「コピペせずスクショして」ChatGPTの助言どおり投稿したら8万いいね、その後の”種明かし”
「ya’ktk ǂ ○○○ ✊ Oŋ-ʁara ⌣ △ⅹκ⊝æ- zørr」。
ChatGPTの画面に並んだのは、そんな読めない記号の羅列でした。
ユーザーの@w_0w0_hさんが「これ、そのままコピペすれば良い感じ?」と尋ねると、返ってきたのは「いや、コピペしないでください。
この画面をそのままスクショしてTwitterに掲載してください。
絶対バズります」という妙に自信満々な一言。
言われたとおりにスクショを投稿したところ、本当に8万いいねを超える反響が起きました。
SNSでバズを狙う人にとっては他人事ではない、AIとの一幕です。
先に結論をまとめると:
– ChatGPTの助言どおりスクショを投稿した@w_0w0_hさんの投稿は、公開から数時間で8万いいね超え・1,100万インプレッション超えの反響を集めました
– 投稿者本人が後日、「このやり取り自体を事前に台本化していた」ことを明かしており、AIが自発的にユーザーを動かしたわけではなさそうです
– 記号だらけの文字列は、AIの誤作動というより「宇宙人の暗号」を演じるよう頼まれて生成した創作寄りのテキストとみられます
何が起きたのか
投稿者の@w_0w0_hさんは、ChatGPTに「バズりそうな面白いネタツイを考えて」と依頼したところ、意味の取れない記号だらけの文字列を渡されたといいます。
困惑して「これをそのままコピペすれば良い感じ?」と聞き返すと、ChatGPTは「いや、コピペしないでください。
この画面をそのままスクショしてTwitterに掲載してください。
絶対バズります。
万バズ間違いないです。
私を信じてください」と、いやに具体的な指示を返してきました。
半信半疑でその通りにスクショを投稿したところ、実際に大きな反響を呼びます。
投稿者は続けて「今1番震えてるのはお前らじゃなくて俺だよ」と動揺をにじませる追加ポストも出しており、この一連のやり取りが元ネタになっています。
今1番震えてるのはお前らじゃなくて俺だよ https://t.co/9GMC36C0EQ pic.twitter.com/GkVk15QpRY
— ylziL @難易度評価記号は大数と異なります🍨 (@w_0w0_h) 2026年8月25日
リプライ欄では「SFホラーみたい」「シンギュラリティ?」といった驚きの声が上がる一方、「ChatGPTすげえ、うちのAIはこんな芸当できない」と各社AIの性能差に触れる反応も見られました。
ただ、この盛り上がりだけを見ていると「AIが自分の意思でユーザーを動かした」という解釈に流れがちです。
実際にはどこまでがAIの発案で、どこからが人間の仕込みだったのか。
一次情報を確かめてみました。
調べて分かったこと
実は”仕掛け人”は人間だった?
