『もしもの愛』がヴェネチアで銀獅子賞、Netflix配信に先駆け日本で先行公開中
「秒速5センチメートル」「君がトクベツ」——Netflixの11月配信ラインナップを紹介する一覧の中に、ひっそりと並ぶ一本のタイトルがあります。
『もしもの愛』。
7作品の中では目立たない存在ですが、その奥には今年のヴェネチア国際映画祭でイ・チャンドン監督が受けた大きな評価が隠れています。
日本では配信より先に劇場で観られる珍しい公開方式が取られていて、いま静かに注目が集まっています。
先に結論をまとめると:
– 『もしもの愛』は10月23日から一部劇場で先行公開中。
Netflixでは11月6日から世界独占配信が始まります
– 監督のイ・チャンドンは、2002年の『オアシス』以来24年ぶりとなる第83回ヴェネチア国際映画祭の銀獅子賞を受賞しました
– Netflixの11月ラインナップを紹介した投稿は1万1000件超のいいねを集め、公開後の映画レビューサイトでも好意的な評価が並んでいます
何が起きたのか
Netflixは11月に配信予定の作品を一覧で発表し、芸能ニュースサイト・modelpressがこれを紹介する投稿をXに載せました。
Netflix、11月配信ラインナップ発表❗
— モデルプレス (@modelpress) 2026年10月23日
「秒速5センチメートル」「君がトクベツ」など
📝作品一覧https://t.co/qdZJS3bWKD
秒速5センチメートル
君がトクベツ
Travis Japan ダンスだぜ!!
オレたち応援屋!!
夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく
余命一年、男をかう
もしもの愛… pic.twitter.com/sNswKBwB0J
「秒速5センチメートル」や「Travis Japan ダンスだぜ!!」など7作品が並ぶこの一覧表は1万1000件を超えるいいねを集めていて、『もしもの愛』はその中の一本として名前が挙がっています。
ただ投稿自体はラインナップの紹介にとどまり、作品そのものへの言及はありません。
注目すべきはこの作品の配信そのものより、日本での公開のされ方にあります。
通常、Netflix独占配信の作品は配信開始と同時に視聴できるようになるのが一般的です。
ところが『もしもの愛』は、11月6日の配信開始に先立って10月23日から一部劇場での先行公開が始まりました。
なぜこのような扱いになったのか、経緯を調べてみました。
調べて分かったこと
なぜ配信より先に劇場で公開されたのか?
『もしもの愛』を手がけたのは、『バーニング 劇場版』『オアシス』などで知られるイ・チャンドン監督です。
8年ぶりの長編新作となる今作は、2026年の第83回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(最高賞の金獅子賞に次ぐ審査員大賞)を受賞しました。
イ・チャンドン監督にとっては、2002年の『オアシス』で最優秀監督賞を受けて以来、24年ぶりとなる快挙です。
Netflix作品でありながら劇場公開が先行する形になったのは、こうした映画祭での評価を踏まえ、配信だけでなくスクリーンで観る体験をまず提供する狙いがあったとみられます。
どんな物語なのか?
物語の軸になるのは2組の夫婦です。
会社を解雇されたホソク(ソル・ギョング)とその妻ミオク(チョン・ドヨン)のもとへ、ドキュメンタリー映画監督のイェジ(チョ・ヨジョン)とその夫サンウ(チョ・インソン)が取材のために訪れます。
撮影が進むにつれて2組の生活は徐々に重なり合い、それぞれが胸の奥に押し込めていた感情や欲望が静かに浮かび上がっていく——という展開です。
ソル・ギョングとチョン・ドヨンは本作で4度目の共演となり、イ・チャンドン監督は受賞の舞台でも4人への感謝を語っていました。
公開後の評価はどうなっているのか?
劇場公開から2日が経った時点で、映画レビューサイトには観客の評価が集まり始めています。
映画.comに投稿されたユーザーレビューの中には「異様な精度の傑作」という評価も見られます。
レビューの件数自体はまだ多くありませんが、ヴェネチアでの評価が劇場でも裏付けられつつある様子がうかがえます。
Shiritomo MOVIE編集部の考察
Netflixオリジナル作品が配信開始前に劇場先行公開を挟むケースは、国内ではまだ珍しい部類に入ります。
配信作品は「いつでも見られる」ことが前提になりやすい一方、映画祭受賞作のような作品は、まず劇場という場で評価を固めてから配信に送り出す戦略が取れます。
今回のSNS上の露出も「配信ラインナップの一覧に名前が載る」という形にとどまっていて、作品単体の話題としてはまだ立ち上がっていません。
配信が始まる11月6日以降、作品そのものへの言及がXでどう増えていくかは、この公開戦略の効果を測るうえで注目のポイントになりそうです。
劇場でまず観た人の口コミが、配信開始時点でどれだけ広がりを後押しするかという点でも参考になる事例といえるでしょう。
まとめ
『もしもの愛』はヴェネチア銀獅子賞を受けた話題作で、日本では配信に先駆けて劇場で先行公開されています。
公開後のレビューも好意的なものが目立ち、11月6日のNetflix配信開始でさらに広がりを見せそうです。