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「お金の意味がなくなる」——イーロン・マスク氏が語った2036年、その根拠と反論

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月27日 更新
「お金の意味がなくなる」——イーロン・マスク氏が語った2036年、その根拠と反論

「政府はただ小切手を発行すればいい」。

7月23日に公開された英エコノミスト誌のインタビューで、イーロン・マスク氏はこう言い切りました。
AIとロボットが人間の仕事をすべて代替する時代が来れば、2036年までにお金そのものが意味を持たなくなる——。
90分近くに及ぶこの対談は、AIの未来を語る文脈を超えて、経済のあり方そのものを問う内容になっています。
AIやSNSを仕事にしている人にとっても、「AIが社会をどう変えるか」という大きな見取り図として押さえておく価値のある話です。

先に結論をまとめると:
– マスク氏は2036年までにAIとロボットが「消費しきれないほどの豊かさ」を生み、お金が無意味になると予測
– 対策として「ユニバーサル・ハイ・インカム」という、政府が現金を直接配る仕組みを提案
– エコノミスト誌の記者や経済学者からは、インフレや希少資源の観点で反論が出ている

何が話されたのか

マスク氏の主張はこうです。
AIは5年以内に人間の知能を上回り、10年以内には人間が世界を「主導」する立場でなくなる。
その先には、ロボットとAIが人間の消費量を超える量のモノやサービスを作り出す「豊かさの時代」がやってくる、というシナリオです。

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需要を上回る供給が続けば物価は上がるどころか下がる、つまりインフレではなくデフレが起きる、というのがマスク氏の理屈です。
そのうえで「政府が国民に小切手を配ればいい」というユニバーサル・ハイ・インカム構想を語りました。
ただ、この主張には早速異論も出ています。
次はその中身を見ていきます。

デフレ論は本当に成り立つのか?

エコノミスト誌側からは、政府が現金を配れば需要が増え、インフレになるのではという指摘が入りました。
これに対しマスク氏は、供給量がそれを上回るスピードで増え続けるため、現金を刷ってもむしろデフレになると反論しています。
ロボットが生産の主役になれば人件費という制約が外れ、モノの値段は下がり続けるという理屈です。

「豊かさ」があっても希少なものは残らないか?

一方で、米経済研究機関などからは別の角度の反論が出ています。
ロボットが量産できるのは工業製品であって、特定の景色が見える土地、名門校の席、人気者の時間といった「数を増やせないもの」は豊かになっても希少なままだという指摘です。
お金、あるいはそれに代わる何かが、そうした希少な対象を配分する役割を持ち続ける限り、「お金が完全に無意味になる」とは言い切れない、という立場です。

英語圏でも懐疑的な声は目立ちました。

Musk says money won’t matter by 2036 and we will just be able to print cash to offset job losses from AI, so then wtf was the point of DOGE and freaking out about spending?
(訳:マスク氏はAIによる失業を穴埋めするためにただお金を刷ればいいと言っているが、それならDOGE〈政府効率化省〉で歳出を切り詰めていたのは何だったのか)

政府支出の削減を訴えてきた立場との整合性を突くこの指摘は、マスク氏の過去の発言との矛盾を鋭く突いています。

Shiritomo編集部の考察:予測を「タイムライン」で受け止める危うさ

マスク氏の未来予測は、これまでも実現時期がずれ込むことが多く、2036年という数字自体を鵜呑みにする必要はありません。
ただ、SNSやAI活用の現場にいる人間として注目すべきは、「AIが生産性を上げた分の恩恵を、誰がどう受け取るか」という論点そのものです。
ユニバーサル・ハイ・インカムのような分配の仕組みは、AIによる自動化が進むほど現実の政策論議に上がってくるテーマになります。
派手な数字に反応するより、その裏にある分配構造の議論を追っておく方が、長い目で見て役に立つはずです。

SNS上での受け止められ方にも注目したいところです。
マスク氏の発言はいつも賛否を巻き起こしますが、今回は「未来が楽しみ」という好意的な反応と、「また大げさな予言か」という冷めた反応がほぼ同じ熱量で並んでいました。
この温度差そのものが、AIの経済的インパクトに対する社会の不安と期待を映す鏡になっているとも言えるでしょう。

まとめ

マスク氏の「2036年にお金が無意味になる」という予測は、AIによる豊かさとデフレ論に基づくものですが、希少資源やインフレ論の観点から反論も相次いでいます。

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