OpenAI Codexが1500万ユーザー突破 「100万人ごとにリセット」公約の顛末を調べてみた
「アクティブユーザーが100万人増えるごとに、利用制限をリセットする」。
OpenAIでAIコーディングエージェント「Codex」を率いるTibo Sottiaux氏は、そう約束していました。
実際に1000万人を超えたのは7月下旬。
ところがそこから3週間近く、氏のアカウントは続報を出さないままでした。
その沈黙が破れたのが2026年8月13日午前でした。
「数日前の話だけど1500万人を突破した。
みんな良いリセットを楽しんで」——Sottiaux氏の投稿は公開から数時間で1万件を超えるいいねを集め、Xのタイムラインには利用制限が回復したことへの反応が次々と流れました。
AIコーディングツールがどれくらいの速さでユーザーを増やし、どんな形で話題化するのか。
開発者向けツールがSNSでここまで盛り上がる背景を追うと、AIプロダクトの成長曲線とユーザーの熱量の関係が見えてきます。
先に結論をまとめると:
– OpenAIのCodex(AIコーディングエージェント)が2026年8月13日、アクティブユーザー1500万人突破を発表し、利用制限がリセットされました
– 「100万人ごとにリセット」という公約は1000万人到達後にいったん止まっていましたが、その間も静かにユーザーが増え続けていたようです
– 7月に実施されたChatGPTアプリとの統合を境に、開発者以外の層にも利用が広がっているとみられます
なぜこの投稿はこれほど話題になったのか
投稿の主はTibo Sottiaux氏。
OpenAIでCodexの開発を率いてきた人物です(役職の詳細は後述します)。
文面はシンプルでした。
「数日前の話になりますが、1500万人を突破しました。
みんな良いリセットを楽しんでください。
1時間ほどで反映されるので、ぜひ/fastを使ってみてください」——Sottiaux氏はこう綴っています。
/fast(Codexの高速処理モード)という具体的な単語まで添えている点が、実際にツールを使っているユーザーの心をつかんだようです。

Old news actually from a bunch of days ago, but crossed that 15M. Enjoy a nice reset everyone. Landing in the next hour or so, go /fast. https://t.co/TFRN2SrpCi
— Tibo (@thsottiaux) 2026年8月13日
この投稿は公開から数時間で141万件を超える表示、1万件超のいいね、700件以上の引用ツイートを集めています。
利用制限のリセットという、本来は運営側の裏方作業に近い告知が、これだけの反応を呼んでいるのは興味深い現象です。
ただ、この数字だけでは「1500万人」がどれくらいのペースの成長なのか、Sottiaux氏がどんな立場の人物なのかは分かりません。
そこで一次情報を確認してみました。
Codexとは何か、どれくらいのスピードで伸びているのか
Codexは、OpenAIが開発したAIコーディングエージェント(コードの作成・バグ修正・プルリクエストの提案などをAIが自律的にこなすツール)です。
2025年4月にCLI(コマンドライン)版として登場し、同年5月にはクラウド上でタスクを実行する「Codex Cloud」の研究プレビューが発表されました。
ユーザー数の伸びは急激で、2026年2月時点では開発者100万人超の利用と報じられていましたが、そこから半年ほどで15倍に達した計算になります。
7月下旬には1000万人へと到達しましたが、この数字はChatGPT Workとの合算だったと報じられており、今回の発表の1500万人がCodex単体の数字かどうかは明確ではありません。
細かい伸びのペースは非公式なまとめ記事にしか出ておらず、Sottiaux氏本人が明言したのは節目の数字のみである点には注意が必要です。
「100万人ごとにリセット」の公約はどうなっていたのか
Sottiaux氏は以前から、Codexのアクティブユーザーが100万人増えるたびに利用制限をリセットする、というカジュアルな“約束”をXで続けてきました。
1000万人到達時にも同様のリセットを実施しています。
ところが、そこから公約通りの続報はぴたりと止まりました。
8月12日になって、氏は「以前、Codexのアクティブユーザーが100万人増えるごとにリセットすると約束していましたが、それは1000万人までの話でした。
実際にはその数字をとっくに超えていて、1000万人以降はずっと黙っていました。
明日、ちょっとしたサプライズがあります」と投稿しています。
I previously promised a reset for every 1M in additional active users for Codex, until 10M.
