「nice ガイな同期ってイメージ」──Cognitionの新AI「SWE-2」、フロンティア級を64%安く出した理由
「nice ガイな同期ってイメージです」。
自律型コーディングエージェント「Devin」を開発するCognition社の新モデルを試したエンジニアが、そう表現しました。
同社は9月10日、コーディングに特化した新モデル「SWE-2」を発表しました。
ベンチマークスコアはAnthropicの最上位モデル「Fable 5.1」にわずか1点差まで迫りながら、コストは64%安いといいます。
Claude CodeやCodexなど複数のAIコーディングツールを使い分けている開発者にとって、選択肢がまた一つ増えたことになりそうです。
先に結論をまとめると:
– CognitionがDevin向けの新コーディングモデル「SWE-2」を発表。
ベンチマーク「FrontierCode 1.1 Main」で50.0%を記録し、Fable 5.1(50.9%)に1点差まで肉薄
– 同等の性能に対してコストは64%安く、前モデルSWE-1.7と比べてもやり取りの回数・コストが大きく削減されている
– Devinプランなら1か月無料で利用可能。
日本の開発者からも「動作が速い」という早速の実践報告が相次いでいる
「爆速」という感想が、次々と投稿された
Cognitionの共同創業者・CEOであるScott Wu氏が、自ら新モデルの公開を発表しました。
SWE-2 is live! Really proud of the work our research team put into this one. Our first model where we're seeing performance comparable to the frontier.
— Scott Wu (@ScottWu46) 2026年9月10日
Making it free for the next month for anyone on a Devin plan – let us know what you think! https://t.co/YRnAAWEtu3 pic.twitter.com/ukAEKOAoAo
投稿では「最先端モデルに匹敵する性能を出せた、自分たちにとって初めてのモデル」と胸を張り、Devinプランの利用者向けに1か月間無料で提供することも明らかにしています。
これを受けて日本の開発者からも、公開直後から実際に触ってみた報告が相次ぎました。
とはいえ、これは開発者の第一印象に過ぎません。
実際のベンチマーク条件やコストの中身がどうなっているのか、確認してみました。
調べて分かったこと
本当にフロンティア級なのか?数字で見る
Cognitionの公式発表によると、コーディング能力を測る「FrontierCode 1.1 Main」というベンチマークでSWE-2は50.0%を記録しました。
ベースにした「Kimi K3」の44.2%から大きく伸び、Anthropicの「Fable 5.1」(50.9%)にわずか1点差、OpenAIの「GPT-6 Astra」(53.3%)にも接近するスコアです。
それでいてFable 5.1と同等の結果を、64%安いコストで出せているという点が、今回の発表の核心と言えます。
ほかにも「DeepSWE 1.1」というベンチマークで73.0%(Kimi K3は68.5%)、「Terminal-Bench 2.1」で92.8%(同88.3%)を記録しており、複数の指標で前モデルを上回りました。
前モデルのSWE-1.7との比較では、標準的な処理レベルで「やり取りの回数が58%減り、コストは平均81%削減された」ともされています。
実際にDevin CLIの画面を見せながら反応した投稿もありました。
SWE-2、Kimi-K3 の事後学習モデル。数日前からコード名の状態で触っていましたけど、「ベンチマークが高く出そうだな」と直感していました。実際かなり高く出ています。しかも、快速&低コスト。
— Kinopee (@kinopee_ai) 2026年9月10日
ついに、Cognition からも最先端の自社ブランドモデルがリリースされたことになります。 https://t.co/NfM4pfBoLm pic.twitter.com/GLeIXvNZps
投稿にある画像は、Devin CLIのモデル選択メニューを示したもので、SWE-2が「New」「Promotion」「Beta」の表示付きで並び、無料枠として消費されない「FREE」表示になっていることが分かります。
投稿者は「ベンチマークが高く出そうだと直感していたが、実際にかなり高く出ている。
しかも快速・低コスト」と評しており、公式発表の数字と実際の使用感が一致していることがうかがえます。
Claude CodeやCodexと何が違うのか?
SWE-2は、Devinというエージェント型ツールの「頭脳」にあたるモデルです。
ターミナルから直接呼び出して使うClaude CodeやCodexとは製品としての立ち位置が異なりますが、「どのAIコーディングツールを使うか」という悩みは開発者の間で継続的に語られているテーマです。
実際に手を動かした開発者の投稿も見つかりました。
SWE-2 が Cognitionからリリースされました!Devinから使えるよ!
— Kuu🍣 (@Fumiya_Kume) 2026年9月10日
来月まで無料!
実は数日前から試していました!
開発タスクを投げると丁寧に調査して、冷静に読みやすいコードを書いてくれてnice ガイな同期ってイメージです。
動作スピードが速くてサクサクしてて良い https://t.co/eUpvns333H
投稿では「開発タスクを投げると丁寧に調査して、冷静に読みやすいコードを書いてくれる」「動作スピードが速くてサクサク」という感想が述べられています。
Devin本体のCLI(コマンドライン操作画面)でも、モデル選択欄にSWE-2が「New」「Promotion」「Beta」の表示付きで並び、無料枠として消費されないことが確認できました。
既存のツールと比べてどちらが自分の開発スタイルに合うかは、今後実際に使い比べてみる価値がありそうです。
Shiritomo編集部の考察:エージェント企業が自社モデルを持つ意味
これまでDevinのようなAIコーディングエージェントは、OpenAIやAnthropicが公開する汎用モデルを裏側で呼び出す構成が主流でした。
今回Cognitionが自社ブランドのモデルを投入した背景には、用途を絞ることで汎用モデルより安く・速く動かせるという狙いがあると考えられます。
同社は同日、音声でDevinに指示を出せる新機能「Devin Voice」も発表しており、SWE-2はそちらの基盤にもなっています。
一つのモデルを複数の製品で使い回すことで開発コストを抑える動きは、今後ほかのAIエージェント企業にも広がっていくのではないでしょうか。
開発ツールを選ぶ立場からすると、「どの会社の汎用モデルを使っているか」だけでなく「専用モデルをどう鍛えているか」も比較の軸になっていきそうです。
まとめ
SWE-2は、Devinというエージェント製品向けに鍛えられた専用モデルとして、フロンティア級の性能を低コストで実現した点が特徴です。
Claude CodeやCodexとの使い分けを考えている開発者にとっても、比較検討の対象が一つ増えたことになります。
さらに深掘りしたい方へ
SWE-2のベンチマーク詳細や技術的な解説は、Cognition公式ブログで公開されています。

