iPhoneを「24カ月契約」で――Appleが用意する新プログラム「Apple Upgrade」の中身
iPhoneとApple Watchは24カ月、MacとiPadは36カ月。
来週アメリカで始まるとされる新しい仕組みには、そんな契約期間が設定されているといいます。
Appleがこれまで長年守ってきた「買い切り」中心の販売スタイルに、大きな転換点が訪れようとしています。
日本ではまだ発表されていない話ですが、iPhoneの値上げが続く中で「本体をどう手に入れるか」という選択肢そのものが変わりつつある動きとして、購入を検討している人にも無関係ではありません。
何が起きようとしているのか、報道の内容を整理してみました。
先に結論をまとめると:
- Appleが金融サービス企業Klarnaと組み、iPhone・Mac・iPad・Apple Watchを月払いでリースできる「Apple Upgrade」を7月28日から米国で始めると報じられている
- 契約期間終了時は「返却」「残額を払って買い取り」「新機種へ早期乗り換え」の3択で、一部の取引には手数料がかかる
- この情報は米Bloombergのマーク・ガーマン氏による報道段階であり、Apple自身による公式発表はまだ行われていない
何が起きたのか
このニュースの発端は、Appleの動向に詳しいことで知られるBloombergの記者、マーク・ガーマン氏の投稿でした。
「Apple UpgradeというiPhone・iPad・Mac・Apple Watchのリース/サブスクリプションプログラムを、来週Appleが始める」という一報は3,000件を超えるいいねを集め、瞬く間に世界中のテック系メディアに広がりました。

BREAKING: Apple will launch Apple Upgrade next week, an iPhone, iPad, Mac and Apple Watch leasing/subscription program. It’s partnering with Klarna to launch in the U.S. at online and retail stores. https://t.co/eM3J46MXJZ
— Mark Gurman (@markgurman) 2026年7月21日
日本のXでも反応は早く、この仕組みを自動車の「残クレ(残価設定クレジット)」になぞらえる投稿が目立ちました。
買い切りが当たり前だったスマートフォンに、車の購入でおなじみの発想が持ち込まれる――その組み合わせの意外性が、拡散の一因になったようです。
ただ、こうした反応の多くは「報道を受けての感想」であり、Apple自身がまだ何も語っていない点は見落とせません。
そこで、報道されている内容をもう少し詳しく確認してみました。
調べて分かったこと
なぜ今、iPhoneを「借りる」発想が出てきたのか
複数の海外メディアの報道を突き合わせると、Appleは以前から「iPhone Upgrade Program」という分割払い型のプログラムを提供してきましたが、今回の「Apple Upgrade」はこれに代わる新しい枠組みとして準備されているとみられます。
背景には、iPhoneをはじめとする主要製品の価格上昇が続く中、購入のハードルを下げて買い替えサイクルを維持したいというAppleの狙いがあると報じられています。
月々の支払いを固定することで、高額な一括購入という心理的な壁を取り除こうとしている格好です。
対象になる機種・ならない機種は
報道によれば、リース期間はiPhoneとApple Watchが24カ月、MacとiPadが36カ月に設定される見込みです。
契約者はKlarnaによる簡易的な信用調査(ソフト審査)を受けたうえで契約し、期間中に新しいモデルへ早期に切り替えることも、期間終了後にそのまま返却することも、残額を支払って手元に残すこともできるとされています。
ただし、Apple Watch SE・エントリーモデルのiPad・iPhone 16・MacBook Neoは対象から外れる見通しで、対象は現行の主力ラインに絞られるようです。
また、この提供は米国内の一般消費者向けに限定され、法人・教育機関向けの購入には適用されない点も報じられています。
AppleCare+は含まれるのか
これまでのiPhone Upgrade Programには、故障時の修理保証であるAppleCare+の加入が含まれていました。
しかし今回のApple Upgradeでは、AppleCare+は契約に含まれない見通しだと報じられています。
月々の支払いが安く見えても、故障や紛失への備えは別途必要になる可能性がある点は、検討する際に見落とせないポイントです。
【新方式】米国の「Apple Upgrade」は日本の「残クレ」なのか https://t.co/Zyf9PCcmHR
— Touch Lab (タッチ ラボ) (@touch_lab) 2026年7月21日
日本でも導入されるのか
現時点で、この仕組みが日本でも展開されるという発表はありません。
あくまで米国限定の話として報じられている段階です。
とはいえ、日本ではすでにキャリア各社が「実質的な残価設定」に近い分割プランを提供しており、Xでは「結局これも残クレと同じ発想」といった声が上がっていました。
海外発の一報に日本のユーザーが敏感に反応した背景には、iPhoneの価格上昇が国内でも実感として広がっていることがありそうです。
Shiritomo GADGET編集部の考察:「売る」から「使わせる」への転換点
今回の報道で興味深いのは、Appleが「モノを売る」会社から「使い続けてもらう」会社へと軸足を移そうとしている点です。
買い切り販売では、ユーザーが機種変更しない限り次の収益は生まれません。
しかしリース型にすれば、契約期間ごとに収益が発生し、返却された端末は整備のうえ再販市場に回すこともできます。
ハードウェアメーカーにとって、これは単なる支払い方法の多様化ではなく、収益構造そのものの見直しといえるでしょう。
一方で、対象機種から廉価モデルが外れている点は示唆的です。
リース対象を主力ラインに絞ることで、Appleは「安価な入門機を買う層」と「常に最新機種を使い続けたい層」を明確に分けようとしているようにも見えます。
日本の自動車業界が残価設定ローンで新車の買い替えサイクルを支えてきたように、スマートフォン業界でも「所有」から「利用」への発想転換が、今後じわじわと広がっていくのかもしれません。
まとめ
Appleが米国で始めるとされる「Apple Upgrade」は、iPhoneを月払いでリースできる新しい選択肢です。
ただし現時点では報道段階にとどまり、日本への展開も未発表のため、正式発表を待って詳細を確認する必要がありそうです。
さらに深掘りしたい方へ
この件についてさらに詳しく知りたい方は、報道の一次情報にあたるMacRumorsの記事や、TechCrunchの記事も参考になります。