— Tibo (@thsottiaux) 2026年8月12日
We blew past that and have been silent since 10M. Little surprise for you tomorrow.
つまり今回の1500万人到達は、いきなり出てきた数字ではなく、公約が形骸化していたことを本人が認めたうえでの“帳尻合わせ”の発表だったわけです。
ユーザーからすれば「言った通りやってくれた」という安心感と、「ずいぶん引っ張ったな」という半信半疑が入り混じった反応になったのも自然に思えます。
なぜ開発者以外にも広がっているのか
Codexはもともとエンジニア向けのツールとして始まりましたが、2026年7月9日にCodexアプリがChatGPTのデスクトップアプリと統合されました。
統合後はChat(会話)・Work(アウトカム型のタスク遂行)・Codex(開発者向けコーディング機能)という3つのモードに分かれており、独立モードとなったCodexの機能に無料プランを含むChatGPTユーザーが触れられるようになっています。
この統合が非エンジニア層への広がりに直結しているのではないか、と見ているユーザーもいます。
またリセットきてて草
しかし凄いな、 Codexのアクティブユーザー1500万人突破か
ChatGPTとCodex統合してからユーザー数倍以上になってるんだね
またリセットきてて草
— 松丸 彗吾(keigo matsumaru) (@k_matsumaru) 2026年8月13日
しかし凄いな、 Codexのアクティブユーザー1500万人突破か
ChatGPTとCodex統合してからユーザー数倍以上になってるんだね https://t.co/kZ9dZhV29a
このように、Codex単体の伸びというより「ChatGPTというすでに巨大なユーザー基盤に接続されたこと」が急成長の大きな要因になっている、というのがユーザー側の実感のようです。
実際にどの程度ChatGPT統合の効果が数字に表れているのかは、OpenAIから内訳が公表されているわけではないため、あくまでユーザーの推測にとどまる点は付け加えておきます。
Tibo Sottiaux氏はどんな立場の人物なのか
Sottiaux氏は2024年にOpenAIへ入社し、当初は社内の研究ツール開発を支えた後、Codexの開発を主導する立場に移ったと伝えられています。
入社前はGoogle Mapsを経て、Google DeepMindでGeminiモデル向けの機械学習基盤づくりに携わっていたようです。
現在はCodexに加えてChatGPTを含む中核プロダクト全体を統括する立場に役割が広がっている、という情報もありますが、この点はOpenAIの公式発表では明確に確認できておらず、断定は避けます。
Shiritomo編集部の考察:制限を「イベント化」する運用の巧みさ
今回の一連の投稿を見ていて感じたのは、「利用制限のリセット」という地味な運営作業を、フォロワーが心待ちにする“イベント”に変えている点です。
ソーシャルゲームの新章解禁やスタミナ回復演出に近い構造で、制限がある状態を先に見せてから解放するからこそ、解放の瞬間に歓声が生まれます。
SNS運用の観点では、機能追加そのものよりも「制限→解放」という緊張と解放のサイクルを可視化することが、エンゲージメントを生む設計として参考になります。
公約を一度守り、その後沈黙し、最後に「実は超えていました」と種明かしする構成も、期待値コントロールとして巧みです。
まとめ
OpenAIのCodexは1500万人という節目を超え、開発者コミュニティを中心にお祭り騒ぎとなりました。
数字の伸び自体もさることながら、公約を律儀に果たそうとする運営側の姿勢と、ChatGPT統合によるすそ野の広がりが重なったことが、今回の盛り上がりの背景にあるようです。
さらに深掘りしたい方へ
Codexの機能や思想についてさらに知りたい方は、OpenAI公式の紹介記事も参考になります。