「有名アカウントほど参考にならない」——グルメインフルエンサーの案件率50〜95%暴露に、リュウジが見せた誠実対応
198万人、105万人、104万人——。
人気グルメアカウントの直近投稿20件を数えたところ、実に10件から19件が「案件」だったという集計結果が、Xで675万回表示されるほどの反響を呼びました。
飲食店選びでSNSのおすすめ投稿を参考にしたことがある人にとっては、他人事ではない話です。
集計を公開したのは俺ニキさん(@ore_meshi29)。
この投稿には料理研究家のリュウジさんも反応し、PR表記のあり方をめぐる議論に発展しました。
何が暴かれたのか、そしてPR表記のルールは実際どうなっているのかを調べてみます。
先に結論をまとめると:
– 人気グルメアカウントの投稿20件中、10〜19件が案件(PR)だったという集計結果が675万インプレッションを集めました
– 日本のステマ規制(景品表示法上の不当表示指定)は2023年10月に施行済みですが、処分の対象は広告主企業であり、インフルエンサー個人は処分されません
– PR表記を明記していたリュウジさんの投稿には批判ではなく称賛が集まり、透明性が信頼構築のカギになっていることがうかがえます

「案件率50〜95%」という数字がXをざわつかせた
俺ニキさんが投稿したのは、フォロワー数の異なる5つのグルメアカウントについて、直近20投稿のうち何件が案件だったかをまとめたシンプルな表でした。
グルメインフルエンサーの案件の割合を出してみた。もはやほぼ案件。これが実態。
— 俺ニキ🐧東京グルメ (@ore_meshi29) 2026年7月27日
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【198万】むにぐるめ▶︎ 50%(10/20)
【105万】東京コスパグルメ▶︎ 70%(10/20)
【104万】東京グルメ▶︎ 75%(15/20)
【32万】東京大人グルメもと▶︎ 90%(18/20)
【27万】厳選グルメ▶︎ 95%(19/20)… https://t.co/QcS8LJLzhd
198万フォロワーの「むにぐるめ」が50%(10/20)、105万フォロワーの「東京コスパグルメ」が70%(10/20)、104万フォロワーの「東京グルメ」が75%(15/20)、32万フォロワーの「東京大人グルメもと」が90%(18/20)、27万フォロワーの「厳選グルメ」が95%(19/20)——。
フォロワー数が多いアカウントほど案件率が低いというより、アカウントごとの運用方針でここまで数字が割れること自体が驚きを持って受け止められたようです。
この投稿は190件近い引用と共に急速に広まりましたが、数字を見て納得する声だけでなく、「じゃあ結局誰を信じればいいのか」というやや戸惑いを含んだ反応も目立ちました。
そこで、PR表記をめぐるルールが実際どうなっているのか、一次情報を確認してみます。
なぜ今、この数字がここまで刺さったのか?
飲食店の口コミやおすすめ投稿は、広告よりも「個人の本音」として受け止められやすいのが強みです。
だからこそ、その投稿の半分以上が実は報酬をもらって書かれたものだと分かると、読み手が抱いていた前提が揺らぎます。
俺ニキさんの集計はランキングでも告発でもなく、単に数字を並べただけのものでしたが、それが逆に「感情論ではなく事実として突きつけられた」ことで拡散力を持ったと考えられます。
案件率50〜95%は「多い」のか「普通」なのか?
ここで気になるのが、この水準が業界的に見て高いのか低いのかという点です。
2023年10月、消費者庁はステルスマーケティング(広告であることを隠した宣伝)を景品表示法(誇大広告や不当な表示から消費者を守るための法律)上の「不当表示」として指定する告示を施行しました。
これにより、企業が依頼する投稿には「PR」「プロモーション」「広告」といった表示を分かりやすく行うことが求められています。
ただし今回話題になった数字そのもの、つまり「投稿の何割が案件か」という比率に法律上の上限や目安は定められていません。
案件だと明示さえしていれば、比率が高いこと自体は規制対象外です。
問題になるのは、あくまで「PRだと分からないように」投稿することであり、今回集計されたアカウントが表記ルールを守っていたかどうかは、この集計だけでは判断できない点には注意が必要です。
法律上、責任を負うのはインフルエンサー本人なのか?
意外と知られていませんが、ステマ規制の処分対象は投稿したインフルエンサー個人ではなく、依頼した広告主企業です。
実際に2024年11月13日には、大正製薬が景品表示法違反で消費者庁から措置命令(行政処分の一種で、再発防止などを命じるもの)を受けた事例がありますが、これも処分を受けたのは発信者ではなく企業側でした。
つまり、案件であることを隠さず「#PR」を明記していれば、インフルエンサー自身が法的リスクを負うことはほぼありません。
今回の騒動でリュウジさんが見せた反応は、この構造を踏まえると理にかなっています。
すげえ暴露してて笑う
— リュウジ@料理のおじさんバズレシピ (@ore825) 2026年7月27日
有名グルメアカウントは美味しいから紹介してるんじゃなく金貰って紹介してるから参考にする価値ないって言ってないかこれ https://t.co/WGwALTd1pT
リュウジさんは「有名なアカウントは金をもらって紹介しているから参考にならないってこと?」と冗談めかしながらも、自身は#PRを明記して発信する姿勢を強調しました。
この投稿には1.2万件を超えるいいねが集まり、俺ニキさんの元投稿以上の反響になっています。
案件そのものを否定するのではなく、表記の有無で信頼が変わるという受け止め方が、多くのユーザーに共感されたのではないでしょうか。
Shiritomo編集部の考察:PR表記は「隠すコスト」ではなく「信頼への投資」
今回の一件が示しているのは、フォロワーが企業案件そのものを嫌っているわけではないということです。
批判が集まったのはあくまで「PR表記がない、または分かりにくい」投稿であり、明記されている案件投稿にはむしろ好意的な反応が集まりました。
SNS運用担当者にとっての示唆はシンプルです。
案件比率を隠すのではなく、案件と非案件を明確に区別して発信する運用の方が、長期的にはアカウントの信頼残高を守れるということです。
特に景品表示法の処分対象が企業側にある以上、インフルエンサーに依頼する側の企業こそ、PR表記のガイドラインを契約時点で明文化しておく必要があります。
表記を徹底しているアカウントが「誠実」として可視化される流れは、他の消費財・グルメ以外のジャンルでも今後同様に起きる可能性が高いと見ています。
まとめ
グルメインフルエンサーの案件率を可視化した投稿がきっかけとなり、PR表記の透明性をめぐる議論がXで広がりました。
ステマ規制の処分対象は企業側にあるという事実を踏まえると、表記を明記して発信する姿勢そのものが、インフルエンサー個人のブランド価値を守る手段になっていると言えそうです。


