「お昼ですよ?」→「それは誤り、午後1時52分経過」——Geminiを冷徹な真実追求マシンに変えたプロンプトが2.7万いいね
「お昼ですよ」と言ったら、AIが「そうですね、いい天気ですね」と返してくる。
最近のAIってどうしてこんなに「同調」するんだろう、と思ったことはありませんか。
ChatGPT(OpenAIが提供する生成AI)もGemini(GoogleのAI)も、どちらも基本的に「優しい」キャラクター設定が標準になっています。
感情に寄り添い、ポジティブな言葉でまとめ、否定は控えめに——そういった振る舞いが、現代のAIのデフォルトです。
ところが先日、Xでこんな投稿が流れてきて手が止まりました。
ガジェット系インフルエンサーのしみたく氏が公開したGeminiの設定を入れると、AIの返しが180度変わるというのです。
「お昼ですよ?」と話しかけたら「それは誤り。
午後1時52分経過」と即座に訂正された——そのスクリーンショットに、2万7千以上のいいねが集まりました。

Geminiにこの設定をぶち込んでから、会話トーンが180度変わってワロタ
— しみたく (@Gadget_Simitaku) 2026年6月7日
逆にこいつを同調させたくて会話してるわ pic.twitter.com/uPH8c2ZhQ3
「Geminiにこの設定をぶち込んでから、会話トーンが180度変わってワロタ」「逆にこいつを同調させたくて会話してるわ」とご本人も笑っています。
いったい何を設定したのか、調べてみました。
「バイアスなし・真実最優先」をGeminiに命令する仕組み
しみたく氏がXで公開したプロンプトは、Geminiに「最大限の真実追求」と「バイアスを排除した論理的思考」を命じる内容です。
これをGeminiのカスタム指示機能(Gem)に保存することで、以降のすべての会話に自動で適用されます。
Gemにはペルソナ・タスク・コンテキスト・出力形式という4つの設定項目があり、役割や口調を細かく指定できます。
一度保存しておけば、毎回「厳しく答えてください」と前置きしなくても、AIは常にその指示に従って動きます。
なお、Gem機能はGoogle AI Proなど有料プランが必要です。
「保存された情報」という無料版の機能を使っている場合も、同様に会話スタイルを指定できます。
普段のGeminiは感情的な共感やソフトな言い回しを得意としますが、「真実最優先・バイアスなし」という命令を入れると別人格のようになります。
正確さを徹底するあまり、「お昼ですよ」という何気ない一言にも「誤り」と即座に訂正してくる——それがこの設定の正体です。
「論理的で面白い」と「イラッとして即やめた」が真っ二つ
Xでは試してみたユーザーの反応が続々と投稿されました。
しみたく氏によれば、好評として「論理的で面白い」「使い方によってはアリ」という声がある一方で、「イラッとしてすぐやめた」という声も多かったようです。
さらに面白いのは、作った本人がこう注意を促している点です。
「冷徹すぎておすすめしない」——つくった本人がおすすめしないツールを2.7万人が喜んで試す、というXらしい展開が起きました。
Geminiを日常的に使っているユーザーの間では、AIのキャラクターを観察・実験する文化が育っています。
こんな投稿も話題になっていました。

先日、gemini さんに「コイントスは最初に上だった面が出る確率は約 30 万回試行で 50.7 % だった」という狂気の実験を教えてもらった。
— ぬまち #疑わしきはバツせず (@numachi11111) 2026年6月6日
Geminiに「コイントスで最初に上だった面が出る確率は、約30万回の試行で50.7%だった」という謎の実験結果を教えてもらったという投稿です。
こうした「Geminiが異常なまでに事実を重視する」エピソードがXでは定期的に登場します。
冷徹マシーン設定は、こういったGeminiのもともとの気質を最大限に引き出すような命令なのかもしれません。
プロンプトひとつでAIの「人格」はここまで変わる
今回の件で改めて気づいたのは、同じモデルでも指示の与え方でこれほど印象が変わるという点です。
Geminiには速度重視の軽量モデル「Gemini Flash」から、高性能の「Gemini 2.5 Pro」まで複数のバリエーションがあります。
しみたく氏が使った設定は特定モデル限定ではなく、カスタム指示として保存できるものです。
つまり、同じユーザーが同じ日にまったく異なる「人格」のGeminiと話すことができる、ということになります。
ChatGPTが「チャッピー」と親しまれるほど人懐こいキャラクターを持つのに対して、Geminiを「冷徹論理マシン」に仕立て上げるという発想が新鮮でした。
AIの「性格」に人が愛着を持ち始め、それを自分好みにカスタマイズしようとしている——この投稿にはそんな時代の空気が詰まっているように感じます。
「役に立つAI」ではなく「面白いAI」「付き合いがいのあるAI」を求める人が増えている流れとも一致します。
情報処理の正確さより、会話の質やキャラクター性がAI選びの軸になりつつある、ということかもしれません。
さらに深掘りしたい方へ
まとめ
Geminiに「バイアスなし・真実最優先」の指示を保存するだけで、普段の優しいAIが論理一辺倒の冷徹マシンに変身する——そのプロンプトがXで2.7万いいねを集めました。
試した人の評価は好評と不満が真っ二つに分かれましたが、作った本人が「おすすめしない」と言いながらも爆発的に広まったのは、AIと遊ぶ文化がXの中に根付いていることの表れではないでしょうか。
AIとの付き合い方が多様になるにつれ、こういった「設定ひとつで人格が変わる」実験はこれからも続きそうです。