「海外でスマホを向けただけで逮捕?」外務省注意喚起で見直すSNS運用の盲点
海外旅行でスマホを構えた瞬間、知らずに現地法に触れるリスクが潜んでいる——外務省が6月3日に発出したそんな注意喚起を見て、思わず調べてみました。
「え、観光地でシャッターを切っただけで?」と思う方もいるかもしれません。
でも、ブランドのSNS担当として、あるいはインフルエンサーとして海外でコンテンツを制作している方には、他人事ではない話です。
SNSへの投稿が日常になった今、海外での投稿には「知らないと怖い」ルールが隠れています。
外務省が発出した注意喚起の内容
外務省の海外安全ホームページが2026年6月3日、海外における写真・動画撮影およびSNS等への投稿に関する注意喚起を発出しました。
まず、撮影が禁止されている(あるいは厳しく制限される)場所として、以下が挙げられています。
- 軍事施設・基地
- 空港・港湾・鉄道・橋・国境地帯
- 政府関係施設・各国大使館の建物
- 宗教施設(一部)
ポイントは「映り込み」の問題です。
意図していなくても、SNSに投稿した写真や動画に撮影禁止の施設が映り込んでいた場合、故意でなくても拘束される可能性があると外務省は明記しています。
さらに、空港のロビーのような公共の場所で撮影していても、周囲から「無断撮影」として通報され、拘束されたケースも報告されているのです。

実際に起きた拘束事例
外務省の「海外邦人事件簿 Vol.54 写真撮影は慎重に」では、実際に拘束された事例が紹介されています。
ヨーロッパの森を散策していた女性が美しい風景を撮影したところ、付近の軍事施設を撮影したと疑われ、国境警備隊にその場で逮捕されました。
「風景を撮っただけ」は、現地の警備員には通じません。
中央アジアのカスピ海沿いで夕焼けを撮影していた男性も、近くの軍事港湾施設を撮影したと疑われて逮捕されています。
地図で見れば「海辺の風景」でも、現地では軍港に隣接している場所だったのです。
「それは特殊なケースでは?」と思うかもしれませんが、外務省が注意喚起を行うほどには、こうした事例が積み重なっています。
自分だけは大丈夫という思い込みが、思わぬトラブルを招くことがあるのです。
ドローン撮影・配信者にはさらに厳格な規制
ドローンを使った空撮は、SNSコンテンツとして人気があります。
しかし、海外での規制は一段と厳しくなっています。
飛行前に事前届け出を怠ると国外退去になる場合があると、外務省は明記しています。
国内では何でもない行為が、海外では重大な法律違反になりうるのです。
また、見落としやすいのが「韓国の金浦・金海空港」のような、民間空港でも軍民共用施設として扱われるスポットの存在です。
一見ふつうの旅客空港に見えても、特別な規制が適用される場所があります。
韓国旅行が日常的になった今、「空港ロビーでの自撮り動画をSNSに投稿する」ことですら、確認が必要なケースがあるかもしれません。
そして、SNS配信者・コンテンツクリエイターが特に気をつけるべきポイントがあります。
観光ビザで海外に滞在しながら、現地からのライブ配信や有料コンテンツの配信で収益を得ると、「不法就労」に当たる可能性があるというのです。

Xで広がった「知らなかった」の声
今回の外務省の注意喚起を受け、Xでは配信者や海外在住者から様々な反応が寄せられました。
「観光ビザで収益配信が不法就労になる」というポイントが特に話題になり、「知らなかった」「クリエイターに届いてほしい」という声が続出しています。
「現地からのリモートワークも場合によってはアウトでは?」という指摘も上がっており、就労形態とビザの問題は、SNS運用を本業にする人たちにとって切実な話題になっています。
「海外ロケ→投稿→収益」という流れが当たり前になっていますが、法的にはグレーゾーンが多いのが実情です。
気軽に「旅行しながら発信」ができる時代だからこそ、知識のアップデートが必要になっています。
SNS担当者・クリエイターが今すぐ確認すべき3点
今回の注意喚起を受けて、SNS運用に関わる方が見直すべき点を整理します。
1. 撮影前に現地の規制を確認する
渡航先ごとに撮影禁止場所や規制は異なります。
外務省の海外安全ホームページや、現地の大使館サイトで事前確認する習慣をつけましょう。
特に政府施設・空港・軍関係の施設に近い場所でのコンテンツ撮影は要注意です。
2. 投稿前に「映り込み」をチェックする
ブランドロゴや人物だけでなく、背景に何が映っているかも確認する習慣を。
「きれいな景色だから投稿」の前に、その景色の中に撮影禁止施設が含まれていないかを意識しましょう。
3. 就労ビザの要件を把握する
収益が発生するコンテンツ制作を海外で行う場合、観光ビザでは不法就労になりうる国があります。
長期滞在や海外ロケを定期的に行うクリエイター・ブランドは、専門家への確認を検討してください。
旅行先での登録として、外務省の「たびレジ」への登録も推奨されています。
万一のトラブル時に、大使館や総領事館からの緊急連絡が届くようになります。
さらに深掘りしたい方へ
まとめ
「海外でも普通にSNSが使える」という感覚は、知らぬ間に現地法のリスクにさらされている可能性があります。
外務省の注意喚起を機に、海外コンテンツ制作のリスク管理を改めて見直してみましょう。
旅先からの投稿を安全に続けるために、事前の情報収集と確認習慣が今こそ必要です。