final「ZE300 for ASMR」発売、ASMRイヤホンが7,980円から――片側4gの軽量設計
片側わずか約4g。
指先に乗せても重さをほとんど感じないサイズのワイヤレスイヤホンが、11月4日に発売されました。
囁き声や耳かきの音だけを聴くために作られた、ASMR専用のイヤホンです。
普段使っている音楽用イヤホンで「ASMR」を聴いている人は多いと思いますが、オーディオメーカーのfinalは「それでは本来の心地よさを十分に引き出せていない」という立場で、専用設計のイヤホンを作り続けています。
今回の新作は、そのシリーズの中でもいちばん手に取りやすい価格帯に位置する1台です。
先に結論をまとめると:
– finalが11月4日、ASMR専用の完全ワイヤレスイヤホン「ZE300 for ASMR」と「ZE300 for ASMR 3D」を発売。
価格は7,980円・8,980円(税込)
– 重さは片側約4gで、連続再生5.5時間・充電ケース併用で16.5時間。
ASMR向けに穏やかなノイズキャンセリングを搭載
– 誤操作を防ぐ「ASMRモード」をタップ操作で切り替えられ、音楽用イヤホンでは味わえない微細な音の再現を狙った製品
何が起きたのか
finalが発売したのは、「超近接」の音場を再現する「ZE300 for ASMR」(ミッドナイトネイビー、7,980円)と、「近接3D」の音場を再現する「ZE300 for ASMR 3D」(ラテ、8,980円)の2モデルです(いずれも税込・直販価格)。
どちらも完全ワイヤレス型で、重さは片側約4g。
連続再生は5.5時間、充電ケースを併用すると16.5時間まで使え、充電時間は約1.5時間です。
防水性能はIPX4で、汗や多少の水しぶきを気にせず使える設計になっています。
ノイズキャンセリングも搭載していますが、音楽用イヤホンのような「周囲の音を強く遮断する」タイプではありません。
耳への圧迫感を抑えながら、エアコンや換気扇のような生活音だけをやわらかく軽減し、囁き声や指先が触れるような微細な音に集中しやすくする、ASMR向けのチューニングです。
アンビエントモード(周囲の音を取り込むモード)やノイズキャンセリングOFFへの切り替えもできます。
さらに専用の「ASMRモード」を搭載しているのも特徴です。
イヤホン本体のタッチパネルを5回タップすると、通常の音楽用イヤホンに付き物の誤操作(タップしてしまって再生が止まる、ガイダンス音声が流れてしまうなど)を防ぐモードに切り替わります。
ASMRの世界に没入している最中に、意図しない操作音で現実に引き戻されることを避けるための工夫です。
調べて分かったこと
なぜ「ASMR専用」のイヤホンが必要なのか
finalは今回が初めてのASMR向け製品ではありません。
公式サイトによると、同社は以前「ZE3000 for ASMR」をクラウドファンディング形式で展開しており、受注生産という形で2026年の前半から出荷を続けてきました。
今回の「ZE300 for ASMR」シリーズは、その流れを引き継ぎつつ、クラウドファンディング限定ではない通常販売モデルとして、より手に取りやすい価格帯に仕立てた製品という位置づけになります。
なぜわざわざ専用設計が必要なのか。
音楽用イヤホンは、ボーカルや楽器の音を前面に押し出すようにチューニングされていることが多く、ASMRの音源にそのまま使うと、肝心の微細な音(囁き声や吐息、指先の擦れる音など)が埋もれてしまいやすいと言われています。
finalは公式サイトで、ASMR特有の感覚を「ティングル」と呼び、通常の音楽用イヤホンでは十分に引き出せないと説明しています。
音質だけでなく、誤操作防止のASMRモードや、耳への圧迫感を抑えた装着感まで含めて「専用設計」を名乗っているのが、今回の製品の特徴です。
ASMRイヤホンは寝ながら使えるのか
ASMRは就寝前に聴く人も多く、「寝ながら使えるか」は気になるところだと思います。
この点について、公式発表では「寝る用途に最適化した」という明確な記載はされていません。
防水性能のIPX4は汗や水しぶきへの耐性を示すものであり、就寝時の安全性を保証するものではない点は留意が必要です。
重さが片側約4gと軽量である点、連続再生5.5時間という電池持ちから、就寝前の一定時間の利用には向いていると考えられますが、どのような体勢・時間での使用が推奨されるかについて、現時点で公式が明言していない部分は「明言されていない」とそのまま理解しておくのが安全でしょう。
Shiritomo GADGET編集部の考察:ニッチ特化は価格を下げてから広がる
今回の製品で面白いのは、finalが「ASMR専用」という狭いニッチをクラウドファンディングで先行実験し、反応を見たうえで、通常販売モデルを7,980円からという現実的な価格に落とし込んできた流れです。
クラウドファンディング型の製品は、物好きな初期層には届きやすい一方、価格や受注生産という仕組みそのものが新規層には高いハードルになります。
それを量産前提の通常モデルに落とし込むタイミングで、価格を下げ、購入のハードルを一段下げてくる——これはガジェット業界でニッチ需要を広げる際の典型的な動きのひとつです。
ASMR市場自体、音楽配信やVTuberの活動を通じて裾野が広がっている分野です。
今後は「専用イヤホン」というジャンルそのものが、ヘッドホン専門店の店頭だけでなく、一般的な家電量販店の売り場にも並ぶようになるかどうかが、この市場が本当にニッチを超えて広がったかどうかの目印になりそうです。
まとめ
finalの「ZE300 for ASMR」シリーズは、ASMR専用という狭い用途に振り切った設計を、7,980円からという手に取りやすい価格で実現した製品です。
音楽用イヤホンとの違いを知っておくと、購入を検討する際の判断材料になるはずです。
この記事で取り上げた製品
final ZE300 for ASMR
final ZE300 for ASMR 3D
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さらに深掘りしたい方へ
「ZE300 for ASMR」シリーズの詳細や購入は、final公式サイトの製品ページで確認できます。
製品の開発背景や「ティングル」についての解説は、finalの公式ブログ記事にまとまっています。
