発売前からリークが相次ぐのか?
Googleは9月2日にGemini 3.8 Flashを投入したばかりで、これは当メディアでも「もはや季節じゃなく週単位」と紹介した通り、わずか3週間での更新でした。
その裏で「Gemini 3.5 Proは棚上げし、Gemini 4シリーズに集中する」という方針転換も報じられています。
開発ペースが週単位にまで加速している以上、社内テストの数値が外部に漏れる機会そのものが増えているとも考えられます。
こうした見立てを裏付けるように、9月5日にはリーク系アカウント「Pankaj Kumar」氏も、Googleが次期Proモデルの最初のチェックポイントをリリースした段階であり、一般公開は来月(10月)になる見通しだと投稿しています。
Gemini 4 Pro Leaks
— Pankaj Kumar (@pankajkumar_dev) 2026年9月5日
– Google released its first checkpoint for the upcoming Pro model. Expecting a public release next month (October), while a new Flash-Lite + updated NB2Lite could come this month (September).
– This could be Gemini 4 Pro, as Gemini 3.5 Pro was reportedly… pic.twitter.com/1kfbikd5bP
つまり今回のリークは、完成品の性能ではなく、開発途中の一時点のスナップショットに過ぎません。
今からAIコーディングツールを選ぶなら、待つべきか?
「AI導入」を検討している開発者やチームにとって、これは実務的な問いです。
結論から言えば、1カ月先の未確定な噂のために今の業務を止める理由にはなりません。
Claude Fable 5.1・GPT-6 Astraはすでに公開され、実測値も出そろっています。
用途がはっきりしているなら、噂の段階のモデルを待つよりも、今出ている選択肢の中から使い分ける方が現実的です。
逆に「どうせ数週間で入れ替わる」という前提を持っておくと、1つのツールに囲い込まれるリスクを避けやすくなります。
Shiritomo編集部の考察:ベンチマーク競争の「賞味期限」は数週間
この数カ月の動きを見ていると、コーディング性能の首位は指標ごとに入れ替わり続けており、「どのモデルが一番か」という問い自体の賞味期限がどんどん短くなっています。
Gemini 3.8 Flashの投入からわずか3週間でGemini 4 Proのリークが出てきたことがそれを象徴しています。
SNS上でリーク情報が伸びやすいのも、この更新速度の速さと無関係ではないでしょう。
確定していない情報ほど「先に知りたい」という欲求を刺激し、拡散されやすいためです。
ツールを選ぶ側としては、単発のベンチマーク数値に一喜一憂するより、「自分の業務でどのモデルが実際に速く・安く・正確に動くか」を定期的に検証し直す運用のほうが、結果的に振り回されずに済みます。
次に大きな指標が動くのは、Gemini 4 Proが正式に公開される10月前後になりそうです。
まとめ
Gemini 4 Proの「Claude超え」はまだリーク段階の噂であり、確定した事実ではありません。
今出ている実測値では、コーディング性能の首位は僅差で入れ替わり続けているというのが実態です。
