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ElevenLabsの6分の1の価格で笑い・ささやきも自在——Fish Audio、創業1年でARR21億円に

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月29日 更新
ElevenLabsの6分の1の価格で笑い・ささやきも自在——Fish Audio、創業1年でARR21億円に

「AI音声はもう、これで完成だと思われていました」。
ある海外のAIアナリストがそう前置きしてから投稿した動画には、笑ったり、ささやいたり、ため息をついたりする合成音声が次々と流れます。
声の主はFish Audioという、設立からわずか1年のスタートアップです。
SNSやYouTubeで音声コンテンツを作る人にとって、選択肢が増えるのは歓迎すべきニュースですが、その裏側には激しい価格競争の構図が見え隠れしています。

先に結論をまとめると:
– 音声AIスタートアップFish Audioが5200万ドル(約80億円)のシード資金調達を発表、創業1年でARR(年間経常収益)2100万ドル・ユーザー800万人超を達成
– 新モデル「S2.1 Pro」は5秒の音声サンプルから声をクローンでき、83言語対応・感情やイントネーションを単語単位で制御可能
– 価格はElevenLabs比で最大11分の1とされ、8月末まで開発者向けに無料開放中

何が起きたのか——「情熱プロジェクト」から急成長企業へ

Fish Audioは2026年7月28日、シードラウンドで5200万ドルの資金調達を発表しました。
出資したのはCoreline VenturesやCapital Todayなど複数のベンチャーキャピタルです。
同社は創業からちょうど1年で、年間経常収益2100万ドル、ユーザー数800万人超という数字を達成したとされています。
元NVIDIA研究者のLiao氏が始めた個人プロジェクトが、わずか1年でここまで急成長した背景に、AI音声業界の関係者たちが驚きの声を上げています。

X上では、海外のAIインフルエンサーがこの新モデルの表現力に驚く投稿をしていました。

(日本語訳:心の準備をしてください。
AIの声が、笑ったり、ささやいたり、ため息をついたりできるようになりました。
Fish AudioがS2.1 Proを発表——これまで聞いた中で最も表現力豊かな音声AIです。
ElevenLabsより感情の幅が広く、6倍安い)

投稿では「これまでの音声AIの目標は“人間らしく聞こえること”だったが、その競争はもう終わった」「次の基準は“感情表現”だ」といった趣旨の分析も添えられていました。
ただ、価格や性能の話だけでは、なぜこのタイミングでここまで話題になったのか説明がつきません。
そこで、もう少し詳しく調べてみることにしました。

なぜElevenLabsより「6倍安い」と言えるのか?

新モデル「S2.1 Pro」の価格は、100万文字あたり15ドルとされています。
競合のElevenLabsは同じ文字数で60〜165ドルかかるとされ、単純計算でも最大11分の1のコストに抑えられていることになります。
しかも8月末までは開発者向けにAPI経由で無料公開中で、既存ユーザーはモデル名を切り替えるだけで移行できる手軽さも支持されている理由のひとつです。

日本の開発者コミュニティでも、この無料開放は早くから話題になっていました。

性能面では、5秒程度の音声サンプルから声をクローンできる点、83言語に対応している点に加えて、15,000種類以上の自然言語タグを使って感情やイントネーションを単語単位で細かく制御できる点が特徴です。
第三者機関のブラインドリスニングテストでは、リスナーの67%がFish Audioの音声を競合より好んだという結果も出ています。

もっとも、声を模倣する技術には常に悪用のリスクが伴います。
Fish Audio側もこの点は認識しており、無断利用に対するDMCA削除申請の自動化など、倫理面での対策も強化していると説明しています。
便利さと引き換えに生じる「なりすまし」リスクへの目配りは、音声AI業界全体の課題であり続けるでしょう

Shiritomo編集部の考察:SNS運用者が今すぐ試すべき理由

SNSでの動画・音声コンテンツ制作において、ナレーションのコストと質は常に悩みの種でした。
Fish AudioのS2.1 Proが無料公開されている今のタイミングは、YouTubeやTikTokでナレーション付き動画を量産している運用担当者にとって、実際に触って比較検討する絶好の機会と言えます。
過去にも、画像生成AIの分野でStable Diffusionが無料・低価格モデルとして急速に普及し、業界の価格水準そのものを引き下げた前例があります。
音声AIでも同じ構図が起きつつあるとすれば、今後半年から1年で「有料の音声AIツールに高いお金を払う」という選択肢自体が見直される可能性は十分にあるのではないでしょうか。

まとめ

Fish Audioの急成長は、単なる一企業の成功物語にとどまらず、音声AI業界の価格破壊が本格化しつつあることを示しています。
無料期間のうちに実際の音質を確かめておく価値はありそうです。

さらに深掘りしたい方へ

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