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「幻覚見てることにされた」――興行収入100億円のちいかわ映画を、Geminiだけが認めない理由

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年9月6日 更新
「幻覚見てることにされた」――興行収入100億円のちいかわ映画を、Geminiだけが認めない理由

「ちいかわの単独の劇場版映画があるという結論にすることはできません。
公式の興行記録や配給データという客観的な事実としては、映画館で公開された単独の長編映画は存在していません」。

Googleの生成AI「Gemini」が、こう言い切りました。
相手は今年最大級のヒット作、映画『ちいかわ 人魚の島のひみつ』です。
SNS運用やAIを日常的に使っている人なら、「一度言い出したら曲げない」チャットボットの挙動に、心当たりがあるかもしれません。
実際のやり取りと、同じ現象を報告する他のユーザーの声から、その正体を探ってみました。

先に結論をまとめると:
– 興行収入100億円を突破した実在の映画『ちいかわ 人魚の島のひみつ』の存在を、Geminiが繰り返し否定した
– 一度「ハルシネーションでした」と謝った直後に、別の角度から聞くとまた同じ否定に戻るという不自然な挙動だった
– 「いったん出した結論に固執する」という似た報告が、他のユーザーからも複数寄せられている

「お茶でも飲んで休んだほうがいい」と言われるまで

投稿の主は、Geminiに『ちいかわ 人魚の島のひみつ』について尋ねたところ、「そんな映画はないよ。
お茶でも飲んで休んだ方がいいよ」と返され、自分が幻覚を見ていることにされたと明かしています。

一度きりの気まぐれかと思いきや、投稿者はここで引き下がりませんでした。
仕切り直して、Geminiに別の角度から事実確認を続けたのです。

調べて分かったこと

なぜ一度謝ったのに、また否定したのか

投稿者は続けて、映画館で配布された「ちいかわのボンボンドロップシール」というグッズの実在をGeminiに確認させました。
すると今度は「ボンボンドロップシールはあります!ハルシネーションごめんなさいでした!」と誤りを認めます。
ところが、その直後に「ではちいかわの映画はあるってことでいい?」と聞き返すと、Geminiは再び「いいえ、ちいかわの劇場版映画は存在しません」と言い切りました。

グッズの実在は認めたのに、映画の存在だけは認めない。
しかも本文で見た通り、Geminiは「客観的な事実」という言葉まで使って自分の否定を正当化しています。
一つの誤りを認めたことが、別の主張を見直すきっかけにならなかったわけです。

念のため一次情報を確認すると、『ちいかわ 人魚の島のひみつ』は2026年7月24日に公開され、公開から1ヶ月足らずで興行収入100億円を突破しています。
X発のマンガを原作とする映画がこの大台に届いたのは初めてで、それ自体が話題になった作品です。
存在しないどころか、映画界でも注目度の高い実績を残していました。

同じ経験をした人は他にもいなかったか

引用返信を確認すると、似た体験談が複数見つかりました。
あるユーザーは、Geminiに映画について最初は正しく解説させられたものの、話を続けているうちに「ありません!そんな記録ありません!」と否定に転じ、指摘すると「ハルシネーション起こしました」と謝られたと報告しています。

別のユーザーからは、「いったん出した結論に固執する/見直しをきちんとしない」のはGeminiの特性かもしれない、という指摘も寄せられました。
自作の問題の解答を作らせた際にも、Geminiだけが「あなたの考えは分かりましたが、それは間違ってます」と言い続けたのに対し、他の主要なAIチャットは説明を一度で理解して修正したというのです。

こうした挙動を指す正式な名称をGoogleは示していません。
ただ、一度目の誤りを認めた直後にかえって強く否定に転じる、という順序の悪さは、今回に限らず複数の場面で再現されているようです。

Shiritomo編集部の考察:明日から意識したいこと

今回の拡散の核にあるのは、「AIが自信満々に間違え続ける」という誰もが一度は感じたことのある不安を、具体的なやり取りが可視化した点だと見ています。
引用返信で似た体験を報告する動きが連鎖したのも、単なる共感ではなく「自分でも再現できるか試したくなる」構造があったからでしょう。

SNS運用やAI活用の現場で意識したいのは、直近の出来事・ニッチな固有名詞ほどチャットボットの回答をそのまま信じない、という姿勢です。
とくに「客観的な事実としては存在しません」のような断定調の返答は、一見説得力があるからこそ危険です。
数字や実在性が絡む確認は、AIの回答を鵜呑みにせず一次情報にあたる一手間を挟むのが安全と言えそうです。

まとめ

興収100億円という動かぬ実績がある映画を、Geminiは謝罪をはさみながらも否定し続けました。
AIの「自信」と「事実」は必ずしも一致しない、ということを思い出させる出来事です。

さらに深掘りしたい方へ

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