M365 Copilotは「ポンコツ」だったのか——GPT-5搭載で急変した企業AIの今
「Copilotって、ぶっちゃけ微妙じゃないですか?」
1〜2年前、そんなセリフを何度聞いたか分かりません。
実際、Microsoft 365 Copilotがリリースされた当初は「使えない」「解約した」という声が相次ぎ、ITmedia の記事でも「ポンコツから企業必須ツールへ急変した理由」というタイトルで特集が組まれるほど、評価の振り幅が大きなツールでした。
でも最近、その空気がガラっと変わっています。
GPT-5搭載で「別物」と言われるほど変わった
2025年8月、MicrosoftはM365 CopilotにGPT-5を搭載しました。
さらに2025年12月にはGPT-5.2、2026年3月にはChatGPT-5.3 InstantとChatGPT-5.4 Thinkingが利用可能になっています。

公式発表によれば、GPT-5は重大な事実誤認を含む応答がGPT-4o比で44%減少し、性能面でも大幅な向上が見られるとされる。
このアップデートを境に、Copilot の評価が劇的に変わりました。
X(旧Twitter)では、Microsoft 365の公式アカウントがこのように発表しています。
◤Microsoft 365 Copilot のセレクターが進化◢
— Microsoft 365 (@MSOfficeJP) 2025年12月10日
GPT-5 がデフォルト モデルになり、全 3 つのモードから推論方法を選べるようになりました💡
《 モードはこちら 》
自動:デフォルト(GPT-5)
クイック応答:すぐに回答します
Think Deeper:より良い回答のために長く考えます
ぜひお試しください! pic.twitter.com/4duiW0wwhH
GPT-5がデフォルトモデルになり、「自動」「クイック応答」「Think Deeper」という3つの推論モードが選べるようになった——この変化を体感したユーザーから「別物になった」という声が相次ぎました。
大企業で「Copilotしか使えない」という現実
一方、企業現場では独特の事情もあります。
「大企業に入って驚いたこと——なぜかAIはCopilotしか使用許可がない」という投稿が5,000超のいいねを集めたのは記憶に新しいところ。

セキュリティやガバナンスの観点から、Microsoft 365 CopilotはエンタープライズのIT部門にとって「唯一認められたAI」になりやすい構造があります。
だからこそ、そのモデル品質の向上は、多くのビジネスパーソンにとって切実な意味を持ちます。
アクセンチュアは全世界74万3,000人の従業員にM365 Copilotを導入し、「ルーチンタスクが最大15倍速くなった」というデータを公表しています。
これはもはや”実験”の話ではなく、日常業務に組み込まれた現実です。
「胸を張って勧められる」に変わった理由
ITmedia が取り上げた座談会では、Microsoft MVPの専門家たちが「今は胸を張って勧められる」と語っています。
具体的に変わったのは何か。
まず、Edit with Copilotによる自然言語での文書編集が実用レベルに達しました。
WordやExcelで「この表をもっと見やすくして」「このメールをフォーマルな英文に変えて」といった指示が、ストレスなく通るようになっています。
次に、Researcher(調査エージェント)とCouncil(複数モデルの比較検討)といった新機能が加わり、単なる補助ツールから「考えるパートナー」への移行が進んでいます。
研究者の吉田大輝氏は、M365 CopilotのResearcherが大幅にアップグレードされた点について、「生成と評価を分離することでリサーチ品質を高める新しいマルチモデルアプローチ」と評価しています。
Microsoft 365 Copilot のResearcherが大幅にアップグレードしました。Critique は、生成と評価を分けることでリサーチ品質を高める新しいマルチモデル アプローチ、
— よしだたいき | 高卒で🇺🇸GAFAMエンジニア管理職 (@TaikiYoshidaJP) 2026年3月30日
Council はモデルごとの見解の一致点や違い、独自の洞察を比較しやすくします。…
さらに深掘りしたい方へ
- 本日より利用可能: Microsoft 365 Copilot に GPT-5 を搭載(Windows Blog for Japan)
- Available today: GPT-5.2 in Microsoft 365 Copilot(Microsoft 365 Blog)
- 【2026年最新】Microsoft 365 Copilotのセミナー8選(SHIFT AI TIMES)
まとめ
「ポンコツ」と呼ばれたM365 CopilotがGPT-5搭載を経て評価が激変したのは、モデルの進化が一線を超えたからです。
企業のAI導入において”唯一の選択肢”になりやすい構造を持つこのツールが本当に使えるようになった今、その恩恵が広がっていくのは必然かもしれません。
【訂正】(2026年8月21日)
公開当初の記述に誤りがありました(GPT-5はハルシネーションが従来比で約20%減少し、総合的な賢さはGPT-4比で37%向上(公式発表によれば))。
一次情報を確認したところOpenAI公式のGPT-5システムカードでは、ハルシネーション率(factual claimレベル)はGPT-4o比で26%減少、重大な事実誤認を含む応答はGPT-4o比で44%減少とされており、記事の『約20%減少』とは一致しない。
また『GPT-4比で総合的な賢さが37%向上』という具体的数値は、OpenAI公式発表・システムカードのいずれにも見当たらず出典不明。
記事が挙げる参考リンク(Windows Blog/Microsoft 365 Blogの各投稿)にもこれらの数値は記載されていない。
該当箇所を修正しています。
読者のみなさまにお詫びして訂正いたします。