「いいね」より「タップして読む」 桐谷こむぎさんが広めた推し活の新ルール
朝に投稿された1枚のイラストが、半日で1万3千いいねを超えたといいます。
内容は「いいね」の付け方講座ではありません。
バーチャルダンサーの桐谷こむぎさんが描いたのは、Xのアルゴリズム(投稿の表示順を決める計算方式)を踏まえた「推し活のマナー」でした。
VTuberや歌手、コスプレイヤーが次々にこのイラストを共有し、ファンとの向き合い方そのものが変わり始めています。
SNSを運用する立場からすると、これは「ファンの熱量をどう測るか」という指標の見直しを迫る話でもあります。
先に結論をまとめると:
– 桐谷こむぎさんのイラストは、いいね・リポストより「タップして読む」「リプライ」「ブックマーク」を推奨する内容で、ファン層に急速に広まりました
– VTuber・歌手からコスプレイヤーまで、ジャンルを超えてこの考え方が「合言葉」のように共有されています
– SNS運用担当者は、ファン向けアカウントの設計そのものにこの発想を取り込める段階に来ています
桐谷こむぎさんの一枚が「推し活の作法」を変えた
桐谷こむぎさんが投稿したイラストは、シンプルな図解でした。
推しの投稿を見かけたときにやるべき行動として、投稿をタップして本文を読む、リプライを送る、ブックマークに登録する、画像を拡大して見る、といった項目が並びます。
逆に、いいねやリポストだけで済ませる行動は「以前ほど効果がない」という趣旨の説明が添えられていました。
これはファンの間で「今までの推し方は間違っていたのか」という驚きとともに広がり、投稿から半日で1万3千を超えるいいねを集めたとされています。
反応の広がり方が特徴的で、最初にシェアしたのは同じバーチャル系のクリエイターやファンでしたが、そこからVTuberの米倉みゆさんや歌手の一色イズさんらが自分のファンに向けて「リプライをちゃんと見ている」という趣旨の発信を始め、ジャンルの垣根を越えて拡散が続きました。
特に伸びたのがコスプレイヤー層です。
コスプレイヤーは撮影写真への反応がいいね数に偏りやすく、「どう推せば喜ばれるか」という悩みを抱えるファンが多い分野でした。
桐谷こむぎさんのイラストは、そうしたファンにとって「何をすればいいか」が一目で分かる指針として受け止められ、コスプレイヤー同士のフォロワーの間でも合言葉のように引用される投稿が相次ぎました。
単発の話題で終わらず、ジャンルを横断して「推し活の共通言語」になりつつあるのが、この一件のおもしろさです。

こうした「いいねよりリプライ」という感覚は、ファンの実感だけで語られてきたものではありません。
SNSマーケティングの世界でも、以前から近い指摘がありました。
この点は一次情報で確かめておく必要がありそうです。
いいね・リポストは本当に「評価されなくなった」のか?
Xのアルゴリズムで対話系のアクション(リプライやブックマークなど)が重視されるようになっている、という点は弊メディアでも過去に検証済みです。
公開されているアルゴリズムのソースコードを読み解いた分析でも、いいねより手間のかかる行動ほど評価が高くなる設計になっていることが分かっています。
倍率や仕組みの詳しい解説はすでに別記事でまとめているので、気になる方はそちらを参照してください。
現場のマーケッターの間でも、こうした変化を前提に施策を見直す動きが出ています。

【ブクマ必須】最新のXアルゴリズムと本質的な攻略法を解説するとして、imp(インプレッション)が下がった・いいねが減ったといった悩みは全て枝葉であり、いいね・リプ回りのような相互エンゲージメントはもう通用しないと指摘する投稿もあります。
【ブクマ必須】
— おでん (@oden_biz) 2024年2月5日
最新のXアルゴリズムと本質的な攻略法を解説します。
imp下がった/いいね減った/リポストどうこうとか騒がれてますが全て枝葉です。
副業匿名イラスト垢の生存戦略も交えて4,102文字で解説しました。
いいね/リプ回り?
それはTwitterですよ。
Xでimp/いいねが減少してる理由は、… pic.twitter.com/XJzvjw4BcU
桐谷こむぎさんのイラストが示した「行動の優先順位」は、この分析と方向性が一致しています。
ファンの実感とアルゴリズムの設計が噛み合っていた、というのが今回のポイントです。
SNS運用担当者は「ファン向けアカウント」にどう活かせるか
今回の一件がおもしろいのは、企業やタレントの「ファン向けアカウント」の運用にそのまま応用できる点です。
桐谷こむぎさんのイラストが伝えたのは、要するに「ファンにどう動いてほしいかを具体的に示す」という発想でした。
これは公式アカウントの運用にも転用できます。
例えば、投稿の最後に「気になったらリプライで教えてください」と一文添えるだけで、フォロワーの行動は変わりやすくなります。
ライブ配信やイベント告知の投稿では、寄せられたリプライを配信中に読み上げる、といった「対話が返ってくる仕組み」を作ることも有効です。
ブックマークされやすい「まとめ」型の投稿を用意するのも、滞在時間を伸ばす手段として機能します。
米倉みゆさんや一色イズさんが行った「リプライを見ている」という発信も、まさにこの延長線上にある工夫だと言えるでしょう。
ファン向けアカウントは企業アカウントよりも「対話のハードルの低さ」を演出しやすい立場にあります。
桐谷こむぎさんの一件は、その強みをアルゴリズムの評価軸に沿って発揮する好例として、参考にする価値がありそうです。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
この一件が示すのは、ファンダム(熱心な支持者層)の実感が、公開されたアルゴリズム情報の方向性とほぼ一致していたという点です。
SNS運用担当者にとって重要なのは、いいね数を主要KPIに置く運用をいったん見直すことでしょう。
リプライ返信率のような「深い反応」を測る指標に切り替えることが、明日からできる一歩目です。
もう一つは、ファンに「対話」を促す設計を、桐谷こむぎさんのように図解として明示することです。
文章で説明するより、イラスト1枚で「やるべき行動」を示す方が、ファンの実際の行動を変えやすいという事実は、企業のファン向けアカウントにも応用できるヒントではないでしょうか。
まとめ
桐谷こむぎさんが広めた推し活の新ルールは、ファンの実感とXのアルゴリズムの方向性がかなり近いところにあることを教えてくれます。
ジャンルを越えて広がったこの動きは、いいねの数を追うだけの運用から、対話の深さを意識した運用へ視点を切り替えるきっかけになるかもしれません。
