AI活用事例 読了 6 分

ChatGPT Workが「あなたの言い回し」を覚える新機能、GmailとSlackを差し出してまで使う価値はあるか

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年9月8日 更新
ChatGPT Workが「あなたの言い回し」を覚える新機能、GmailとSlackを差し出してまで使う価値はあるか

「あなたの言い回しで書いておきました」——そう言われて渡された文章が、まさに自分の口癖そのものだったら、便利さより先に少し落ち着かない気持ちになるかもしれません。
OpenAIは9月7日、ChatGPT Work(資料作成やタスク処理など、仕事向けの一連の作業をまとめて任せられるChatGPTのモード)に「文章スタイル」という新機能を追加しました。
GmailやSlackなど、ふだん使っているツールを接続すると、そこに残っている自分の言葉づかいや句読点の打ち方をAIが読み取り、次に書く文章へ反映してくれる仕組みです。

毎回「もっとカジュアルに」「絵文字は使わないで」と指示を打ち直している人にとっては、その手間が減る話です。
同時に、ふだん送っているメールやチャットの中身をAIに読み込ませる話でもあります。
この記事では、何がどう変わるのか、そして接続する前に知っておきたいことを整理しました。

先に結論をまとめると:
– ChatGPT Workの「文章スタイル」機能は、Gmail・Google Drive・Slackなど接続したツールの文章から、よく使うフレーズや句読点の癖を学習し、以降の文章生成に反映する
– チャット欄に直接入力した内容は学習対象にならないと報じられているが、接続したツール内のデータがどこまで・どのくらいの期間参照されるかは公式に明記されていない
– 学習させたくない場合は、「パーソナライズ」設定から機能自体をオフにするか、接続したアプリを個別に解除することで対応できる

何が起きたのか

ITmedia NEWSやPC Watch、GIGAZINEといった日本のメディアが、発表からほぼ同日のうちにこの機能を速報で報じました。
見出しには「チャッピーが俺になる日」(PC Watch)のような言い回しも並び、AIが自分の分身のように書いてくれることへの驚きと関心の高さがうかがえます。
設定は「設定」→「パーソナライズ」→「文章スタイル」から行い、一度セットアップすればWeb版・モバイル版を問わずすべてのChatGPT Workのやり取りに適用されるとのことです。

日本語話者の反応としては、毎回トーンを指定し直す手間が省けることを歓迎する声が多く見られる一方、自分のメールやチャットの内容をAIに読み込ませることへの抵抗感を口にする人もいます
この「便利だけど、どこまで読ませていいのか」という感覚のズレこそが、この記事で深掘りしたいポイントです。
実際に何を学習し、何を学習しないのか、一次情報を確認していきます。

調べて分かったこと

何を学習して、どこに反映されるのか?

接続できるのは大きく3つのカテゴリーです。
メッセージ(Slack)、ドキュメント(Google Drive、海外の報道ではNotionも挙げられています)、メール(Gmail)。
日本のメディアはこれに加えてSharePointとの連携にも言及しており、企業向けのファイル共有サービスまで対象に含まれる可能性があります。

これらのツールを接続すると、ChatGPTは実際に書かれた文章からよく使うフレーズ・特有の締めの言葉・句読点の打ち方といった「クセ」を読み取ります。
そして次にChatGPT Workで文章を作成するとき、指示を細かく出さなくても、その人らしい言い回しを反映した下書きを作ってくれるという仕組みです。
海外メディアの報道では、大文字の使い方や語尾の傾向まで拾うと説明されています。

入力欄に打ち込んだ内容までは学習されないのか?

ここは誤解しやすいポイントです。
海外メディアの報道によれば、チャット欄に直接タイプした内容そのものは学習対象にならず、あくまで接続したアプリ内に既に存在する文章だけが参照されるとされています。
つまり「ChatGPTとの会話履歴」ではなく「Gmailに残っているメール」や「Slackの過去の投稿」が教材になるという整理です。

ただし、参照した文章がどのくらいの期間手元に保持されるのか、モデルの学習そのものに使われるのかどうかについては、今回確認した記事のいずれにも明確な記載がありませんでした。
OpenAIは「Lockdown Mode」のように、プロンプトインジェクションによるデータ流出を防ぐ目的のセキュリティ設定を用意したことはありますが、これはモデル改善への会話利用には影響しない別目的の仕組みであり、文章スタイル機能に学習範囲を制御できる項目が用意されるかどうかは、現時点では明らかになっていません。
この点は断定を避け、今後の公式発表を待つ必要がありそうです。

「ChatGPTに学習させない」設定はどうすればいいのか?

これまでのChatGPTでも、「設定」の「データコントロール」からモデル改善への利用をオフにできる項目がありました。
文章スタイル機能についても、仕組みはこれに近いと考えられます。
報道によれば、接続したアプリを個別に解除したい場合は「設定」→「アプリ」から行えるとされ、機能そのものを使いたくない場合は「パーソナライズ」→「文章スタイル」の画面からオフにする手順が用意されているようです。
「ChatGPT 学習させない」という検索は以前からよく行われていますが、この新機能についても同じ発想で、まず設定画面の2箇所を確認するのが近道になりそうです。

Shiritomo編集部の考察:チームで使うなら「声」の扱いを決めておきたい

個人のメールやチャットから文体を学ぶという設計は、あくまで「一人の書き手」を前提にしています。
しかしChatGPT Workは業務利用が主戦場のツールです。
同じアカウントを複数人で使い回している職場や、上司の言い回しを部下のドラフトに反映させるような使い方をすると、誰の「声」で書かれた文章なのかが曖昧になりかねません。
SNS運用やブログ執筆でAIを使うチームであれば、この機能をオンにする前に「誰の文章を学習源にするか」「最終チェックは誰が担うか」を先に決めておいたほうがよさそうです。
海外メディアはこの機能を、競合のAnthropicが提供する文体カスタマイズ機能よりも参照できる文章の幅が広いと位置づけて紹介していました。
ツール同士が「その人らしさの再現度」を競う流れは、今後さらに強まっていくと見ています。

まとめ

ChatGPT Workの「文章スタイル」機能は、毎回のトーン指定という地味な手間を確かに減らしてくれます。
ただしその裏側では、GmailやSlackに残る自分の言葉が教材として読み込まれる仕組みでもあり、便利さとデータの扱いはワンセットで検討する必要がありそうです
まずは自分がどこまで接続するか、設定画面を確認するところから始めるのがよいでしょう。

さらに深掘りしたい方へ

この機能についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。