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「いいね917、リポスト3,815」——赤からの新メニュー告知が示した、拡散する懸賞の条件

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月21日 更新
「いいね917、リポスト3,815」——赤からの新メニュー告知が示した、拡散する懸賞の条件

ひとつの投稿に対して、いいねが917件、リポストが3,815件。
数字の大小が逆転しています。
飲食チェーン「赤から」が7月20日に出した新メニューの告知キャンペーンは、24時間でこの結果を記録しました。
フォロー&リポストという、Xでは見慣れた王道の形式です。
それでも、いいねの4倍を超える拡散が起きました。

X で新商品の告知や懸賞企画を担当している方にとって、この逆転は他人事ではありません。
同じ「フォロー&リポスト」でも、拡散するものとしないものを分ける条件がどこにあるのか。
公開データと一次情報をたどって整理してみます。

先に結論をまとめると:

  • リポスト数がいいね数の4.16倍。
    「好意を示す」より「応募する」が先に起きた投稿でした
  • 拡散のピークは投稿直後の1時間で536件/時。
    その場で当落が分かる形式が初速を作っています
  • 賞品を自社店舗のクーポンにしたことで、拡散が来店動機にそのまま接続していました

数字で見る、24時間の広がり方

まず実測値から確認します。
この告知投稿は24時間で31,509回表示され、3,815件のリポストを集めました
いいねは917件、ブックマークは36件、引用リポストは3件です。

注目したいのは拡散率です。
表示された回数のうち12.1%がリポストに至っています。
X の懸賞企画では、リポスト数がいいね数を下回ることも珍しくありません。
今回はその比が4.16倍。
見た人の多くが「いいね」で止まらず、応募という行動まで進んだことになります。

時間別に見ると、立ち上がりの速さも際立っています。
最初の1時間で全体の約15%、6時間で約51%が集まり、ピークは投稿直後の時間帯で1時間あたり536件でした。
24時間かけてじわじわ広がったのではなく、序盤で半分を作ってから積み上げた形です。
より詳しい拡散の推移や、拡散した層の属性分析は、SocialReport のキャンペーンレポートで公開されています。

そもそも「ナッコプセ」とは何なのか

賞品の話に入る前に、告知されている商品そのものを確認しておきます。
「赤からナッコプセ」は、赤からを展開する株式会社甲羅が7月28日から9月6日まで期間限定で提供する夏メニューです。
全国150店舗以上で、1人前1,990円(税込2,189円)、辛さは小辛・中辛・大辛の3段階から選べます。

ナッコプセは韓国・釜山発祥の鍋料理で、名前は具材の頭文字に由来します。
ナクチ(タコ)、コプチャン(牛ホルモン)、セウ(エビ)の3つです。
1960年代の釜山で生まれ、日本ではドラマ『孤独のグルメ』で取り上げられた2019年末以降に認知が広がりました。
専門店の日本進出も相次いでいます。

つまり赤からは、専門店で食べるものだった料理を、全国150店舗以上の鍋チェーンで出すという発表をしていることになります。
「韓国の話題料理を、行き慣れた店で試せる」という構図です。
SNS上で見かけて気になっていた層にとって、心理的な距離が一段縮まる打ち出し方でした。

なぜ、いいねより先にリポストが動いたのか

ここからが本題です。
同じフォロー&リポスト型でも、今回の投稿が行動を引き出せた理由は3つの設計に整理できます。

応募までの手数が「2つ」しかない

参加条件は、公式アカウントのフォローと投稿のリポスト。
コメントもハッシュタグ投稿も求められません。
実際、集計された24時間分の拡散3,696件のうち、3,695件が純粋なリポストでした。
引用してひとこと添える形式は、参加者に「何を書くか」という判断を強います。
その一手間を外したことが、初動の速さに直結したと考えられます。

待たせない抽選形式

今回はその場で当落が分かるインスタントウィン形式でした。
SNSマーケティング支援のコムニコが実施した調査では、キャンペーン参加者の6割以上が「その場ですぐ当落が分かるキャンペーン」に参加したいと回答しています。
結果を待つ形式では、応募が「あとでやろう」に流れます。
即時抽選は、投稿を見た瞬間の温度をそのまま応募に変換する仕組みです。
ピークが投稿直後に立っているのは、この形式の特性がそのまま出た結果でしょう。

賞品が「行きたい場所」につながっている

当たるのは、店舗で使える5,000円分のクーポンです。
汎用のギフト券であれば、当選後の使い道はキャンペーンと無関係に散っていきます。
店舗クーポンは違います。
当選した時点で、行き先が決まります。
賞品そのものが来店予約のような役割を果たしているわけです。
しかも新メニューの発売8日前という時期設定なので、当選者の来店タイミングと発売日が自然に重なります。

Shiritomo編集部の考察:拡散数の前に「どの行動を促すか」を決める

キャンペーンの評価というと、まずリポスト数の大小に目が行きます。
ただ今回の事例を見ていて感じたのは、拡散数はあくまで結果側の指標でしかない、ということです。
設計側で決められるのは「参加者にどの行動を取らせるか」だけで、そこが定まっていれば数字は後からついてきます。

指標として使いやすいのが、リポスト数といいね数の比率です。
この値が1.0を下回っているなら、投稿は好意的に受け止められてはいるものの、応募という行動までは届いていない状態です。
今回の4.16は、その意味で「行動喚起の設計が効いていた」ことを示す数字と読めます。
自社の過去キャンペーンを振り返るとき、リポスト総数だけでなくこの比率を並べてみると、どの回の設計が機能したかが見えてきます。

もうひとつ。
拡散したあとの着地点を決めておくことも重要です。
今回は賞品と商品と店舗が一直線につながっていました。
SNSの数字を事業成果に接続する導線を、企画段階で先に引いておく。
拡散はその導線を通る量を増やす手段であって、目的ではありません。
この順序を取り違えると、数字は伸びたのに何も残らない、という結果になりがちです。

まとめ

いいねよりリポストが多い投稿は、単に人気があるのではなく、行動を促す設計が機能している投稿です。
参加の手数・抽選の即時性・賞品の着地点という3点を揃えられるかどうかが、王道の懸賞企画で差がつくポイントになりそうです。

さらに深掘りしたい方へ

出典:拡散データは SocialReport のキャンペーンレポート に基づく