「今すぐロボ作れ」――深津貴之氏の朝の一言に、開発者たちが我先にと反応した理由
「くそ、やはりAI時代は自分で『ロボつくれる』『3D作れる』『AITuberもつくれる』とか、経験値をゴリゴリ積んでおいたほうがいいな」。
午前9時51分、note社のCSO(最高戦略責任者)でデザイン会社THE GUILD代表の深津貴之氏がこう投稿すると、数時間のうちに1,800件を超えるいいねと50件以上の引用が集まりました。
AIがコードを次々と生成する今、あえて「手を動かした経験」の価値を語ったこの一言に、現役の開発者やクリエイターたちが次々と自分の言葉を重ねています。
AIを日常的に使っている人にとっては、他人事では済まない話かもしれません。
先に結論をまとめると:
– 深津貴之氏が「AI時代こそ実経験を積んでおくべき」と投稿し、1,800件超のいいねと50件超の引用が集まった
– 「全部やっていたので耐えられる」という共感の声が多く寄せられた
– ジュニア開発者の求人は、海外の調査でChatGPT登場後1年で1割以上減っているというデータもある
「実経験をつむチャンスと場所はへる」投稿の中身
深津氏の投稿には、もう一つの指摘が続いていました。
性能よりも実経験のほうが価値がでる、という前半に対して、「一方で、実経験をつむチャンスと場所はへる」という一文です。
AIが代わりにやってくれるようになるほど、自分で手を動かして失敗する機会そのものが失われていく、という構造への言及でした。
くそ、やはりAI時代は自分で「ロボつくれる」「3D作れる」「AITuberもつくれる」「仕入れと出荷もできる」とか、経験値をゴリゴリ積んでおいたほうがいいな。性能よりも、「実経験」のほうが価値がでる。一方で、実経験をつむチャンスと場所はへる。
— 深津 貴之 / THE GUILD, note (@fladdict) 2026年9月6日
この「チャンスが減る」側の指摘に、最も強く反応したのが現役のクリエイターたちでした。
調べて分かったこと
なぜこの一言がここまで刺さったのか
引用の中でとくに多くの共感を集めたのが、次の投稿です。
ここに書かれてるやつ全部やってたので耐え、今すぐロボ作れ。 https://t.co/O5YeZUz42r
— ハヤカワ五味 (@hayakawagomi) 2026年9月6日
「ここに書かれてるやつ全部やってたので耐え、今すぐロボ作れ。」――ロボット製作や3D制作といった実務経験を自ら積んできた人物からの、実感のこもった相づちでした。
深津氏本人もAI活用を積極的に発信してきた人物だけに、その口から「実経験」を重視する言葉が出たこと自体が、AI推進派の中にある本音として受け止められた側面がありそうです。
実際にジュニア開発者の仕事は減っているのか
投稿への反応の中には、「人に教授・指導するチャンスと場所は減っているので、後進は育たないってことか」という指摘もありました。
人に教授・指導するチャンスと場所は減っているので
— ふふぇ (@futetsu1) 2026年9月6日
後進は育たないってことか https://t.co/LTQpiLdOZB
これは単なる感覚論ではなく、海外の調査結果とも符合します。
ノースイースタン大学の研究者らが求人情報プラットフォーム「Lightcast」のデータを分析した論文によると、ChatGPTのリリースから1年間で、経験4年以上のシニア開発者に対する経験4年未満のジュニア開発者の求人割合が16.3%減少したと報告されています。
さらにスタンフォード大学デジタル経済研究所の分析では、AIの活用度が高い職種において22〜25歳の雇用が6%減少した一方、30歳以上の雇用は6〜13%増加したというデータもあります。
ベンチャーキャピタルSignalFireの調査でも、大手テック企業の新卒採用は2023年から2024年にかけて25%減少したとされています。
「体験がこれからのテーマ」と専門学校で学生に教えたばかりだったと明かすユーザーもおり、教育の現場でもすでに同じ危機感が共有されつつあるようです。
Shiritomo編集部の考察:明日から意識したいこと
今回の拡散が興味深いのは、「AI活用を積極的に推してきた人物」自身の口から実経験の価値が語られたことで説得力が増した点です。
引用返信で自分の経験談を重ねる動きが連鎖したのも、共感というより「自分にも語れる実績がある」ことを示す一種の証明合戦だったと見られます。
SNS運用やAI活用の現場で意識したいのは、AIに任せられる作業ほど、あえて自分の手でつまずいておく価値が上がっているという逆説です。
効率化を追う姿勢と、経験値を積む姿勢は両立できます。
若手の育成機会が構造的に減っているというデータがある以上、意識的に「手を動かす場」を作る側に回ることが、今後はより重要になりそうです。
まとめ
AIがコードを書ける時代だからこそ、実際に手を動かして失敗した経験の価値が上がっている――深津氏の投稿は、その逆説を多くの開発者の実感として言語化したものでした。
さらに深掘りしたい方へ
ジュニア開発者の求人動向に関する調査は、「AIでエンジニアが不要になる」は本当か。
求人データが示す意外な現実(山田裕一朗)で詳しく紹介されています。

