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「うへぇ〜」——シャドウバン対策のはずの”二段階リプ”、Xの新基準で刺された理由

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年9月6日 更新
「うへぇ〜」——シャドウバン対策のはずの”二段階リプ”、Xの新基準で刺された理由

9月4日、Xの推奨アルゴリズムを収めたGitHubリポジトリ「xai-org/x-algorithm」に、告知なく7つのファイルが追加されました。
中身は、自分のリプライに自分でさらに返信を重ねる投稿——いわゆる「追いリプ」を検知する新しいフィルターです。

これを見つけたXユーザーの反応が「うへぇ〜」でした。
理由は単純な戸惑いではありません。
この投稿主は、以前は逆に「シャドウバン対策として勧められていた手法」が、今回のフィルターの標的そのものだったことに気づいたのです。

SNS運用を担当している方にとっては、投稿の見せ方だけでなく「投稿の重ね方」自体がスコアに影響するという話です。
編集部で一次情報を確認し、何が変わったのかを整理しました。

先に結論をまとめると:
– Xは9月4日、告知なしにリプライの連投を検知する新フィルターをアルゴリズムへ追加した
– 対象になるのは「フォロワー1,000人以上のアカウントが起点になったスレッドで、自分の返信にさらに自分で返信を重ねる」投稿
– 判定基準そのもの(LLMへの指示文)は非公開で、外部からは”何が引っかかるか”を正確には把握できない

何が起きたのか

きっかけは、Xの推奨アルゴリズムの公開コードを追っていた人たちが、9月4日付で追加された新しいファイル群に気づいたことでした。
ファイルの名前から、複数回に分けて自分の投稿へ返信を重ねる行為——いわゆる「追いリプ」を対象にした仕組みだとわかります。

Xのタイムラインには、この話を見て困惑する声が広がりました。

「普通の会話でもやりがちな動き」という指摘のとおりです。
誤字を直すために2つ目の投稿を足したり、話が長くなって文章を分けたりする行為は、多くの人が日常的にやっています。
それが急にスパム判定の対象になり得ると聞けば、身構えたくなるのも無理はありません。

ただ、この話には一つ見落とされがちな注意点があります。
「フォロワー1,000人以上」という数字が、誰のフォロワー数を指しているのかという点です。

調べて分かったこと

なぜ「二段階リプ」が突然狙われたのか

X上では、今回の話をこう受け止めた人もいました。

これは「二段階リプ」と呼ばれるテクニックについての反応です。
Xでは以前から、1つの投稿に長い文章を収めようとすると表示が抑えられやすいという傾向が知られていました。
その回避策として「本文を短く切って、自分のリプライにさらにリプライで続きを書く」方法が広まっていたのです。
つまり、これまで表示を守るための工夫だったやり方が、今回のフィルターでは検知対象そのものになったということです。
対策として広まっていた手法が、そのまま新しい規制の的になった格好で、戸惑いの声が出るのも自然な流れでした。

本当の対象は「返信相手」なのか「スレッドの起点」なのか

今回のニュースで「フォロワー1,000人以上のアカウントへの追いリプ」という言い方が広まったことで、こんな疑問を持った人もいます。

技術系メディアのinnovaTopiaが公開コードを解析した記事によると、条件は「スレッドの起点となった投稿の投稿者のフォロワー数が1,000人以上であること」だそうです。
つまり、注目されているのは”返信した相手”のフォロワー数というより、その会話のきっかけになった投稿の持ち主のフォロワー数という整理になります。
多くの場合は同じ人物を指すことになりますが、誰かの人気投稿にたくさんの人が返信をつけているような場面では、この違いが判定に影響する可能性があります。

なお、判定に使われているとみられるLLM(大規模言語モデル:AIに文章を大量生成させる技術)への指示文ファイルは、リポジトリに含まれていませんでした。
何が「アウト」で何が「セーフ」かの線引きは、外部からは正確にはわからない状態です。

誤字修正や写真クレジットのための追いリプも巻き込まれるのか

実務上、追いリプは荒らし目的だけでなく、素材のクレジット表記など正当な理由で使われることもあります。

創作物を投稿する人にとっては、素材のクレジットを追いリプで補足するのはよくある運用です。
今回のフィルターが「行為の形」だけを見ているのだとすれば、意図に関係なく検知対象になり得るという不安が出てくるのも当然でしょう。
現時点で公式の説明がない以上、「絶対に大丈夫」とは言い切れない状態です。

今からできる回避策はあるのか

条件を整理すると、避けやすい工夫も見えてきます。

この投稿が示すとおり、自分の返信に自分でさらに返信を重ねる形を避け、相手からの反応を挟んでからやり取りを続けるだけでも構造は変わります。
実務的な対応も考えられます。
誤字の修正は新しい投稿を足すのではなく編集機能を使う、文章が長くなる場合はX Premiumの文字数拡張機能で1つの投稿にまとめる、といった工夫です。
ただし「絶対に検知を避けられる」という保証ではなく、あくまで構造上のリスクを下げる工夫にとどまります。

Shiritomo編集部の考察

今回の件で運用担当者が持ち帰るべきは、個別の回避テクニックではないと考えます。
むしろ「表示対策として広まった手法が、次のアルゴリズム更新で規制対象に変わることがある」という構造そのものです。
実際、二段階リプはついこの間まで”守りの手法”として共有されていました。
SNSのアルゴリズムは公開コードがあっても、判定基準の核(今回で言えばLLMへの指示文)は非公開であることが多いものです。
その日のベストプラクティスは、次の更新で無効になる前提で運用する姿勢が必要になりそうです。
1つの投稿の作り方に依存するより、日頃から編集機能や文字数拡張など複数の手段を使い分けておくことが、結果的にいちばんの保険になるのではないでしょうか。

まとめ

Xは9月4日、告知なくリプライの連投を検知する新フィルターをアルゴリズムに追加しました。
判定基準の核心は非公開のままです。
ただ、これまで表示対策として広まっていた「二段階リプ」がそのまま標的になり得るという構造は、SNS運用の現場で覚えておく価値がありそうです。

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