中国発「Kimi K3.1 Pro」が知能ベンチマーク世界4位、Opus 5.5に迫る性能
総パラメータ2.8兆、コンテキストは100万トークン。
中国のMoonshot AIが発表した新しいAIモデル「Kimi K3.1 Pro」のスペックは、数字だけ見ても規格外です。
しかも気になるのは数字の大きさだけではなく、主要ベンチマークでClaude Opus 5.5やGPT-6 Astraといった最前線のモデルに、かなり近い成績を出している点です。
オープンウェイト(モデルの重みを公開し、誰でも手元で動かせる形式)での提供を予告しているため、AIを自分の環境で動かしている開発者やクリエイターにとっては、選択肢が1つ増える話にもなりそうです。
先に結論をまとめると:
– Moonshot AIが「Kimi K3.1 Pro」を発表、総パラメータ2.8T・アクティブ104B(MoE:必要な部分だけを動かして計算量を抑える仕組み)のマルチモーダルモデルで、コンテキストは100万トークン
– Terminal-Bench 4.0では65.7%を記録し、GPT-6 Astra(58.2%)を上回りClaude Opus 5.5(66.4%)にわずかに迫る成績
– 料金は入力$2・出力$10/100万トークンと、前モデルから33%安く設定。
モデル重みは11月4日までに公開予定
発表直後からX上でも驚きの声
Moonshot AIは、公式アカウントでKimi K3.1 Proの発表を行いました。
投稿では「Kimi K3.1 Proを発表します。
当社史上最も高性能な3Tクラスのオープンウェイトモデルです。
100万トークンのコンテキスト、総パラメータ2.8T/アクティブ104B(MoE)、マルチモーダル対応。
Unreal・Unity・Godotでのゲーム開発を含むフルプロジェクトのコーディングが可能で、Blender・CADでのパラメトリックな3Dモデリングも得意です」と紹介しています。
Introducing Kimi K3.1 Pro: our most capable 3T-class open-weight model.
— Kimi.ai (@Kimi_Moonshot) 2026年10月23日
🔹 1M-token context, 2.8T total / 104B active params (MoE), Multimodal.
🔹 Full-project coding: games in Unreal, Unity & Godot.
🔹 Excels at parametric 3D modeling in Blender & CAD.
🔹 More reliable at… pic.twitter.com/klydcszv02
この発表を受けて、AI系の情報を追っているユーザーからは早速反応がありました。
「まじかよ。
Kimi K3.1 Proは主要ベンチマークでOpus 5.5やGPT-6 Astraと同等、あるいはそれを上回っている。
たった今発表されたK3.1 Proは、2.8Tパラメータのマルチモーダルモデルで、100万トークンのコンテキストウィンドウを持ち、コーディングやエージェントタスクで主要な独自モデルに匹敵すると主張している」という投稿です。
Holy shit: Kimi k3.1 pro is on par or even outperforms Opus 5.5 and GPT-6 astra on key benchmarks!!
— Chubby♨️ (@kimmonismus) 2026年10月23日
They just announced K3.1 Pro, a 2.8T-parameter multimodal model with a 1M-token context window that it claims rivals leading proprietary models in coding and agent tasks, with… https://t.co/3fS5hYr14B pic.twitter.com/MSlq3l0vRb
ただ、発表直後の投稿はどうしても期待込みの評価になりがちです。
実際のベンチマーク結果を、公開されているスコアで確認しました。
調べて分かったこと
ベンチマークでは、どこまで上位に食い込んだのか
AI性能を比較するArtificial Analysisの指標によると、Kimi K3.1 ProはIntelligence Indexで4位に入りました。
オープンウェイトモデルとしては最上位の成績です。
コーディングエージェントの実力を測るTerminal-Bench 4.0では65.7%を獲得し、OpenAIのGPT-6 Astra(58.2%)を上回りましたが、Claude Opus 5.5(66.4%)にはわずかに届きませんでした。
3Dモデリングの精度を測るBenchCADでも92.7%を記録し、Opus 5.5の96.2%、GPT-6 Astraの95.9%に近い水準まで来ています。
価格はどれくらい安いのか
Kimi K3.1 Proの利用料金は、入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドル、キャッシュヒット時は0.2ドルです。
前モデルのKimi K3から全項目で33%安くなりました。
高い性能を比較的低価格で使えるという組み合わせが、開発者コミュニティで注目されている理由の一つになっています。
オープンウェイトの公開は、いつ・どんな形で行われるのか
Moonshot AIは、Kimi K3.1 Proのモデル重みを2026年11月4日までに公開すると発表しています。
公開にあたっては、サイバー攻撃に関連する学習データをあらかじめ取り除いたうえで、通常のコーディング能力は維持する調整を行ったとしています。
誰でも使えるオープンウェイトモデルだからこそ、悪用されやすい能力をどう制限するかが課題になっていることがうかがえます。
高速版の「Highspeed」との違いは
通常版と同時に、処理速度を2〜3倍に高めた「Kimi K3.1 Pro Highspeed」も提供が始まっています。
レスポンスの速さが求められるチャットボットやリアルタイム用途では、こちらを選ぶ余地もありそうです。
速度と精度のどちらを優先するかで使い分けられる構成になっています。
Shiritomo編集部の考察
Moonshot AIの公式発表と、海外ユーザーの驚きの投稿がほぼ同時に見られた点は、中国発オープンウェイトモデルへの注目度の高さを示しています。
性能だけでなく「価格」と「公開範囲(重みを誰でも使える形)」を同時に打ち出す発表の仕方は、クローズドな大手モデルとの差別化戦略として分かりやすい構図です。
日本の開発者にとっても、高価格帯の商用APIと、性能で肩を並べつつ低価格・オープンな選択肢を比較検討する動きは今後も続くと見ています。
まとめ
Kimi K3.1 Proは、ベンチマークで世界トップクラスに迫る性能と、前モデルから3割安い価格を両立させた点が注目を集めています。
モデル重みの公開は11月4日までに予定されており、実際に手元で動かせるようになってからの評価にも注目です。
