岩場も川の中も駆け抜ける――Unitreeの新型四足ロボ「AS2-W」が見せた25kgボディの機動力

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月25日 更新
岩場も川の中も駆け抜ける――Unitreeの新型四足ロボ「AS2-W」が見せた25kgボディの機動力

体重25kgの機体が、崖のような岩場をためらいなく駆け上がる。
中国Unitree Roboticsが2026年7月24日に発表した新型四足ロボット「Super Athlete AS2-W」の映像には、そんな場面が収められています。
ホイール付きの脚で平地を滑るように走り、悪路では脚だけで岩をつかむ――地形に応じて動き方そのものを切り替える点が、この機体の特徴です。
物流やインフラ点検の現場でどこまで使えるロボットなのか、公式発表を軸に確認してみました。
ドローンや配送ロボットに関心がある読者にとっては、四足ロボットの実用化がどこまで進んでいるかを測る材料になりそうです。

先に結論をまとめると:
– AS2-Wは自重25kgで最高速度6m/s超、静止時150kg・連続歩行時16kgの荷物を積んだまま最大30km超走行できる
– 脚とホイールを自動切り替えする「輪足融合」設計で、平地の速さと悪路の踏破力を両立している
– 価格・発売時期は公式に未発表で、軍事転用への懸念も一部で指摘されている

何が起きたのか——四足ロボットに「車輪」が生えた

Unitree RoboticsはAS2-Wの発表と同時に、公式X(旧Twitter)で製品紹介の動画付き投稿を行いました。

投稿文には「連続16kgの荷物を積んだまま、無積載なら30km以上走行できる」という数字がそのまま記されています。
四足ロボットといえば、これまでは脚だけで移動する製品が主流でした。
AS2-Wは脚の先にホイールを組み込み、平地ではホイールで滑走、階段や岩場では脚だけで踏み込むという2つの移動方式を状況に応じて切り替えます。
海外の科学系アカウントも「電動アクチュエータ(モーターで関節を動かす駆動装置)により、荷物を積んだまま時速5m/s超で悪路を走破できる」と紹介し、拡散されました。

このツイートのいいね数は46件と、グローバルではまだ話題化の初期段階にとどまっています。
ただ、四足ロボットが「悪路も平地も自動で使い分ける」という発想自体は目新しく、ここからどこまで実用性が裏付けられるのかが気になるところです。
公式発表の数字を、もう少し掘り下げて確認してみました。

調べて分かったこと

スペックはどこまで確認できる?

Unitree公式サイトの製品ページと現地メディアの報道を突き合わせたところ、以下のスペックが確認できました。

  • 本体重量:約25kg(バッテリー込み)
  • サイズ:直立時 721×493×521mm
  • 最高速度:約6m/s超
  • 通常移動速度:0〜3.7m/s
  • 搭載荷重:静止時最大150kg(成人3人相当)、連続歩行時は16kg
  • 走行距離:無積載時30km超(3時間以上)、16kg積載時25km超(2時間以上)
  • 登坂・段差対応:45度の傾斜、80cmの垂直な高台まで乗り越え可能
  • 防水・防塵性能:IP54(雨やほこりのある屋外環境での使用を想定した保護等級)
  • センサー:産業用64〜128ライン仕様のLiDAR(レーザーで周囲の距離を測る測域センサー)に加え、前後2基構成、HDカメラを組み合わせた360度環境認識
  • 通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2に対応、GPSと4Gはオプション扱い

「静止時150kg」という数字は、成人男性3人分の重さを25kgの機体が支えられることを意味しており、単なる走行性能以上に構造の頑丈さがうかがえます
中国メディアの報道でも、脚とホイールを組み合わせた設計により移動効率が基礎モデル比で40%以上向上したと伝えられています。
搭載する認識システムは「ISS 3.0」と呼ばれ、センチメートル単位の位置把握と追従を行うとされていますが、この名称や詳細アルゴリズムについては公式サイト上で簡潔な紹介にとどまっており、詳細な技術文書までは公開されていません。

何に使うためのロボットなのか?

Unitreeはこの機体の用途として、物流の荷物運搬、山岳地帯での救助支援、インフラ設備の点検といった民生・産業用途を想定していると発表しています。
中国語圏のユーザーからは、悪路での機動力を評価する声が上がりました。

宇树科技の新作AS2-Wが登場し、あらためて気づかされたことがある。
25kgの小さな体で崖を平地のように駆け、渓流の中でもドリフトし、立ったまま成人3人分の重さを支え、無積載なら30kmもの航続距離を持つ――もはや「ロボット犬」の域を超え、複雑な地形と将来の応用シーンに向けた“超性能装備”を中国が用意した、という趣旨の投稿です。

このツイートのいいね数は4件とごく少数ですが、悪路での機動性が「ロボット犬」という枠を超えた実用機として受け止められている点は、今回の発表の反応を読む上で参考になります
一方で、価格・発売時期については公式発表がなく、Unitreeの製品ページでも「Contact Sales(問い合わせ)」表示のみで、具体的な販売条件は明かされていません。
量産準備段階に入っているとの報道はあるものの、正式な発売日・価格は正式発表されていない状況です。

軍事転用の懸念はどこまで根拠があるのか?

日本のユーザーからは、AS2-Wの機動力を見て軍事利用への懸念を示す投稿も見られました。

「背中に武器を積んで攻めてくるのでは」という趣旨のこの投稿は皮肉交じりの表現で、公式に軍事転用が発表されているわけではありません。
四足ロボットをめぐっては、Unitree製品を含め過去にも「民生用として販売された機体が改造され武装デモに使われた」という報道が海外で出たことがあり、こうした前例が懸念の背景にあると考えられます。
ただし、AS2-W自体について軍事用途への転用が確認された一次情報は見当たらず、現時点では推測の域を出ません。
Unitreeが公式に掲げる用途はあくまで物流・救助・点検といった民生分野です。

Shiritomo GADGET編集部の考察:脚とホイールの「使い分け」に注目したい

AS2-Wで最も面白いのは、脚とホイールという相反する移動方式を1台で両立させた設計判断だと感じます。
四足ロボットは悪路に強い一方で移動速度が遅く、車輪型ロボットは速いが段差に弱いというトレードオフが長年の課題でした。
AS2-Wはこれを「状況に応じて切り替える」という形で解決しようとしており、物流や点検の現場では、平地区間と悪路区間が混在するケースが多いため、この切り替え設計は実用面での説得力があると見ています。
もう一つ気になるのは、静止時150kgという耐荷重の高さです。
単純な走破性能だけでなく「積んで運ぶ」用途を強く意識した設計であることが数字から読み取れます。
価格・発売時期が未発表の段階なので判断は時期尚早ですが、次に公式から具体的な導入事例や価格が出てきたタイミングで、実際にどの業種が採用するのかを追いかけたいところです。

まとめ

Unitree Roboticsが発表したAS2-Wは、25kgの機体でありながら最高速度6m/s超、静止時150kgの耐荷重、無積載30km超の走行距離という数字を公式サイトで確認できるロボットです。
脚とホイールを使い分ける設計思想が最大の特徴で、価格や発売時期は今後の公式発表を待つ必要があります。

さらに深掘りしたい方へ

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AS2-Wの詳しいスペックや最新情報は、Unitree公式サイトを確認するのが確実です。