ASUSスマホ「事実上の終幕へ」、Zenfone 12 Ultra台湾で在庫切れ――次はPC・ロボットへ
台湾の大手量販店の棚から、ASUSのスマートフォンが消えつつあります。
10月26日、台湾のスマートフォン専門媒体SOGI手機王が、ASUS「Zenfone 12 Ultra」の流通在庫が尽き、販売終了の段階に入ったと報じました。
SIMフリースマホの先駆けとして日本でも親しまれてきたASUSのスマホ事業が、静かに終わりを迎えようとしています。
スマホ選びでASUSを候補に入れてきた人や、今まさにZenfoneを使っている人にとっては、見過ごせない動きです。
先に結論をまとめると:
– Zenfone 12 Ultraが台湾の販売店で在庫切れ、事実上の販売終了段階に
– ASUSは2026年年初から新型スマホの投入を停止しており、ROG Phone 9とZenfone 12 Ultraが最後の主力機に
– 今後はPCや「フィジカルAI」(ロボット・スマートグラス)領域に注力する方針
Zenfone 12 Ultraが在庫切れ、「事実上の終幕」
ASUSファンブログ「ゼンブログ」(@ASUS_ZenBlog)の投稿がこの動きをまとめています。
ASUSスマホ、事実上の終幕へ。
— ゼンブログ (@ASUS_ZenBlog) 2026年10月26日
▪️Zenfone 12 Ultraは流通在庫が尽き、販売終了段階に
▪️ASUSは年初に新型スマホの追加投入を停止
▪️ROG Phone 9/Zenfone 12 Ultraが、現行ラインの最後の代表機に
▪️今後はPC、フィジカルAI、ロボット、スマートグラスへ注力… pic.twitter.com/3BgcMROeSN
投稿にある通り、ASUSは2026年の年初にすでに新型スマホの追加投入を停止すると表明していました。
つまり今回の在庫切れは唐突な出来事ではなく、半年以上前から予告されていた流れの一つの区切りです。
ROG Phone 9(2024年11月発表)とZenfone 12 Ultra(2025年2月発表、同年5月に日本発売)が、現行ラインの最後の代表機として残る形になります。
ただ、「新型を出さない」という方針表明と、「実際に店頭から消える」という現実の間には、まだ距離があるはずです。
なぜASUSはこのタイミングでスマホから距離を置くのか、公式の説明を調べてみました。
調べて分かったこと
なぜASUSはスマホ事業から退くのか
ASUSの経営陣は、研究開発の資源を「業界のパラダイムシフト」と見る領域へ振り向けるためだと説明しています。
具体的には、PCに加えて「フィジカルAI」と呼ぶ分野、すなわちロボット(AI Robot & Robotics)とスマートグラス(AI Glasses)の2つに力を入れる方針です。
スマホ市場はすでに大手数社による寡占が進み、部品コストの上昇も重なって、中堅メーカーが独自色を出しにくい構造になっています。
ASUSが次の主戦場として選んだのが、まだ勝者の定まっていないロボットとスマートグラスだった、というのが今回の決定の構図です。
なお、後継として試作が進められていたとされる「ROG Phone 10」も、開発が打ち切られたと伝えられています。
既存ユーザーのスマホはどうなるのか
ASUSは、既存のスマホユーザーへのサポートは今後も継続する方針を示しています。
ソフトウェアアップデートの提供は続けるとしており、手元のROG PhoneやZenfoneがすぐに使えなくなるわけではありません。
ただし、新しい端末ラインナップが用意されない以上、次に買い替える際の選択肢からASUSのスマホは外れることになります。
日本でのASUSスマホの歩み
ASUSが日本のSIMフリースマホ市場に参入したのは2014年、「ZenFone 5」の発売がきっかけでした。
当時はまだSIMフリー端末という選択肢自体が珍しく、キャリア契約に縛られない安価で高性能な端末として注目を集めました。
その後もZenFone 2・3シリーズを経て、2021年以降は小型ボディに最上位チップを積む「コンパクトハイエンド」路線のZenfone 8・9・10を国内投入し、小さなスマホを求める層から根強い支持を得てきました。
10年あまりにわたって日本のSIMフリー市場を牽引してきたブランドの一つが、今回の動きで実質的に新作を出さなくなることになります。
Shiritomo GADGET編集部の考察
ASUSのスマホ撤退は、「スマホに注力しない」という単純な縮小ではなく、「どこに張るか」を選び直した結果に見えます。
PC事業ですでに世界有数のシェアを持つASUSにとって、スマホは数ある事業の一つに過ぎません。
利益率の低いハイエンド機で大手と消耗戦を続けるより、まだ評価軸が定まっていないロボットやスマートグラスに資源を寄せる方が、ブランドとしての独自性を打ち出しやすいという判断があったのではないでしょうか。
一方で、SIMフリー黎明期から日本のユーザーを支えてきたブランドが一つ静かに後退することは、選択肢の多様性という点では痛手です。
コンパクトハイエンド路線を10年近く続けてきたブランドだけに、スマホ以外の形でそのユーザー層にどう向き合うのか、ASUSの次の一手が注目されます。
まとめ
ASUSのスマートフォン事業は、Zenfone 12 Ultraの在庫切れをもって事実上の最終局面を迎えました。
2026年年初からの新型投入停止という既定路線の延長ですが、今後はPCとロボット・スマートグラスへ軸足を移すことになります。
既存ユーザーへのソフトウェアサポートは継続される見込みです。
さらに深掘りしたい方へ
ASUSのスマホ事業の経緯はすまほん!!、海外での報道はTechAdvisorでも詳しく報じられています。