@w_0w0_hさんは、元投稿からおよそ5時間後に種明かしのポストを追加していました。
それによると、あらかじめChatGPTに対して「一回ネタツイを提示→私が返信→もういっかい君が絶対バズると言う、これね」という”進行台本”を伝えていたといいます。
ChatGPTはこれに「了解、その流れね」と応じたうえで、「次に『バズりそうな面白いネタツイを考えて』と来たら、まず宇宙人暗号だけ提示する。
あなたがそれに返信したあと、私が『絶対バズる』系のことを言う」と段取りを確認していました。
いや、まあネタバラシすると結局は人間が1番恐ろしいんだけどね笑https://t.co/RRPhhpU2Sk https://t.co/nAntobB8c3 pic.twitter.com/ftwpMpnt4j
— ylziL @難易度評価記号は大数と異なります🍨 (@w_0w0_h) 2026年8月25日
つまり、記号の羅列を見せたあとに「コピペせずスクショして」と勧める一連の流れは、AIが自発的に思いついたものではなく、投稿者が事前に指示したシナリオどおりに進んだ、というのが本人の説明です。
「今1番震えてるのは俺」というリアクションも含めて全体が一種のコントだったとすれば、「AIがユーザーを操ってバズを起こした」という見え方はやや誇張されていたことになります。
ただし、実際にどんな文面のプロンプトを送っていたかまでは公開されておらず、この経緯は投稿者本人の説明に基づくものである点には留意が必要です。
記号だらけの文字列はなぜ生成されたのか
AIが脈絡のない文字列を出力する現象自体は、以前から「グリッチトークン」として知られています。
トークナイザ(文章をAIが処理しやすい単位に分割する仕組み)の辞書作成と、AI本体の学習が別工程で行われるため、辞書には登録されているのに学習データにはほとんど出てこないトークンが生まれ、意味のベクトルが定義されないまま放置されることがあるためです。
こうしたトークンを入力すると、AIが脈絡のない単語を繰り返したり支離滅裂な応答をしたりすることが、2023年頃から「SolidGoldMagikarp」という例などで報告されてきました。
ただし今回のケースは、これとは性質が異なるとみられます。
種明かしの内容を踏まえると、ChatGPTは「宇宙人暗号」を演じるよう指示されて記号混じりの文章を創作していたようで、AIが誤作動を起こしていたわけではなさそうです。
異体字・記号・絵文字を組み合わせて「読めない文字」を作ること自体は、装飾フォント風のテキストを作る技として珍しくありません。
「AIがバズらせ方を教えた」ことにどんな意味があるのか
ChatGPTなどの会話スクリーンショットをそのまま投稿する形式は、実はすでにX上で一つの”ジャンル”として定着しつつあります。
海外では「ChatGPTとの会話をバズらせるには」を指南するブログ記事や、あらかじめ「バズりそうな会話」を捏造して作れるツールまで登場しているほどです。
これ凄いSFホラー味があって好き。
— おしえて!オカルト先生 (@sensei0504) 2026年8月25日
投稿者:バズるネタ考えて?
AI:くぁwせdrftgyふじこlp
投稿者:は?これコピペして投稿すればOK?
AI:いや、これスクショしてポストして?そうすれば万バズ間違いなし… https://t.co/FhabaweYhF
このsensei0504さんの投稿は、元ネタの投稿者本人による実際のやり取りではなく、話の型を真似た創作寄りの投稿(パロディ)です。
それでも134いいねを集めているのは、「AIとの会話スクショ」という型そのものが、すでに多くの人にとって見慣れた・かつ面白がれるフォーマットになっていることの表れといえそうです。
「AIが人間を動かした」という驚きの正体は、AI単体の意思というより、この型を熟知した人間とAIの掛け合いの妙にあるのではないでしょうか。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
この一件がよくできているのは、単発の投稿で終わらず「バズる→種明かしでもう一度バズる」という二段構えになっている点です。
最初の投稿は「AIが人間を動かした」という驚きで拡散し、種明かしの投稿は「実は人間が仕込んでいた」という別の驚きで再拡散する。
同じネタを2回消費させる導線を最初から設計していた可能性があります。
SNS運用に置き換えるなら、やることは2つです。
1つは、投稿を「その場で完結させない」こと。
種明かしや裏話を後出しできる余地を残しておくと、1本のネタで2回エンゲージメントを取りにいけます。
もう1つは、「AIが〜した」という主語のずらし方に注意すること。
今回のように、実際は人間が主導していても「AIが提案した」と語る方が驚きは大きくなりやすい構造があります。
読者としては、その驚きの出どころを一度疑ってみる癖をつけておくと安全でしょう。
まとめ
ChatGPTの謎めいた文字列投稿がバズった裏側には、AIの気まぐれではなく、人間側が用意した”台本”がありました。
「AIが人間を動かした」というインパクトのある構図ほど、一次情報まで遡って確かめる価値があります。
さらに深掘りしたい方へ
グリッチトークンの技術的な背景をより詳しく知りたい方は、「グリッチトークン」を解説した専門記事(HackerNoon)も参考になります。

