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「Simejiは盗聴している?」百度製キーボードアプリへの疑惑、7万件近いいいねで拡散

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月11日 更新
「Simejiは盗聴している?」百度製キーボードアプリへの疑惑、7万件近いいいねで拡散

「充電の減りが異様に早い」「音楽を聴きながらSimejiを開いたら音が止まる」「Bluetoothで音楽を聴きながら開くと音が小さくなる」。
2026年7月9日に投稿されたこの3行の箇条書きが、1日足らずで6万9000件以上のいいねと1800万インプレッションを集めました。

投稿したのは@lw_yxrpさん。
日本語入力アプリ「Simeji」(しめじ:中国・百度=Baiduが開発するiOS/Android向けキーボードアプリ)を使っていて感じた違和感を、具体的な症状として並べた形です。
実はこの投稿の前日にも、同じユーザーが「なんかSimejiってもしかしてずっと盗聴してる?」と投げかけており、こちらもすでに1万6000件超のいいねを獲得していました。
2つの投稿が連続して拡散したことで、「Simeji=盗聴アプリなのでは」という疑惑が一気に広がった格好です。

「充電が早く減る」「音が止まる」から始まった疑惑

きっかけは、7月8日深夜に投稿された素朴な疑問でした。

この最初の疑問提起に反応が集まったところに、翌日さらに具体的な症状を並べた投稿が続きました。

この投稿には、Simejiの開発元が中国企業の百度である点を指摘するリプライや、「過去にも情報漏えい問題があったはず」という指摘、さらに「マイクの権限をオフにしたら症状がおさまった」という体験談も多数寄せられました。
「常時起動しているアプリが実は音を拾っているのでは」という不安は、バッテリー消費や音楽再生への干渉という“体感できる異変”と結びついたことで、一気に説得力を持って広がりました

iOSの仕様上、キーボードアプリはマイクを常時使えない

まず技術的な前提を確認しておきます。
iOSのキーボード拡張機能(アプリの一部としてキーボードだけを差し替える仕組み)は、iOS 8が登場した2014年以降、マイクへのアクセスができない設計になっています。
ユーザーがマイクが使われていることに気づけない状況を防ぐため、Appleがアプリ拡張全般にこの制限をかけているとされています。
つまり仕組み上、Simejiが裏側で常時マイクを使って盗聴し続けることは想定しづらい、というのがazooKey(オープンソースの日本語入力キーボードアプリ)開発者ら、iOS開発に詳しい人たちの指摘でした。

では「音楽が止まる」現象は何が原因でしょうか。
iOSアプリが音声入力機能を有効にすると、AVAudioSession(アプリの音声入出力を管理する仕組み)が起動し、他アプリのバックグラウンド再生が一時停止する挙動が標準的に発生します。
Simejiには音声入力ボタンがあるため、キーボードを開いた際にこのオーディオセッションが立ち上がり、音楽が止まったり小さくなったりしている可能性が考えられます。
バッテリー消費も、常時起動アプリのバックグラウンド処理が原因になり得ると言われており、盗聴以外の説明が十分に成り立つ状況です。

一方で、百度と情報漏えいという組み合わせには前例があります。
2013年12月、百度のBaidu IMEおよびSimejiが、ユーザーの同意の有無にかかわらず端末固有のUUIDや利用アプリ名などを無断で外部送信していたことが報じられました。
個人を特定する情報そのものではないとされていますが、規約に反した送信が実際に起きていたのは事実です。
百度は翌日、不具合を修正しクラウド変換機能を既定でオフにしたバージョンをリリースしています。
今回の疑惑とは性質が異なる事案ですが、過去に一度、無断でのデータ送信が実際に起きていたという事実が、今回の疑惑への警戒感を強める土台になっていると考えられます。

なお、Simejiの公式プライバシーポリシーでは音声入力時に音声データや変換結果の文字列を取得すると明記されており、収集範囲は設定側である程度コントロールできるとされています。
マイク権限をオフにして症状が改善したという報告も、権限自体はキーボード拡張のマイク利用に直結しないため、音声入力機能が無効化されオーディオセッションの起動が減った結果である可能性が高そうです。

さらに深掘りしたい方へ

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Shiritomo編集部の考察

今回の拡散構造で注目したいのは、疑惑提起の投稿(1.6万いいね)よりも、翌日の「具体的症状の箇条書き」投稿(6.9万いいね)の方が4倍以上伸びている点です。
抽象的な疑問より、読者が「自分のスマホでも同じことが起きているか」をその場で確認できるチェックリスト形式の方が、圧倒的に拡散力を持つことがわかります。
SNS担当者にとっては、疑惑や不安を扱うコンテンツでも、感情的な訴えより「自分ごと化できる具体項目」を並べる構成の方がエンゲージメントを取りやすいという示唆になりそうです。
また、過去の実際のインシデント(2013年の無断送信問題)が10年以上経った今も引用され続けている点は、一度崩れた信頼は技術的な反証だけでは簡単に回復しないことを改めて示していると言えるでしょう。

まとめ

Simejiの「盗聴疑惑」は、iOSの仕様上マイクを常時使うことが難しいという技術的な説明で一定の説明がつく一方、過去の百度による無断データ送信という実際の前例が不安を後押ししている構図が見えてきました。
仕組みへの理解と過去の実績、両方を踏まえて冷静に受け止める必要がありそうです。