「*#06#」でIMEI表示、スマホ紛失時の裏技は本当に警察の手がかりになるのか

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月31日 更新
「*#06#」でIMEI表示、スマホ紛失時の裏技は本当に警察の手がかりになるのか

「*#06#」。
電話アプリのダイヤル画面にこの7文字を打ち込むだけで、スマホの奥に隠れた15桁の番号が画面に浮かび上がります。
7月30日朝に投稿されたこの裏技紹介は、公開から半日足らずでインプレッション162万・いいね1万5,000件を超えました。
スマホをなくした経験がある人、あるいは「もし今なくしたら」と考えたことがある人にとって、この番号が実際どこまで頼りになるのかは気になるところです。

この記事では、表示される番号の正体と、警察に届け出ることで何が起きるのか、そして引用ツイートで指摘された「語弊」の中身を、一次情報で確かめていきます。

先に結論をまとめると:
– 「*#06#」で表示されるIMEI(国際移動体装置識別番号:端末1台ごとに割り当てられた15桁の識別コード)は、iPhone・Android問わずほぼすべての機種で確認できる
– 警察へのIMEI届出は「見つかったときに持ち主へつなぐ」ための備えであり、GPSのように今どこにあるかを探し出す機能ではない
– 本当に居場所を知りたい場合は、iPhoneの「探す」やAndroidの「デバイスを探す」といった位置情報アプリとの併用が欠かせない

朝の投稿が半日で162万回表示された理由

投稿したのは田草川さん(@Nicotama222)。
「スマホを落とした時の裏技を伝授します」という一文から始まり、「*#06#」を通話アプリに入力すると個体識別番号が表示されること、その番号を警察に伝えると探す助けになることが紹介されています。

投稿は187件の引用ツイートを含む形で拡散し、「今すぐスクショした」「財布にメモを入れた」といった反応が相次ぎました。
ただ、拡散の中には「IMEIだけで探せるは語弊がある」という実務経験者らしき指摘も含まれています。
この番号を控えることと、実際にスマホが戻ってくることの間には、思っているより距離があるのかもしれません
まずは番号そのものの正体から確認していきます。

調べて分かったこと

「*#06#」で本当にIMEIが表示されるのか?

Android公式のヘルプ記事によると、電話アプリで「*#06#」と入力すると「デバイス情報が表示されます」と明記されており、この操作でIMEIを確認できることは公式にも案内されています。
IMEIはGSMA(携帯電話業界の国際団体)が管理する15桁の番号で、端末の製造元・型番・製造番号を含む、いわば端末ごとの「背番号」です。
iPhoneの場合も同じ操作でIMEIが表示されるほか、「設定」>「一般」>「情報」からも確認できます。
手元に端末がなくても、Googleの「デバイスを探す」やApple IDの管理画面から遠隔で確認する方法も用意されています。

警察に届け出ると、スマホは本当に戻ってくるのか?

警視庁の案内ページによれば、遺失届(落とし物の届出)は「なくしたことを証明するもの」ではなく、届け出た内容と一致する物が警察に届けられた際に、持ち主へ連絡してもらうための仕組みだと説明されています。
携帯電話は住所や連絡先などの電磁的記録を含む特殊な遺失物として扱われ、届出時にはIMEIや製造番号、通信事業者からの受理番号の記入が求められます。
つまりIMEIの役割は、警察が街中を探し回るための手がかりというより、後日どこかで発見・保管された端末が「自分のものだ」と証明し、事業者経由で連絡を受け取るための照合情報という位置づけです。

X上でも同様の理解を示す投稿が見られました。
「困る前の備えの方法」として、番号をスクリーンショットで保存しグーグルドライブなどに残しておくと、紛失時に警察へ届け出ることで「回収率が上がるらしい」と紹介されています。

この投稿にある「らしい」という言い回しの通り、IMEI届出によって発見率がどこまで上がるかを定量的に示す公的データは見当たらず、断定はできません。
あくまで「見つかったときに気づいてもらいやすくなる備え」と捉えるのが実態に近そうです。

「IMEIだけで探せるは語弊がある」という指摘は正しいのか?

引用ツイートの中には、携帯電話販売の実務経験をうかがわせるアカウントから、こんな指摘もありました。

この指摘は妥当だと考えられます。
IMEIはあくまで端末を識別するための番号で、GPSのような位置情報を持っているわけではありません。
個人情報とも直接ひも付いていないため、番号単体から今どこにあるかを割り出すことはできず、位置を特定するには通信事業者が保有する通信記録と、裁判所の令状などに基づく法的な開示手続きが必要になります。
一方で、盗難や紛失の届出を通信事業者に行うと、その端末がネットワークに接続できなくなる「ネットワーク利用制限」がかかる場合があります。
これは端末を「探す」のではなく「使えなくする」ための仕組みで、IMEIが果たす実際の役割はこちらに近いといえそうです。

iPhoneの「探す」・Androidの「デバイスを探す」とは何が違うのか?

位置を今すぐ知りたい場合に頼りになるのは、iPhoneの「探す」やAndroidの「デバイスを探す」です。
これらはGPSやWi-Fi、Bluetoothなどの情報をもとにリアルタイムに近い位置を地図上に表示する機能で、IMEIとは仕組みがまったく異なります。
整理すると、「探す」機能は今この瞬間の居場所を知るための道具、IMEI+警察届出は端末が発見されたときに持ち主へつなぐための備えという役割分担です。
どちらか一方ではなく、両方をセットで備えておくことが、紛失時の対応力を高めることにつながりそうです。

Shiritomo GADGET編集部の考察

今回の拡散を見ていて興味深いのは、「*#06#」というコマンドが、スマートフォン以前のフィーチャーフォン時代から存在する古い仕様だという点です。
端末の進化に合わせて設定アプリからも確認できるようになった今も、この隠しコマンドが繰り返しバズる背景には、多くの人が自分の端末のIMEIを普段まったく意識していない実情があるように見えます。
もう一つ気になるのは、ネットワーク利用制限の運用が国内キャリアごとに異なる点です。
ドコモは2015年、ソフトバンクは2022年に盗難・紛失を理由とする制限の対象を縮小・撤廃しており、IMEIを控えても自動的に端末が使えなくなるわけではありません。
ユーザーが自分で通信事業者に連絡して初めて制限がかかる仕組みは、紛失直後の混乱した状態ではハードルになりえます。
「探す」アプリの通知画面から、IMEI控え・警察届出・キャリア連絡までを一本化して案内するUIがあれば、この裏技の価値はもっと実用的なものになるのではないでしょうか。

まとめ

「*#06#」で表示されるIMEIは本物の端末識別番号で、iPhone・Androidどちらでも確認できます。
ただし警察への届出は発見時に持ち主へつなぐための備えであり、位置を探す機能ではありません。
IMEIの控えと「探す」アプリの活用、この両方をセットにしておくことが、いざというときの現実的な備えになりそうです。

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